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「少女仮面」を観てきました!

作:唐十郎
演出:杉原邦生
出演:若村麻由美、木﨑ゆりあ、大西多摩恵、武谷公雄、井澤勇貴 ほか
劇場:シアタートラム
観劇日:2020年2月1日 17:00〜

物語としてはわからない部分が多かった作品。作者の意図としては、わからなくていい、感じろ! みたいなところもあるのでしょう。なので、わからないけど、面白かったし、わからないからこそ、細かいことは考えずに、観ることに集中できたように思います。

「少女仮面」は唐十郎の代表作のひとつで、初演は1969年。僕が芝居を観るようになる以前の作品なので、当時どのような評価を受けたのかは知りません。ですが、ストーリーのわかりやすさよりもメッセージ性の強い前衛的な作風が、当時のサブカル学生の支持されたと認識しています。「アンダーグラウンド=反体制・反権威主義」ですしね。

今回の「少女仮面」は、唐十郎の戯曲をそのまま上演していたように思われますが、舞台美術や空間処理などの演出は、杉原邦生氏ならではの視点・工夫によるところが多く、「令和版・少女仮面」と呼んでもいいのではないかと。若村麻由美さんと、木﨑ゆりあさんは、そもそもアングラ演劇には似合わないタイプですよね? ですが、いい意味で期待を裏切ってくれました。アンダーグラウンド=反体制ではなく、新しい「アングラ」というジャンルができたようにも感じました。

当時の状況劇場はどんなふうに演出したのだろう? 李麗仙さんはどんな演技を披露したのだろう? といったことも頭に浮かびましたが、不思議と「オリジナルを観たい」という気になりませんでした。オリジナルの「少女仮面」は、同時代の観客にしか響かないと思うんですよね。今回の「少女仮面」は、わかにくいにも関わらず、ひとつのエンターテインメントとして成立しているように感じました。

ですが、8000円は高いかなぁ。作風的に、2回、3回と観たい人もいるでしょうし、もうちょっと安かったらよかったですよね。

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