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なぜ子供は授業から離れていくのか

高学年を担任すると授業へ参加度に差が見られることがあります。

もちろん、全員が同じように意欲的に取り組むという姿が理想ですが、それは現実的ではありません。
ただここで言いたいのは、高学年になると発表する子供が限られてくる。女の子はあまり発表しなくなる。などの差はどこで生まれていくのか、ということです。

1年生の頃は元気よく無邪気に発表していた子供たち。
学年が進むにつれて、だんだんと意識しないレベルでの役割分担が生まれていきます。
「あの子が言うことは正しい」
「間違いを言ったらどう思われるだろう」
成長の段階として、友達からどう思われるかを意識するようになることは当然あります。
気をつけなければいけないことは、意識しないレベルでの役割分担を教師が助長してしまっていないかということです。

正しい答えのみを受け入れていると、子供はいつしか間違いを恐れていきます。
そして、先行学習をして知識だけを得ている子供の発言の回数が増えていきます。

勉強が得意な子供の意見を頼りに授業を進めていくと、周りの子供もその子を頼り始めます。

その授業の積み重ねは知らず知らずのうちに子供たちに役割分担を与えていきます。

あの子は勉強が得意だ。よく発言をする。
それを子供たちにがそれぞれ印象として持つことは当然あり得ることですが、それに教師も甘んじて授業を進めていくと、
「〇〇くんが言ってくれるだろう」
「〇〇ちゃんがAって言ってるから」
そうして真剣に自分の力で考えるということを放棄していきます。

高学年になり、気がつけば一部の子供たちだけで授業が進んでいくことになり、その状況はもうなかなか変わりません。意識しないレベルで進んでいたのだから当然です。

間違った答えが尊重される。
正解にたどり着くまでの過程が大切にされる。
そんな授業をしていけば、授業から離れていく子供を少しでも減らせるのではないでしょうか。