英語力ゼロから現地校へ~ロンドン駐在記 #5 登校初日(番外編)
ピヨコの登校初日の様子、追記。
約6時間英語のシャワーを浴び続け、担任の先生に名前をずっと間違えられ、疲れ切り&傷つき、母が迎えに行っても一言も言葉を出せないほど、憔悴してぴよ子は学校から帰ってきました。
後から分かったのですが、その日は数少ない日本人の女の子(2学年上)がエマージェンシー要員としてぴよ子を助けに(⁉)きてくれて、先生が言っていることを通訳してくれたり、少しの間お世話をしてくれたそうです。これを聞いて、ピヨ子がいかに小さな心と体で必死に奮闘してきた6時間だったかが、理解できたのでした。
「言葉」も「授業の内容」も「スクールのルール」も何もかもわからない。
優しくしてくれるクラスのみんなの顔も日本人とはまるで違うし、そのみんなも肌の色、髪の色、目の色がそれぞれ違う。とにかく彼女にとって、目にするすべてが初めて。
「異・文化」に初めてたった一人で足を踏みいれました。
そんな心ぼそく、はてしない時間を過ごした心の緊張から解放された直後に、迎えにきた母親にその日のことを楽しく饒舌に話せるか?話せない。私も話せないな。
今さらながら、この文章を書いていてあの時のことを振り返り、そう気が付きました。
娘が挑んだ「初日」。その勇気をあらためて誇りに思います。
私はわが子の張り詰めた心を緩ませるより、あれこれを聞き出そうとすることを優先していたかもしれない。ごめんね。
お友達からもらったというバッジの話。
ぴよ子がたくさんのクラスメイトに囲まれて(想像するに)にぎやかにお世話をしてもらっているとき、一人の女の子が机の上にそっと置いてくれたのバッジ。帰ってから見せてもらうと、best friendと書かれていました。
バッジに書かれている文字を見た時どんな気持ちがした?
best friendという文字には、その子のやさしさがにじみ出ていて、、私たち親子の心の温度をあげてくれたのでした。
一生忘れられないよね。ママも、感動✨という驚きがあったな。
それから数年後のYear 6になったとき、「たぶんあの子かなー」と思っていた子にぴよ子さん、聞いてみました。
やっぱりそうでした。これをくれたのは現在もベストフレンドのMiaでした。
やっぱり、Miaだったよー♡♡
「そうだよ、Dollyと一緒にこれをあげよってなったの。ぴよ子が最初に見学に来た時に、あの子と友達になりたいねって二人で話してたの」って。
Mia、Dolly、ぴよ子は、帰国して2年がすぎた今でも、強い絆で結ばれた親友です。
「おはよう」、日本語で話しかけてくれた男の子の話。
初日、学校にいく途中に道で会って日本語でそう挨拶してくれた男の子、エミリアンはブルガリア出身の3人兄弟の真ん中で、とてもフレンドリーな子でした。
その日は、何を隠そう私たち親も学校へ向かうのに緊張気味でしたが、この子のおかげで彼のお母さんとも自己紹介をしたり、少し雑談ができたので、リラックスして学校へと向かえたのでした。そしたらなんと二人は同じクラスだったのです。
エミリアンはもともと日本が好きで興味をもっていたようで、教室でも知ってる日本語でぴよ子に話したくてたまらなかったのでしょう(笑)。
一方ぴよ子は外国の男の子が日本語を知っていることにびっくり!
おかげで、周りのクラスの子たちも知っている日本語であいさつしてくれて、みんなとも溶け込みやすくなったのだと思います。
エミリアンありがとう。
エミリアンは、この最初の出会いから最後にイギリスを去るまでずっと、日本大好き、そしてぴよ子のことが大好きな男の子でした。クリスマスやバレンタイン(イギリスでは男性が女性にバラやプレゼントを贈ります)など、ことあるごとにプレゼントを贈ってくれました。
母的には、イギリスの思い出の一つに「エミリアン」があるのでした。
(#6に続く)