メガトン級ムサシのシドルの生態について考察

初めに


 今回の考察は『メガトン級ムサシ』第18話『崩壊』の感想とともに投稿する予定でしたが、公式さんからの放送延期のお知らせを受け、急遽このタイミングで投稿する事にしました。尚、今週の16話の再放送分の記事は書きませんが、17話の特別篇、最新話の18話は書かせて頂きます。


シドルの生殖についてまたまた考察する

 17話で新たな情報が出てきたのでまたまた新たな情報が出ましたね。ドラクターことシドルの民にはシェダとリテルという存在に分けられるようです。そのうち、シェダは平民階級で生殖機能は無く、リテルは貴族階級で生殖機能があるようです。

 以前、シドルはアリと同じ生態系で女王が子孫を産んでいるという考察をしましたが、リテルの女性も子孫を残せるとしたら、女王の負担は減りそうですね。それでも、女王のみが『兵を作れる』そうなので、シドルを維持するにはやはり女王が必要なのでしょうか。
 ちなみに、種類にもよりますが、ハチやアリは1日に2000個卵を産むそうです。それは卵生であるが故に出来ることなので、シドルの民はどのくらいのペースで増えてるのでしょうか。

シェダの発生について

 シェダと呼ばれるシドルの民には生殖機能が無いようです。そうなると、ユグラとミーシスには性別があってないものになりますね。そうなると、どうやって発生してるのでしょうか。考えた三つの説をそれぞれ話しますね。

①単為生殖


 まずは、単為生殖(メスやオスどちらかのみで生殖する方法)です。これはシロアリがオスとメスを生み分ける為に使っています。ちなみに、自然界の哺乳類は単為生殖出来ないそうです。シドルは単為生殖出来る哺乳類になるのでしょうか?

 哺乳類が単為生殖出来ない理由は、ゲノムインプリンティング(ゲノム刷り込み)という仕組みがあるからです。これにより、父親由来の遺伝子と母親由来の遺伝子をコントロールしているそうです。これは哺乳類と一部の植物で確認されている現象なんだそうです。


 無精卵から生まれた女王の子供がシェダなら、女王のみが兵士を作れるという話にも繋がりますね。そう考えると女王はどのくらいの頻度で妊娠してたんだという話にもあるんですがそれはまた別で考えるべきでしょう。




②無性生殖



 今度は細菌の分裂や酵母の出芽のように増えてるという説。ただ、(恐らく)多細胞生物であるシドルが一回の分裂で増えるというのは流石に無理があるような気がします。

 或いは、植物のように栄養生殖という可能性もあります。植物は無性生殖と有性生殖どちらも出来る多細胞生物で、シドルもそうなのかもしれません。

 




 ちなみに、植物の自己治癒能力は凄まじいのです。欠損部位から成体になる程で、カボチャの切ったツルから根が出たという話を聞いた事があります。シドルもそのような力があるのでしょうか。
 そうなると、シーズン1の後半で腕が切られた女王が自己再生し、更には切られた腕からも女王がにょきにょき生える事に…(怖い)

 
 

③人工培養



 これは実はメガトン級ムサシの裏設定を元にしてます。シェルターイクシアでは食材調達をする為に生物(エビ等)を培養しているそうです。現実世界でも既に植物の培養や培養肉の研究がされています。
  この培養の技術を応用して、クローン人間を兵士として作っているという説です。ノーベル賞を受賞したiPS細胞のように生体の細胞から新たな生体を作り出しているのではないでしょうか。
 ただ、人間のクローンを作るというのは生命倫理学的な観点を踏まえて研究が禁止されているそうなので、シドルの世界はそれがないという恐ろしい事になるのですか…。

 ただ、クローンというのは元の個体の性質をそのまま引き継いでます。
(例として桜のソメイヨシノは皆同じ性質を持ってます。ソメイヨシノは江戸時代に人工的に作られた桜で、同じ遺伝子を持っています。)

