配信者>プロゲーマー

電通とかゲームメーカーとかテレビ局とか、よくわからない大人が頑張ってesportsを盛り上げようとしている。プロゲーマーを育成する専門学校なども最近は増えてきているらしい。
僕自身、プロゲーミングチームに所属していた時期があり、esports業界の人ともよくお話させていただいている。しかしそのたびに、いや配信者やったほうがよくない?と思ってしまうのだ。

なぜかというと配信者の方が圧倒的に稼げるのである。

金の話かよと思うかもしれない。ただ配信をしないプロゲーマーは本当にビックリするほど給与が少ない。そもそも固定給をもらえている選手が稀で、もらえたとしても20万ー30万だ。(一部ストリートファイターのプロは例外)
それで十分かと思う人もいるかもしれない。しかし、スポーツと異なりタイトルが廃れることで競技が丸っと消える可能性のあるesports選手の寿命は驚くほど短い(特にMOBAとFPSは肉体的な衰えの影響も強い)。しかも彼らが昇給することはほとんどない。

一方でストリーマーは動画の広告収益という明確な収入源がある。人気配信者になれば月に300万前後の収入を得る人も少なくないし、50万円程度なら大きな特定タイトルで影響力を持った人物であれば達成するのはたやすい。

なぜこれほど稼げるお金に開きがあるのか?それは国内esports選手に中々スポンサーがつかないから、そしてスポンサーがついたとしてもそれが一切選手に還元されないケースが非常に多いからである。

還元されないのは、別にプロゲームチームの運営会社がケチなわけではなくて(もちろんそういったケースもあるが)それだけプロゲームチームの運営がギリギリなのだ。そもそも売り上げとしてたてられるものがほとんどない。大会賞金?年に数回しかなく不確実性が高いものを収益として考えているのだとしたらお笑い草である。

結局ゲームが上手いことを活かして安定して稼ぐためにはファンを増やして、そのファンからお金をもらう必要がある。それはファンクラブでもいいし、ストリームの広告収益でもいいし、投げ銭でもいいしグッズ販売でもいい。ただどこに繋げるにしても現状では継続的に配信活動を行うことが最短ルートであるように僕は思う。

最近はesports選手がYouTubeでチャンネルを持って運営したりOPENRECやTwitchで配信するケースが非常に増えてきた。彼らはわかっている。

少なくとも今はそうしないと金が稼げないのだ。
だから、あなたがプロゲーマーになるとしても配信は絶対にやったほうがいい。プロゲーマー兼配信者だ。

競技的に特定のゲームを煮詰めていくことはとてもしんどい。しかし、そういったアスリート的な側面は一部のコアなファンからしか支持されない。大多数のゲームユーザーはそんな修行僧のような姿ではなく、そこそこ上手いプレイを楽しんでやっている姿が見られれば満足なのだ。
オリンピックとは違う。esports選手と銘打ってはいるが、世間が彼らに期待しているのはアスリートではなくエンターテイナー、パフォーマーとしての役割だ。

また、配信者として個人でファンを抱えている人間は強い。なぜならプロゲームチームと揉めても、特定のゲームタイトルが終わっても、ゲーム会社の運営と何かしらの要因で衝突してもそのファンを軸に簡単に再生できるからだ。何かに依存して成り立っている収益構造はとても弱い。

こんなことを言ってきたが1人のゲームファンとしてはゲームの強さをとことん突き詰める選手に非常に魅力を感じる次第である。願わくばそういう選手がもっと世間から評価され、金銭的にも不自由しない業界になって欲しい。