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(進捗ありません)読んでいる文献のことなど

 書き始めて「進捗ありません」を使うのが早すぎるだろうと我ながら思うが仕方がない。優先すべき案件が目の前にふたつあり、ほとんど書き進められていない。自分で設定した公開目標の2月15日の実現は早速怪しくなってきた。読んでいる文献のことなど書いてお茶を濁そうかと思う。

 海野弘さんの『江戸の盛り場』を図書館で借りて少しづつ読み進めている。この本は「書物復権2020年」という紀伊国屋書店の催し(?)で知った。おおもとは校正者・編集者の大西寿男さんのTwitterポストで、大西さんの著書『校正のこころ──積極的受け身のすすめ』が「書物復権2020年」の復刊候補にのぼったことを知ったところから始まっている。

書物復権2020年

 上記ページに復刊候補リストが掲げてあって、投票ができる。2月末日まで投票期間なので是非見に行って投票いただきたい。

 私が大西さんの著書に投票した際にリストを見ていたら良さげな本が他にもあり、その一冊が『江戸の盛り場』だった。図書館には収蔵があったので読んでいる、という次第。

 江戸というと近世の歴史が手の届く範囲で濃密に集積しているように感じていた。しかし「盛り場がどのように出来たのか」という視点で見ると、こと1600年代の江戸期前半、江戸の都市機能が出来上がっていく過程については分からないことも多いということが描かれている。私は登場する個人名をチェックして、狛犬の奉納者として出会うことはないかを気にするという邪道な読み方をしている。

 ところで大西寿男さんとのご縁だが、2016年にNPO法人日本独立作家同盟(現在の HON.jp)で大西さんを講師に招き校正についての講義をしていただいたことがあり私も聴講させていただいた。その際に聴講者の文章を事前にみていただき校正されたものを講義に使うという試みがあった。その事前にみていただいた文章が私の書いた小文で講義後にお礼がてら少しお話しさせていただいた。講義の中で私の文章の癖についてお話しがあって、その癖については今も良いように使えるよう意識している。

 なおその時の小文だがまだ世に出していない。前半に志賀直哉が、後半に小泉迂外という俳人が出てくるのだが、小泉迂外は現在あまり知られていないので、彼の俳句作品をまとめて本に出来るのならば、その巻末につけるなんてのはどうだろうと考えている。『関東子連れ狛犬』が書き終えられたら次の目標のひとつにしておきたい。

 


『関東子連れ狛犬の系譜』シリーズは少しづつ、今書いているものがどこかに響けばと願いつつ書いています。