仕事と組織、二つのエンゲイジメント

これまでのIT普及に関する話題から離れ、エンゲイジメントに関する話題。IT部門で、優秀な人が会社を辞めるという話になったときに、その人を引き止めるべきか、背中を押してチャレンジを後押しするか、私なりの考基準がある。
エンゲイジメントに対する会話をする場合、自分は「仕事に対するエンゲイジメント」と「組織に対するエンゲイジメント」は分けて話すべきだと考えている。ここで、「分ける」のは、彼/彼女が何を考えているかで対策が違うからである。

「仕事に対するエンゲイジメント」が高い方は、仕事に対するプロフェッショナリズムの意識が高く、自身の能力の成長につながる、または挑戦できる仕事を好む傾向にあると考える。企業が彼/彼女の能力の向上や専門能力を発揮できる機会を提供できない場合、企業から離れていくのはしかたないだろうか。
一方で「組織に対するエンゲイジメント」とは、その企業のミッション、またはパーパスへの共感と考える。一人で大きな仕事をなすことは難しい。その場合、ある組織(それはNPOかもしれないし、企業内のあるコミュニティかもしれない)が達ししたい目標に共感できるなら、その組織に属し、貢献したいという意欲が生まれるのではないか?ボランティアリズムにも関連する考え方である。

実際、企業においては仕事と組織の両エンゲイジメントを獲得できることが望ましい。おそらく、企業規模が大きくなるに従い、さまざまな仕事が増えていくため、両エンゲイジメントを両立することは難しくなる。
もちろん、規模が大きくなることで、安心・安定して働くことができるという衛生要因を達成できるが、組織が大きくなるほど両エンゲイジメントを多様な形で組織の中にいかに組み込めるかが重要となるのではないか?

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