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内発的?外発的?動機づけ

小学校で勤務する以上子供たちに最低限必要なマナーや習慣は身につけてもらいたいと誰もが感じているはずです。

それらのマナーや習慣は総じて簡単に身につくことではないと思います。
もちろん、学校で指導しなくても自然と身についている子供はたくさんいます。
ただ、そうであるということはないはずです。

宿題が提出できない、あいさつがうまくできない。
そんな教師からするとできて当たり前だと感じていることは、それは子供にとってみると当たり前のことではないものもたくさんあります。
ただ、それらのマナーや習慣を身につけていけていってほしい。

そんな時に注意したいのが、それを指導する時に子供たちの内発的動機に働きかけているか、外発的動機に働きかけているか、ということです。

例えばあいさつを例に考えてみます。
おはようございます。が当たり前に言えるようになってほしい。教師なら誰もが考える願いです。
では、それを言えるようにするためにどんな指導をするか。
先にあいさつができたら1ポイント!
外発的動機づけです。
この取り組みを始めると、子供たちは元気に我先にとあいさつを始めます。一見するとあいさつができるようになっていると感じます。
では本当に子供たちのあいさつへの意識、考え方は変わったのでしょうか?
取り組みが続いていくと、一部の子供が友達を見つけては先にあいさつを繰り返し、周りの子供たちはそれに対してあいさつを返さなくなります。(先にあいさつされたのでポイントが入らない)
さらにそれが加速して先にあいさつをするために背後に回ったり、挨拶してきたのを聞こえないフリをしたりします。(これらは実際に見聞きした実情です。)
話を戻します。本当に子供たちのあいさつへの意識や考え方は変わったのでしょうか。
下手をすると、教師の外発的動機づけによって子供の内面に歪みを生じさせてしまったのではなきでしょうか。

教育界の研究では、賞与による動機づけには条件は多々ありますが一定の効果もあると考えられています。
ですが、それは能力を高める(テストの点数など)ための賞与に限るのではないかと考えています。
今回のようなあいさつや宿題の提出などのマナーや習慣には外発的動機づけではなく内発的動機づけを高めていかなくてはなりません。

ただ内発的動機づけとして考えられることは、教師の評価や子供同士の相互評価が大切であり、そしてあいさつすることはいいことだ!と子供自身が感じられるようになることです。つまり、数日で変化することではありません。
だからこそ、教師は日々の学校生活の中で何度も何度もその重要性を伝え、子供たちがなぜあいさつは必要か?を考えられるようにしなければなりません。

子供たちの内発的動機を引き出していく。マナーや習慣の指導だけでなく、どんな場面でも意識していきたい考え方です。