そうなると、同じシェダであるはずのユグラとミーシスが別の姿というのは違和感があります。もしかすると、別の生体からクローンとして生まれたのでしょうか。

④シェダはアンドロイド説

 続いて、シェダはアンドロイドで、本当の人類はリテルしか居ない説です。アンドロイドは既に芥川康太が登場していますが、シドル側もアンドロイドを働かせていたという訳です。こうすると、生物学的矛盾が生じないようになるのですが…。どうなのでしょうか。


⑤シェダも生殖出来るが禁止されている

 生物学的な観点からは外れますが、実はこの説は一番自然だと思ってます。シェダもリテルも身体の造りは変わらないが、シドルの掟でシェダのみが子孫を残せないという訳です。
 ただ、この説も問題点があります。それは、シェダの親はどうなるのかという訳です。リテルの子ならリテルになるはずですが、ひよっとしてリテルの子が生まれた時にシェダとリテルに振り分けられるのでしょうか。或いは、冷凍保存されている精子や卵子を使う可能性もありますが、そうなるとシェダの先祖は?という疑問が残ります。

 それと、シェダは虚勢されてるんじゃないかという可能性があります。実は、古代中国では『宮刑』という刑罰がありました。それは、生きたまま生殖器を抜かれるというものです。これはかなりの拷問なのでシドルではやってない事を願います…。

 このように色々な説を上げましたが、本編で新たな情報が出てこないと確実な事が分からないので、引き続き見ていきたいです。

個人的な意見

 ここからは完全な独り言なので読み飛ばしてください。
 我々人類、元い哺乳類は他の生物に比べて効率が悪い生殖方法をしています。卵生のニワトリは1日1個、ハチは1日に1000個以上の卵を産みますが、哺乳類には妊娠期間というものがあるので毎日卵を産むことは出来ません。また、雌雄が別である為、子孫を残す役割を持つ物は全個体の2分の1になってしまいます。 

 また、無性生殖の場合は、一つの個体で増え続けられますが、雌雄がある有性生殖の場合はそうはいきません。有性生殖と無性生殖両方の手段を取れる生物も存在しますが、自然界の哺乳類には現地点では確認されていません。

 数ある生物が無性生殖ではなく有性生殖を選んだ理由というのは、数よりも遺伝子が多様になるやり方を選んだからです。同じような遺伝子を持っていると、例えば環境の変化に耐えられなかった場合、その生物は全滅してしまいます。ところが、少しでもその変化に耐えうる遺伝子があるのなら、その種は生き延びます。

 また、哺乳類は確実に子孫を残す為に体内に子を宿す胎生という手段を編み出しました。これにより、卵生と比べて効率は落ちますが、それによって様々な遺伝子を確実に残せるようになりました。

 一方、シドルの生態系というのは、効率性を重視しているのか、はたまた遺伝子の多様性を重視しているのかよく分からない方法をしています。
 種の多様性を重視するならば、シェダのように生殖機能を持たない個体が存在するのは疑問です。そうすると、種の中で子孫を残す個体の確率が2分の1以下になってしまうからです。そうなると、様々な遺伝子を掛け合わせられる可能性は低くなってしまうでしょう。リテルは子孫を残しますが、シドルのうちシェダとリテルがどのくらいの割合で存在するのかは不明です。 

 一方、個体の数を重視するなら胎生はかなり非効率的です。卵生の方が産む回数や個体数が多くなるからです。また、雌雄を別にせず雌雄同体にして自家受精するか、雌雄を作らずに無性生殖すれば、確実に数は増えます。また、クマノミのように性転換する生物もこの世には存在します。

 まぁ、『メガトン級ムサシ』は愛しさがあれば相対性理論も宇宙のパラダイムも物理法則すらも崩壊する世界ではあるのですが…、シドルの生態系には疑問点があるので色々明かされる日が待ち遠しいですね。

 それと、地球のようにシドルにもシドルの民以外の動物や植物、菌類や藻類など存在して、生態系を作っていたはずですが、その辺は解明されるのでしょうか。また最新話が見られる日を楽しみにしましょう。

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