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ホビットのマゾム

私のマゾムとマンサク、メソッドについて、を書くエッセイ。
捨ててしまえないガラクタとひらめき、あくまで私が快適に暮らしていくためのメソッドを書く。

さて、今回はマゾムのお話。
マゾムとは、捨ててしまえないガラクタのこと、なのですが、「なんだそれ?」と思われる方もいらっしゃいますよね。初回なので、まずはそこから。


ホビットのマゾムだよ。

そう言ったら、「ああ!」と納得してくださる方もいらっしゃるでしょう。
イギリスの作家、ジョン・ロナルド・ルーエル・トールキンの『ホビットの冒険』や『指輪物語』に出てくる種族、ホビットは、好奇心旺盛で、モノの収集を好みます。
そのホビットたちの集めているものの中で、今すぐには使うあてはないけれど、捨ててしまう気になれないもの、のことをホビットは、マゾムと呼んでいる。

私はホビットの冒険が大好きなので、いつのまにか、捨ててしまいたくない、捨ててしまえない、他人から見たらガラクタのようなもののことを、ホビットきどりで、マゾムと呼ぶようになりました。

ミニマリストに憧れつつも、ミニマムな生活には到底至らず、ならば出来る限りシンプルにと、シンプリストを目標に据えておりますが、モノってなかなか減らせません。そして減らせない自分にモヤモヤする。
だからこそ、「捨ててしまえない」とマゾムに分類することで、取っておいていい理由を得ているのかも。モヤモヤを少しでも減らすために。

長くなりましたが、マゾムとは、そういうものです。


少し前に、引っ越しをしました。
人生何度目の引っ越しだろう。6、いや、7回目の引っ越しです。
引越しの都度、断捨離に心機一転のお片付け、意図せぬ紛失なんかを繰り返して、多少なりとも荷物は整理されてきました。整理されてきたはずです。
それでも毎回、「ああこれは」というモノがでてきます。使うかなぁ、使わないかなぁ、無いと困るわけじゃないんだけど、でも捨てるはイヤだなぁ、できれば持っていたいかなぁ、みたいなことを考えてしまうモノが。

今回の引っ越しで荷造りをしていると、ちょっと薄汚れてしまったキティちゃんの大型プラスチッククリップが出てきました。
ごくごくたまに使用していたし、そこにあることは知っていました。それでも、それを手にして、「ああ、これはなぁ」と思います。

初めての引っ越しのときからずっと持ち歩いているクリップ。私の記憶では、買ってもらったのは小学4年生の春だったクリップ。ときどき洗っても、どうしてもぼんやり汚れている感じが取れないクリップ。
どうしようかな、少し考えるのですが、やっぱりこれは捨てられないなぁ、と思うクリップ。

たぶん、現在、私が所有しているすべてのモノの中で最も古いものが、このクリップなんじゃないかしら。
考えながら、これぞまさにマゾムだなぁ、なんて、荷造りを忘れて、ホビットについて考えたりもしてしまいました。

キティちゃんが大好きなわけでも、コレクションしているわけでもないし、どうしてこんなにも長いこと持ち続けているのか、正直わからないのですが、それでもどうにも捨ててはしまえない。
傍から見たら不思議ですよね。自分でも不思議です。
あのクリップは、あそこにあるはず。何かの拍子に思い出して考えるのだけれど、実際に確認まではしない。そんな関係。
こういうの、私だけかしら。いやいや、ホビットや私だけ、かしら。

そういうもの、ありますか?

興味深し、マゾム。

わたしとしては、他にもマゾムはいっぱいあるから、そのひとつひとつを見つめてみたら、おもしろいかもしれないな、と、ひとり遊びを思い付き、それを形にしたくって、マゾムについて書こうとしております。
誰かのそういうお話を聞くのも大好きだし。



新居で片付けを進める荷物の中から、キティちゃんの大型プラスチッククリップが出てきました。心なしかさっぱりしているような。
頭を傾げる私に、
「あ、それ、キレイにしておいたよ」
私よりなんでも上手な旦那さまが告げてくれました。このクリップがマゾムだってこと、話していたのです。
マゾムとはなんぞや、となるので、「マゾム」って言ったわけではないんですけれどね。






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