monologue 風見華玄
『産まれた事が罪なら生きる事が背負いし罰なのか』
誰かか彼にそう問う
神と人の狭間に産まれた彼を
誰も祝福はしなかった
彼は神にも人にもなれず
どちらの世界にも行けなかった
彼を知るものも知らぬものも
『頼むから死んでくれ』とせがみ
後ろ指を指された
死して罪から逃げられず
生きて償える訳がなく
永遠の孤独と不死という責め苦に藻掻き
何度も罪を重ねた
愛するものが居たのがせめてもの救いなのか
彼が報いを受けるのはいつの日だろうか
彼の真意は誰も知る由もない
一人苦しみながら何処かへ姿を消した彼を
後のものは『忌み子』と呼んだ
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