遊樂_yu-raku

詩作 迷路

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最近の記事

【詩】吐いては食べて

ぐうたらしているわけじゃないの 食んでも食んでも食べきれなくて すこし休んでいただけよ 色とりどりの キャラメル チョコレイト 全部 わたしのものじゃないの 食べなれない味 とっくに食べなれた味 そのどれもが 額縁みたいに動けないわたしは 笑って受け取るしかないの 押し込む場所もないくらい 喉をつまらせても こっそり吐き捨てる場所もなくて 今にもはちきれそうなのよ 甘さが段々 別のところに沈殿していって きれいな海は 黒い餡子のスープになる そうして我慢できずに 吐き出

    • 【詩】ぼくはねっこ

      ぼくはねっこ はしからはしまで隙間なく背伸びをするねっこ 時には裾をめくって つま先をゆびいっぱいに伸ばすんだよ ぼくはねっこだから 自在に動けるよ となりの幹もつかめるんだ つめたい鉄棒だって ほら! 寒さでふるえても大丈夫 ほかのねっこが ぼくに温かさをわけてくれるから 水を飲まずには生きられないけど おいしいご飯をたべれば もっと力がみなぎるよ 嬉しいことがあれば ぼくも波うっておどるんだ、ほら! ぼくは ねっこ きみの ねっこ 閲覧ありがとうございました。

      • 【詩】たしかめる

        街の離れへ向う列車に揺れていると 車窓から見える 鬱蒼とした森におりてみたくなる 車掌さんに声をかけて その濃い緑のふもとに ひとりぼくだけおりたくなる どこゆくわけではない ただ 対岸を駆け上がるシカみたいに 猛者を恐れないトンビみたいに ぼくも いさましく生きられるかを知りたい 街の中にいると 自然がなんなのかわからなくなる 木々や草花と同じように 水を飲み呼吸をして生きているのに どうして生き方に悩むのだろう 紅色の可憐なポピーも コンクリートの割目で瑞々しく花弁を

        • 【詩】16時

          ベッドに寄りかかった 深ぁく息をした 今日の夕食はどうしようかと考えた 洗濯物をたたむ用事を思い出した 外からはせわしないバイクの音 まだ読んでいない本があった ベッドに 座り直した 深ぁく 息をした ただ今、じっくり消化しているのです。 閲覧頂きありがとうございました。 #詩 #詩作 #エッセイ #詩のようなもの #詩を書く人と繋がりたい #日曜日 #社会人

        【詩】吐いては食べて

          【詩】心拍

          嘘ではないのに嘘になる 心はいつも本当のことを喋る あれやこれや 私にだけ伝わる言語で だからあなたに伝えようとすると 嘘ではないのに嘘になる 心音と同じリズムで唇がふるえていても なお けどその振動が 今も心が生きている証 閲覧いただきありがとうございました。 #詩 #詩作 #エッセイ #詩のようなもの #詩を書く人と繋がりたい #水曜日 #社会人

          【詩】ペン

          曲線を描きたくて ペンを選んだ 繊維の上 蜘蛛が一本ずつたぐるみたいに ひとりでに華やぐ 紙が両手を上げて 文句を言うものだから 流星をふらせてあげた 数をかぞえたくて ペンを選んだ おきにいりを数えたら 両手両足じゃあきりがない けど、たくさんたくさん並べていたら 初めの和音がわからなくなった 1のつぎが2であることはわかるのに 文字を書きたくて ペンを選んだ 心のココロを知りたくなって 隣のスキマはどんなお気持ち? スコップで掘ったら あたたかい温泉が沸くのだろうか

          【詩】ペン

          【詩】青

          しあわせは 青くって すずやかで 地平線みたいで優しいから ずっとそこにいたい でも青はいつのまにどこかへ消え去って 一人歩き、ある時ビルの真ん中で 青を久しく見てないと気がつく 真っ青になって 僕は本屋へ駆け込む あの青をさがして 本と本とを駆け回る だけど青は見つからない 疲れ切ったころ ようやく1冊引っ張って、本屋の外 くらいなと見上げた空に 若い星が小さくみえた 僕は青を見た 青が青でこころを埋め尽くす 鼓動があの星みたいに きら、きら、鳴っている 僕は家へ