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ヒンディー語にある、3つのplease(〜してください)

ヒンディー語フレーズを教えていて最初に難しいと思ったのが、いろんなフレーズに出てくる、〜してください。という部分。

その中でも頻度が高い3つの言葉を共有していきたいと思う。

①クリパヤー(कृपया)

クリパヤー()(kɾɪp.jɑː)は、英語の、please(〜ください=お願い)などに近い感覚の言葉。

ちなみに発音はクリピャーって聞こえることもある。パの部分が、IPAでみてもわかるように、母音が弱くなるところなので、そういう理屈。

もともとはサンスクリット語から来ている。

また、以下②③に出てくる言葉と一緒に使うこともできて便利だけど、そもそもヒンディー語には動詞の形を変えて丁寧形にすることができるので、そこまでクリヤパー、クリパヤーを言わずに、バランスよく言ってあげるのが理想かもしれない。

これはロシア語もアラビア語も同じであり、〜してください。という言い方を当たり前にする日本語から外国語に訳した時に、英語を話すときでも何でもpleaseから始まってしまう日本人の悪いところ・・。

にならないように、その言語に慣れて、観察して、あんまり連発しないようにすることが重要。

けど、以下の②③は、動詞の丁寧形なので以下は連発しても可能と私は考えている。


②キージエー(कीजिए)

do を複数形(つまり、あなたの丁寧形)にした形。

ヒンディー語は、日本語の、使用+する。のように、名詞+do(〜する)の形で構成される動詞が多いので、〜してください。と丁寧に言う時は、最後に、名詞+キージエーの形を取ることが多い。

一番覚えなければならないフレーズとして、

マーフ キージエー(māf kījie)(mɑːf‿kiː.d͡ʒɪ.eː)=I am sorry(ごめんなさい)

がある。

マーフは、ペルシア語の、免除=معاف • (mo'âf)からきていて、つまり、免除+してください。となる。

日本語の、御免(お+免除)と全く同じ考え方である。。。


③ディージエー(दीजिए)

まずこの言葉の意味は、give(あげる=与える)の丁寧形。

だけど、動詞の語尾としては、日本語のように、〜してあげて。という意味になる。その時に、英語ではplease(してください)と訳されることがある。

कृपया मुझे रसीद दीजिए(クリパヤー ムチェー ラスィート ディージエー)の場合は、=レシートをください。=レシートを与えてください(直訳)。

ここでは上に書いたような、〜してあげる。という意味ではない。単に、クリパヤーと、与えて。を合わせただけ。

ここでややこしいというか、英語ベースで考えてしまうとわかりにくくなってしまう部分がある。

例えば、

यह दे दीजिए।(Give me this, please)=イェー デー ディージェ(d̪eː d̪iː.d͡ʒɪ.eː)と、あげる(与える)という動詞を二つ続けて言った場合、上にも書いたように、

यह(それを)
दे(あげて=与えて)
दीजिए।(〜してあげて。の丁寧形)

となり、与えてあげてください。となる。

※ちなみにディージェ自体が、give(与える)という動詞の丁寧形なので、クリパヤーを入れなくてもいい。=入れるとちゃんとした言い方だけど。

して、あげてください。のように、日本語もヒンディー語も、

あげる(与えるの意味)=give
〜してあげる=英語にない。。

は分けて使ってるのである。

なので、ヒンディー語で、〜してあげて。といのが、〜してください。という意味として英語には反映される。


最後に

ヒンディー語はインド・ヨーロッパ語族の言語で英語と共通の単語も多く存在しているけれど、結構いろんな部分で日本語の感覚で作れる部分が多いのも特徴。

これは勉強すればするほどわかってくる感覚だと思う。

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