むゐの

長野県の山間集落の生まれ、現住地は内緒。凹んだときは小説を読む。致命的に飽き性。ストレ…

むゐの

長野県の山間集落の生まれ、現住地は内緒。凹んだときは小説を読む。致命的に飽き性。ストレスから20代で摂食障害を経験しましたが、症状の出ない状態にまで克服。遊びをせんとや生まれけむ。恣意的に、つれづれなるままに、それになりに楽しく生きてきます。

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薬研でコーヒーを淹れる、秘密基地にたどりついた話

「秘密基地」か 「仲間が集まるガレージ」。 先日ソロ散歩で、偶然見つけたお店を、強いてカテゴライズするならである。 ちっとも気取っていないのに、センスの良い空間だった。きっと、何一つ無理せず、楽しい空間を提供できるから、そう感じるんだろう。 本当のおしゃれとは、自分の個性をきちんと知っていて、力まずに滲み出すことなのかも知れない。 このお店は「お山の暮らしのアンテナショップ」。実に新しい。街中にいるのに、懐かしい里山を確かに感じる。 薬研コーヒー体験さてこのお店では、

    • 今日をがんばる大人が、忘れていること

      またまた随分とお久しぶりになってしまいました。生きております。 名前をTwitterのアカウントに合わせて変更いたしました。 近頃は、取得したい資格の勉強や自費で作る本の作成などに熱を上げております。すっかりインドア趣味が板についてまいりました。 作業に際してこのところ、耳が寂しいときに「ハクメイとミコチ」というアニメを見るのが好きです。おともだちにオススメされました。 身長9センチのこびとたちの物語なのですが、これがまた優しいアニメです。癒し効果が抜群。 何よりも、登

      • 私のおうちの、まつたけごはん

        秋の田を 手伝う衣手 露染みて 重たからずや 背丈ほどの穂 刻一刻と深まる秋。もう二週間も過ぎてしまいましたが、実家でも稲刈りを行いました。 田んぼ仕事は親族が総出で行うのが慣習なのですが、今年は5歳と7歳の従姉甥がとても頑張ってお手伝いをしてくれました。 朝露が乾ききらず、ただでさえ重い稲束を、子どもたちは一度に大人と同じ数を運んでいて……。自分の身長よりもちょっとだけ小さいだけの稲なのに。成長の早さに舌を巻きました(ときどき飽きてトンボを追いかけたりしていましたが)

        • 秋映ゆる さつまいも料理

          「暑さも寒さも彼岸まで」とは聞きますが、今年はお彼岸を待たずにすっかり秋めいてきました。 何事もなかったかのように更新していますが、実に2年ぶりにnoteを更新しています。ひっそりと生きておりました。久しぶりの更新すぎて、かつてどんな表情で文字を書いていたのか思い出せません。 今後も忘れた頃や、気がむく度に発信するかと思いますので、よかったら足を止めてみて頂けると幸いに思います。 さて本題。秋も深まり、いろんな方の秋ご飯を拝見する機会が増え、私も秋の野菜が食べたくなった

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        薬研でコーヒーを淹れる、秘密基地にたどりついた話

          バインダー越しじゃない世界

          その一瞬を共有できたのは、私とおじさんだけだった。 私は夜明け前の青い世界が好きだ。 ただし休日限定である(仕事の日はそんな時間に起きた自分を呪いながら二度寝する)。 中でも海の夜明けは格別。 空が白んでも、海は畏怖に満ちている。 暗く黒い海が、やけに大きな波音だけをたてている様は、神々しいまでの怖さがある。 その海に陽が昇りはじめる。 最初のうちは海は暗いまま。 太陽がある一点を超えるその一瞬、海に色が戻る。 ああ、そうだ。海は青いのだ。 と、当たり前のことを思い出

          バインダー越しじゃない世界

          フィリピンのシニガン

          新しく友達が出来るというのは楽しい。 この夏、新たな友達が出来た。フィリピン出身の女の人。 気安く“友達”と呼ぶのは、大人になればなるほどハードルが上がると思う。だけど、彼女のことは堂々と友達と呼びたくなるし、なんの引っかかりもなく、友達と呼べる。 ホスピタリティ旺盛で、明るくて快活。私はいっぺんで彼女が好きになった。 そして、ゆうべは彼女に本場のシニガンを作ってもらった。 シニガンの作り方①スペアリブを柔らかくなるまでボイルする ※ゴミやアクは取る ②玉ねぎと

          フィリピンのシニガン

          信州の伝統野菜

          長野県民の地元愛は強い。長野県に縁もゆかりもない人に、長野県の形を訪ねても正しく回答できると思っている。 ……んな訳なかろうに。 私、まったく縁のない県のかたち描けって言われても、描けないもん。 さて。長野の形がわからない、他県の皆さま。長野県とはざっくりと言うと、“たてなが”である。地図帳を見てくれると私の語彙力の低さがカバーされるので、ありがたい。 同じく縦長の日本と同じように、北と南で文化も違えば、言葉も違う。ひとくちに信州といっても、県民性はまるで別物だったり

          信州の伝統野菜

          カレーのちから

          3月のライオン。言わずと知れた名作であるが、私はかつて、この漫画が苦手だった。 本当は大好きなのだけど、川本家のちゃぶ台は、懐かしくて優しくて、いつでも正しい。つまるところ、美味しそうなの!!すごく。 かつて、私は白米を食べられなかったことがある(というか、ほとんどすべての食材が)。食べるという、生きるために子どもでもできる行為が、上手にできなかった。ひとくちでも、白米なんか食べたらアウト。それで太って、世界で1番の嫌われ者になるような気になって…怖くなって戻していた。戻

          カレーのちから

          ヤドカリはどこへ帰るのか。

          その日も、いつものフロアで「暑がりは脱いでも暑い」という風潮のもと、カーディガンと膝掛けで自衛をしながら、冷房の直風を受けていた。声量は大きくないのに、それぞれの電話口の声はそれぞれ忙しくて、騒がしい。 窓の外の陽射しは、いかにも夏のそれなのに、冷え切った肩がちぐはぐで、あの陽射しは幻なんじゃないかと思った。 「夏ってこんなだったっけなぁ。」 と呟いたとき、その感覚はふいに訪れた。 「ああ。帰りたいなぁ。」 自宅にじゃなくて。あの夏に。 視覚どおりの暑い陽射しに、

          ヤドカリはどこへ帰るのか。