見出し画像

VRAA02「VRHome」について

あまり振り返りみたいなのは好きではないですが、1年が経過したこのタイミングを逃すともう二度と書く機会は訪れないだろうなと思い筆をとり候

VRAAは、人類の生きる空間をみんなで考えるVR空間デザインコンテストです。

https://vraa.jp/

VRAA02は昨年5~8月ごろに行われたVRCのワールドを応募するイベントです。

当時はUdonSharpでモーションを記録再生させられるものができたと喜んでいたタイミングで、これを使って何かしたいなと考えていたところにVRAA02のLive/Frontierのテーマが発表されていたという状況だったと記憶しています。

当初はみんながいつも通りだべって触れ合っている様子を記録してVRCという社会の「辺境」での「生活」をそのまま抜き出したワールドを作ろうとしていました。

が、せっかくだから「HMDを被るとみんながいる」という風にしようと考えてHMDのギミックを作ってみると思いのほか面白く、こちらをメインのギミックにしようと方針転換を行いました。

コンセプトがブレブレなんですが、すでに一度やったことの焼きまわしは作ってて楽しくなかったのでモチベ駆動開発としては正解だったと思います。

HMDで別の景色を表示するというアイディアから、過去に見た夢と、サウスパークというアニメのVR回が思い出されました。



サウスパークのVR回

https://www.southparkstudios.com/episodes/y3uvvc/south-park-grounded-vindaloop-season-18-ep-7

どちらも多層的に”虚構”の中に入ってしまうという話で、今いるのが”現実”なのか分からなくなるという「胡蝶の夢」です。

でも、”虚構”と”現実”はどうやって区別をつければいいのでしょう。今”現実”だと思っているものは本当に現実なのでしょうか。

という、古今東西のありとあらゆる媒体で擦り切れるほど使われてきたこのテーマを使ってワールドを作れば、「VRCという媒体では」目新しくて面白いんじゃないかなと思い案がまとまりました。

(何度も使われてきたテーマには普遍的な面白さがあると思うし、枯れたものを新しい土壌に植えることが目新しさだとも思うのでまあ良いかなと)

それでどうやって最小手数でこのテーマを表現できるかなと考え、0と+1と-1を示せば帰納法的に考えを飛躍させてくれる人がいそうだなと思いました。

そこで以下の手順を踏むことで認識をバグらせようとしました。


ワールドに入るとHMDが置かれているのを認識する

HMDを被ると自分のアバターと景色が別に見える。

ここでおそらく「なるほどVRの中でVRをするという体験か」と考える。

しばらくしてHMDを外すと「(VRの中で)VRをやめるためにHMDを外した」となる。

少しすると頭に別のHMDがくっついている事に気が付く。

さらにHMDを取ると別の世界に飛ばされ「HMDを外してVRをやめた」事になる。

VRをしていてHMDを外したのだからVRから抜け出して、ここは”現実”のはず。

だが”現実”の頭には依然としてHMDはついたまま。”現実”を見せているHMDを外したらここは”どこ”になる?


みたいな。

”現実”だと思っている場所は本当に”現実”ですか。という揺さぶりを第4の壁を破壊して問いかける感じに仕上げたつもりでした。

それなりに面白くまとまったな。と思いましたが、一切説明なくギミックだけ動かして分かってもらえるのかなーって不安はありました。

結果としては成功でした。


画像1

キャッキャ!


しかもありがたいことにVRAA02の佳作に選んでいただけて嬉しかったです。(自分のところよりも素晴らしいワールドは多かったので運ですね)

他のワールドが軒並みクオリティ高くて戦々恐々としていましたが、他のワールドのおこぼれで他人の目に触れる機会が増えていたのでありがたかったですね。

そんな「VRHome」ですが審査が終わる前にVRChatのアプデでぶっ壊れたのでpublicから取り下げました。(正確にはSDK3のアバターに対応が出来ていません)

直そうと思えば直せるはずですが、作ってて楽しくないとダメなモチベ駆動開発としては直せないです。残念ですね。許しません。

SDK2アバターなら正常動作するはずなので、気になる方はVRAA02のポータルワールドか、上に張ったホームページのリンクから飛べると思います。

稚拙な文章を書き連ねてしまい、そろそろ何か進捗を出さないといけない気分になってきましたので、ここで切り上げさせていただきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?