実写版アラジンは現代女性を意識した、アニメとは別物の映画『ジャスミン』

『美女と野獣』『アラジン』みんな大好きなディズニーアニメだと思いますが、私にとってもこの2作品が2大ベストです。

およそ30年前、今みたいにさまざまな娯楽があるわけでもなく、山と川に囲まれる町で過ごしていた小学生の私にとって、美女と野獣はそれはそれは衝撃だった。
お皿とスプーンやフォークが踊る。
子供心にルミエールの色男っぷりがまぶしかった。

続いて公開されたのがアラジン。
誰もがときめく、空飛ぶ絨毯でのひと夜の世界旅行。
インターネットもまだなくて、世界が今みたいに身近でなかったあの頃、「どこか遠いところにこんなにカラフルでワクワクするところがあるんだなー」と、外の世界を意識するきっかけにもなった大切な映画です。

その後、どちらの作品もディズニーにより舞台化されて、日本でも劇団四季が見事なステージを見せてくれています。
アニメがリアルになってもまったくがっかりしないし、むしろよりいっそう夢の世界に近づくことができる。
美女と野獣の舞台版に関しては、私のその後の進路に大きく影響を与えたので、非常に大切な作品になっています。

以下私の主観と若干のネタバレになります。

そして昨今、これらのディズニー名作が次々と実写映画化されています。
美女と野獣も観たけど、「なぜわざわざ実写でやらなきゃいけなかったんだ…」という感想。
それでも一抹の期待を胸に、公開されたばかりのアラジンを観てきました。
結果的には美女と野獣同様な感想なんだけど、さらに感じたのは、これは映画『ジャスミン』ではないかと。
ビジュアルの力の入れ方が、どう考えてもアラジン<ジャスミン。
登場シーンのインパクトもアラジン<ジャスミン。
観客は8ー9割がた女性であることは製作前から想定しているであろうから、現代女性に受けるかたちにまとめたんだろうなーと思った。
最近は、どこに行っても(宝塚以外!)強い女性、自立した女性がヒロイン。
アニメ版で子供の頃夢見た世界は、おとぎ話。
現実では、自分で道を切り開くんだよ。
って。
そんなのわかってますよ。
だから、ちょっと疲れた心を潤すために、おとぎ話を観るんじゃないの?

実写版アラジンは、映画『ジャスミン』としてまったく別のお話と思うことにしました。
でないとオリジナルのアニメ版と、それにときめいていたあの頃の自分に申し訳ない気持ちになってしまう…

ただし、アラン・メンケン&ティム・ライスの素晴らしい音楽は永遠。
何十年経っても、変わらず私の心を震わせ、胸が熱くなり、必ず同じ気持ちにさせてくれます。

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