「マスク会食」の矛盾

「マスク会食」が呼びかけられています。ひとと会食するときに、食べるときは無言にして、会話のときにはマスクをする、という感染予防です。

他方、飲食店へ見回りをして、お客に感染予防を徹底する指導がされていますが、その中に「鼻出しマウス」への注意が含まれています。

これは、これまでの知見と矛盾しています。

効果の高い不織布マスクであっても、鼻までカバーしようとすると鼻の横に空洞ができ、そこから飛沫が広がることが富岳のシミュレーションなどでも知られていて「鼻の横をしっかり密着させる」ことが必要とされています。

しかし、黙って食べ、すぐにマスクして会話するには、頻繁にマスクの着脱をしますから、鼻の横の空洞をなくす、なんてことは無理な話です。結果、マスク会食を守ってても飛沫が飛んでしまいます。

布マスクやウレタンマスクのほうが、立体的な形状でこれを防ぎやすい面はありますが、不織布に比べて飛沫防止効果が弱いことが証明されています。

他方、不織布マスクで口マスク(鼻出しマスク)にすれば、口の回りはフラットなため、すぐに口から出る飛沫をしっかりブロックすることができます。つまり、「マスク会食」では、不織布マスクで口マスクが望ましい方法になります。

もし布マスク、ウレタンマスクをつけて来店したひとには、おしぼりのようにお店が不織布マスクを渡して口マスクを励行する、というのが合理的な対策になります。

<余談>
「マスク会食」のネーミングも、「マスク会話」にしたほうがよいと思います。

「マスク会食」と言ってしまうと、「食べるときにマスクなんかできるか!」と誤解を招きやすくなりますが、「食べるときにもマスク会話」といえば、食べるときは会話せず、会話するときにはマスクをする、と分けて理解できるからです。

また、会食以外でも、ジムの更衣室などマスクをはずすことの多いシーンで、「マスク会話」というフレーズが周知されていれば「会話をするときにはマスク」と気づくことができます。

ここのアイデアは無料で読めますが、「投げ銭」歓迎です~