液浸標本の取り扱い方法

【標本のすすめ】液浸標本 (ホルマリン漬け)の管理方法

前置き
※記事を引用をする場合は本記事のURLリンクをお願いします。
※ 前回、液浸標本(ホルマリン漬け)ってどういうものなの?っていう記事も見ていただけるとスムーズだと思います。


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近年、鑑賞用の透明標本が親しまれるようになってきました。
元々は研究用として作られてきた透明標本ですが
自宅での管理が比較的簡単なので
ここまで多くの人に親しまれているのかなと思っています。

さて
ホルマリン漬けという名前はよく知られているものの
危険で、管理の難しいイメージがあり、
そもそも自宅で持っていて良いものなの?って思う人が多いかもしれません


多くの方がホルマリンだと思っているこの液は
ほとんどの場合ホルマリン漬けの工程を経て、違う保存液に浸かっています。
なので、正式には液浸標本と呼びます。

私の場合は保存液に「アルコール(エタノール)」を使っています。
安全性が高く、研究所や博物館でもよく使われる保存液です。
このエタノールの性質を知っていれば
保管方法や取り扱いも随分と簡単になります。

正しい扱いをすれば
ずっと美しい状態で鑑賞することができます。

今回はご自宅でできる正しい保管方法の紹介と、
液交換の方法を書いていこうと思います。


液浸標本を美しく保つ4つのポイント

⑴火気を避ける
エタノールは引火性があります。
付近に着火源となるものを置かないでください。

⑵高温を避ける
常温保管で問題ありませんが、
夏の窓際や白熱灯などで高温になると液の揮発が進み、
膨張して瓶が破損する事故につながります。

⑶日光の当たらない場所に置く
日光が当たっていると紫外線で液の黄変が進みます。また、標本の退色も進みます。
美しく保つにはなるべくお部屋の暗所に保管しましょう。

⑷必要に応じて液補充・液交換をする
エタノールの性質上、年月経過とともに微量の液が揮発します。
たまに、ちゃんと液に浸かっているか確認して
液が減っていれば液補充・液交換をしましょう。

つまり火気を避け、熱くならない、暗めの場所に置きましょう。
そして「必要に応じて液補充・液交換をする」が大事なところです。

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前回触れたように
事前に防腐処理がされているため腐敗は起こりませんが、
液に浸ってない箇所があると乾燥して元に戻らなくなります。
最悪の場合はそこにカビが発生することもあります。

また、年月が経つと紫外線により液の黄変が伴いますが、品質上は問題ありません。
こまめに液交換する事で透明を維持できるので実践してみましょう。


自宅でできる液交換の方法

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※注意: 自宅での観賞用に作られた
「微睡みの標本」に有効な液交換の方法です。
アンティーク品など、ラベル紛失のもの、情報が不確かなものは
保存液に有毒な薬品を使っている可能性もありますので、
自分で廃液・液交換するのはやめてください。


「その他の質問」

Q. 薬品臭はしますか?有毒な成分が入っていますか?
A.密封しているのでアルコール臭はほとんど感じません。
液自体はアルコール(エタノール+精製水)なので大量に誤飲しない限り人体に毒性はありません。
Q.瓶が割れてしまった場合は?
A.二次災害を防ぐため付近の着火源を取り除いてください。
液をボロ布に吸わせて安全な場所で揮発させるか、水道で洗い流しましょう。
標本は密封容器に入れて、市販の消毒用アルコールに浸ければ救済できます。
容器やパッケージの仕立て直しをご希望の際はご連絡ください。
Q. 毛色が気に入った標本。退色していずれ真っ白になりますか?
A.年月と共に緩やかに退色しますが、真っ白になるという事ではありません。
鮮やかな色がモノクロームに褪せてゆくイメージです。
Q.剥製や骨格標本にアレンジできますか?
A.ホルマリン固定の工程で標本がゴムのように固くなるので難しいです。

今後、お問い合わせがあった場合は
こちらに掲載させていただくこともございます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


前編:液浸標本(ホルマリン漬け)ってどういうものなの?

まどろみの標本

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主に献体された自然死のマウスを液浸標本にしております。
まるで生きているような表情が作られています。
少数になりますが、
WEB STOREで販売予定です。

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プロダクト/https://twitter.com/muku_miomori

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Taxidermy artist/ネズミの見た夢をテーマに標本作品をつくっています🐁🏹▼オンラインショップ https://miomori.buyshop.jp▼SUZURI https://suzuri.jp/muku_mio

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