今週の日経ビジネス(9/21)

今週の気になった記事は果実堂という会社についてだ。

一般的な知名度のないこの会社は、近年人気を集めているベビーリーフの生産量日本一を誇っている。

果実堂の社長である高瀬氏は2代目社長であるが、元々は大阪府出身で住友不動産で建築士として働いていた。

その後知人の誘いで農業を始めるため、大分県にある西日本農業社に入社した。

ここでバジルやニンニク、ベビーリーフなどを栽培したのだが、生産性向上のために着目したのが土壌だった。

専門書で知識を集め、全国の土を見て回ることを続けるうちに、「土の触診」ができるまでになった。

そこへ果実堂の創業者である井出前社長がそのうわさを聞きつけて高瀬氏の元を尋ねることになる。

ベビーリーフで日本一を目指すという井出前社長の想いに共感した高瀬氏は2011年に技師長として果実堂に入社する。

高瀬氏は入社後、知見を活かしてすぐに改革に着手し、動線の自動化や保冷庫の改良など、300項目以上の作業手順を改善させることで、それまで赤字だった果実堂の業績を3年で黒字化させる。

さらに建築士としての経験を生かした低コストで台風にも強い「高瀬式ハウス」と呼ばれるビニールハウスの開発に成功し、こちらの外販事業にも着手することで業界でも一目置かれる存在となった。

そうした努力が実を結び、当時10毛作が限界だといわれていたベビーリーフの生産で14毛作させることに成功し、収穫量は2倍に飛躍した。

現在も東京大学発の農業ベンチャーとも協業し、次のステージにチャレンジしている高瀬社長の今後に要注目だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?