MBCC-S-221 監視記録 part2

無期迷途の大陸版weiboに掲載されている无尽梦魇(現在未実装)のディス秘話の翻訳です。
拙い翻訳と意訳なので話がなんとなく分かればいい人向けです。
主要キャラはユニという美容外科医のA級コンビクトです。
多言語版実装時に名前が変更になる可能性があり現時点で名前は不明確なので仮の名前をつけています。
今回もネタバレしかないので、ネタバレを許容出来る方のみ下へお進みください。

前回と次回はこちらから読めます⬇
part1

part3





MBCC-S-221 監視記録

端末での監視記録は既に作成されています。
十数枚の書類にタイプを入力しましたが、
最も重要で主要な要約レポートについて、少女は長い間書くことができませんでした… ▼

Part2


「ユニ先生、常連さんのために少し割引してくれませんか?」
玄関に立っている太った中年議員は執拗に手のひらをこすった。
「ちっ…ウィンター議員、あなたはそうおっしゃいますが、 あなたは私の家に来たのはこれが初めてではありませんよね?」
ユニは顔を顰めて表情で哀れな男の顎をつまみ、もう片方の手に持っていた写真と比較し続けた。
「同じ顔の身代わりを見つけられたら、私のところに来る価値はありますか?
服を着ていると体型はよくわかりませんし、腕や足が欠損していない限り、ほとんどの人は歩き方の癖がわかりません。
でも、この顔は……一見一致していれば、あとは誰が気にするでしょうか?」
ユニが哀れな男の頬を撫でると、拘束ベッドに縛り付けられた死刑囚はもみがらのように震えた。
「いつものルールは500万です。
もし同意するなら、明日の午後に誰かを迎えに来てください。」
ウィンター議員はぎこちなく微笑んで、後ろに立っている執事に身振りで示した。
老執事は理解し、手に持っていた新聞を置くと、携帯電話を取り出して現金を手配する準備した。

議員は既にここの常連客であり、 どんな人気スターが整形手術をしている傍らで、死んだ金持ちや権力者の同じ顔の代わりを探すのを手伝っている。
税務警察の標的を避けるため、ユニが私設金庫を設立するのを手伝ったことさえあるが、こうした取引は昔からよく知られたものだった。
目の肥えた人なら誰でも、ユニ医師に欠けているのはお金ではなく、特別な関係で隠さなければならない私的な行為だという事を知っていた。
そして、提示価格が高ければ高いほど、こうした特別な関係を維持出来る。

「はい。いつものルールで。いつもの場所でございます」

老執事が電話を切ると、ウィンター議員が急いで目配せをしているのに気が付いた。
ユニ医師は彼が何気なく置いた新聞に目を引かれた。
手術室のドアがゆっくりと閉まり、ウィンター議員が静かにユニに近づいた。
「この方のどの部分に惹かれましたか?」
新聞のアートレビューの1面の中央で、灰色の制服を着た人物がユニの視線を視線を釘付けにした。
「あなたは……私が何を望んでいるのか知っていますか?」

「おおよその推測は出来ますが、多くは言いません。へっへっ、絶対に言いません」

ウィンター市議会議員は明らかにユニよりも興味を持っていた。
「もしご興味があるなら、私が先頭に立ってお手伝いしましょう。 報酬については…… 」
議員の目は拘束ベッド上の死刑囚に注がれた。
「この件の割引をして欲しいのですが」
「へー……500万。上役の大口顧客が決済してくれるのを恐れてはいないのね」
ユニは新聞を落とし、笑いながら首を横に振った。
「私はこの人が誰なのか、MBCC が何をしているのかを知っています。
議員先生、私は自分で入る理由を見つけます。それが何より容易でトラブルを避けることが出来る」
しかしウィンター議員は彼女がそう言うことを予想していたようだ。

「はは。私が話した提案には、勿論あなたがそれを確認した後、あなたをMBCCから引き上げる計画も含まれています。
MBCCの警備は厳重だが、局長をパーティーに出席させるなど、ちょっとした関係性を利用することは可能ですよ」
ウィンター議員は立ち止まり、彼は声を落としてこう続けた。
「大口顧客はあなたが自分たちの願いを叶えてくれるのを見て喜ぶと思います。彼らはあなたへ電話をかけることを決してためらわないでしょう」

「……」
ユニは手を挙げて頬を覆った。
しかし、貪欲に光るその赤い瞳は既に若い整形外科医を裏切っていた。

「交渉はしません。取引してください」

20分後、ウィンター議員の邸宅。
「旦那様。ご命令通り、いくつかのギャングにユニ医師がコンビクトだという情報を広めてもらいます」
「よし、降りろ」

ウィンター議員は革張りの回転椅子に完全に沈み込み、ハンカチで額の汗を拭った。

家に帰る途中の暑さのためではなく、コンビクトと付き合うことを本当に嫌っていたからだ。
彼自身の言葉によれば、
「コンビクトも一人として数えられ、彼らの中に正常な人間は一人もいない。
あんな変人たちと一緒にいると、たとえ一分でも命が奪われることになる」

しかし、上役の大きな話題であろうと、ウィンター氏自身であろうと、彼らが金を稼ぐためには、やはりこのコンビクト達に頼らなければならない……。
お金が儲かる限り、その変人と一緒におままごとをして、ただ耐えれば過ぎる事だ。

「どうした?他に何かあるのか?」
老執事が中々去らない事が気に掛かり、ウィンター議員はようやく相手が渡した人事ファイルに気づいた。

「ルナ?……これは? 」
「ユニ医師の双子の姉でございます」
「あぁ~、うちの所属のアーティストなのか?」
しかしウィンター議員は、実は自分の所属事務所にこんなNo.1エンターテイナーがいた事を全く思い出せなかった。
だが、写真に写っていた人物がユニとそっくりな容姿だったことに感激した様子を見せた。

「2年前…お金を稼ぐことができず、整形手術を致しました」
「何?亡くなったのか?」
「はい。当時、理由は分かりませんが容姿が変形いたそうです。整形手術を受けても生きる事は出来なかったようです。
しかし、ご主人様。ご心配なさらないでください。
とても丁寧に扱われており、 このファイルはルナの存在を証明できる唯一の記録でございます 」
「……」
ウィンター議員は頭をフル回転させ、テーブルを指で叩き、しばらく考えてから老執事に指示を出した。
「このファイルを燃やして、お前と私以外の誰にもこの事を知られないようにしてくれ」
「かしこまりました」

「ちょっと待て!」
「旦那様、どうかなさいましたか?」
振り返ったばかりの老執事が足を止めた。
ウィンター議員は引き出しから金メッキされたライターを取り出すと、炉の方に目配せをした。
執事は主の行動を自然に悟り、書類の中の紙を取り出し、残りを炉へ投げると数秒で燃え尽きてしまった。
「まだ何人か処理しなければなりませんが、部下が先に辞退致しました」

ここへ至り、ウィンター議員は満足げに頷いた。
金ずるであるユニを決して手放してはならず、この完璧な協力関係を乱す可能性のある火種は即刻、鎮火させなければならない。

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