はじめに

2022年春現在、小学校に上がったばかりの娘と、保育園で年中組の息子がいる。

子どもらを寝かしつけようとすると、よく、「おばけのおはなしをして」とせがまれる。
そこで、床に入って電気を消したあとは、思いつくままに《おはなし》をつくりながら話す。時には、子どもらが次の展開を考えてくれたりする。

子どもらを寝かしつける、という目的だけで、思いつきの連続でしゃべっているので、設定も伏線もあったものじゃないし、文字に起こせばきっと矛盾だらけの代物になるだろう。
それでも、書き残しておけば、何かの足しになるかもしれない。

どのおはなしも「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんが……」で始まるのは、息子の強いリクエストによる。
どんなに現代の事物が出てこようと、ヘタしたら未来が舞台のSFであろうと、おはなしというものは必ず「むかしむかしあるところに」から始まらなければならないと、息子は信じ込んでいる。

能書きが、少々長くなりすぎた。
とりあえず、いちばん最近記憶に残っている一話から書き起こしてみよう。
文章はできるだけ、子どもらに話して聞かせているそのままの言葉づかいで再録する。

むかし、むかし。。。。。

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