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劇団東演「獅子の見た夢 〜戦禍に生きた演劇人たち〜」を観てきました!

原作:堀川惠子
脚本:シライケイタ
演出:松本祐子
出演:豊泉由樹緒、能登剛、南保大樹、奥山浩、瀬戸さおり ほか
観劇日:2019年11月19日 17:00〜
劇場:東演パラータ

戦時中に、政府から圧力を受けつつ、演劇をやり続けた演劇人たちの実話がベース。主人公は、俳優の丸山定夫で、移動演劇「桜隊」を率いて広島に滞在中に被爆。その後、死を迎えるという悲しい結末です。

僕は、大学で演劇学を専攻していたので、なんとなく知っている史実でしたが、当時は、そんなに興味を持てずにいました。なので、この作品で、初めて「当時はこういう雰囲気だったのか」と推し測ることができました。自分が当事者だったら、そんな選択をするのだろうか? と、共感できないところも多かったのですが、昔も今も演劇人たちは、反体制というか、自由への希求というか、熱い気持ちは同じなんだろうなぁと。そこに共感できないから、僕は、演劇の道には進まなかったのだろうなぁと思ったりも。

思いが伝わる作品でした。前半は、台詞がすんなり入って来ず、眠くなったりもしましたが、途中からぐいぐい引き込まれて、終盤はじーんと来ました。シライケイタさんの脚本は、言葉がわかりやすく、かつ力があり、松本祐子さんも、台詞を生かす演出をされていたように思います。

でも、残念ながら、演技力がいま一つという印象の役者さんもいました。力のある役者さんだけを起用できれば、すごい作品になったように思いますが、劇団の芝居ですから、そうはいかないですよね。あえて、役者さんの個性に合わせて、台詞(とくに言い回しや語尾)を変えたりしてもよかったのでは、と思ったりもしました。生意気ながら......。

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