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自己紹介(はな)

はじめまして。はな(@87knitter)です。
編むことが好きです。
人見知りだけど、人と出会うことが好きです。
(ヘッダー画像は糸端がピロンピロンしてますね)

編んでいたら、幸運なことに今回multitudeを一緒にやれることになりました。

この記事では、編み物をする私と、multitudeへの想いを書きます。
色々詰め込んでしまいました。長いです。

ないものは、つくれるらしい

編み物と出会ったのはたぶん20年以上前。

毎年ひいばあちゃんから
レトロな、そしてどこにもないオリジナル柄のセーターを送ってもらう幼少期でした。

ウールが痒かったのか、プリキュア色じゃなかったからなのか、頻繁に着ていた記憶はないけれど、もらって嬉しかった記憶は残っています。

家でカニ柄か女の子柄かで議論になっているベスト

家でも、「なかったらつくる」空気がありました。

段ボールのクリスマスツリー、拾った枝を靴墨で磨いたハリーポッターの杖、虹に乗った私のイラストつきの通園バッグ。
それらをつくる両親は、淡々と、でもわくわくしていて、「やりたくてやってる」感じがしていました。

「なかったらつくる」が、決してお金や時間の我慢の結果や、必要に駆られて仕方なく発生するだけはなくて、
「たのしくてやりたい」という理由でも発生しうるということ。

それを自然にする人々に囲まれて
「ないならつくれるらしいし、楽しいらしい」とぼんやり感じて育ちました。

ないもの(欲しいもの)が見つからない


十数年後、社会人になりました。私なりにやりたいことを、少しでも実現できそうと思える会社に入りました。

今ないものでも、あったらいいなと思うもの・ことは、どんどんつくろう、そう思っていました。

でも、社会や会社のルールや期待は思った以上に大きかった。
「評価されたい」「期待に応えたい」という気持ちの強い私は、社会や会社から求められている役割を勝手に(きっと必要以上に)背負ってしまい、自分のやりたいことや欲しいものに目を向けるのを忘れるようになりました。

誰かのためのことと、自分のためのこと。
両方あっていいはずの片方がどこかへ行ってしまった。
今夜食べたいものさえわからない。でも、欲しくもない安価なモノを消費しては心が消耗する。
そんな自分に客観的に気づいてしまった時、前に進めなくなりました。
そしてキャリアを一時お休みすることにしました。

ただ編むということ

読んでくれている人の中には、
もしかしたら、休職や退職などのキャリアブレイクを挟んでいる人もいるかもしれません。

休まなきゃと分かっているのに、休み方が分からない。
焦りと不安がいつもどこかにあって、頭に入らないのに本を読んだり、すごく眠いのに規則正しい生活をしようとしたり、お金が心配で過度に節約したり。
キャリアブレイク当初の私はそんな感じでした。

自分のためにやりたいことがわからないので、休み方もわからなかったのです。

そんな生活を続けていた2月6日、
数日前に電車で編む人を見たせいか、休まらない私を天国のひいばあちゃんが見るに見かねたのか。

突然、編んだこともないのに無性に編み物がしたくなって、
気づけばあまり考えずに「ばあちゃん、編み物教えて」と一緒に住む祖母の隣に座っていました。

初日の作り目。忘れないための写真。

なんでやりたくなったのかも分からなかったけど
編み物は想像以上に、私の手に馴染んでいきました。

編むという行為は、一目一目進みます。
他のことを考えていると間違えるので、無心で目の前の編み物のことだけを考えられます。
間違えても、ほどけばまた編めます。
着たい服がなかったら、自分で設計して着たい服を編むこともできます。

そんな万能で優しい編み物の虜になった私は、
「なかったらつくれる」を思い出し
ただ自分の求めるもののために
手を動かすことを楽しめるようになっていました。

編みたいものを編み続けて
ちょっとずつ「最近編んでるんです」と人に話すと、
「こんなの欲しいんだけどいい?」
「私もこんなのやってるよ」と
周りの人の「ないけど欲しいもの」や、その人が楽しんでいることを聞けることが増えました。
この時に私と繋がってくれた全ての人に、今でも支えられています。

誰かのためのことと、自分のためのこと。

誰かのためを考えてデザインして編む。
でも、デザインすることも、一目一目編む行為そのものも、私の楽しくてやりたいこと。
さらにその楽しみを話すと、他の人の楽しみにも触れられる。

誰かのためも、自分のためも、両方満たせるものがひとつあるから大丈夫。それで誰かと繋がっていける。編む私になってから、そう思えるようになりました。


自分のやりたいがどこかへ行ってしまった人、
やりたい・楽しいを今持っている人、
誰かと話したい人、
社会の中にいる感覚が持てない人。

色んなみなさんと出会える。
願わくば、色んなみなさんが繋がりあって、
みなさんのやりたい・楽しいを思い出せたり、それが見つかってなくても大丈夫、と思える。

multitudeはきっとそれができるんじゃないか。
そう思って、ここで編み物を置けることを嬉しく思います。
みなさんと出会えることを楽しみに、今日も編んでいます。

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