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2023年版”夢のようなシーズン”を過ごしたクラブ17選

〇はじめに

今シーズン、様々なドラマが起こった欧州サッカー。チームによってシーズンの評価は異なるだろうが、躍進を遂げたクラブや悲願を達成したクラブもあった。今回は、タイトルにもあるように、今シーズン、いい意味で”夢のようなシーズン”を過ごした17クラブを紹介する。”夢のようなシーズン”の定義は人それぞれだが、今回は、”元々期待されていたものを上回る成績を収めることができたかどうか”もしくは”悲願を達成した”という面で判断したい。


個人の主観に基づいた記事であるため、読者と意見の相違が発生する場合がある。こういう意見もあるんだなというスタンスでお読みいただけたら幸いだ。


また、この記事は約7分ほどで読める内容に収まっている。


1.ナポリ

リーグ戦成績:28勝6分4敗・90ポイント・1位
主要タイトル:セリエA

トップバッターはイタリア王者だ。彼らを入れない理由はどこにもないだろう。33年振りの栄光に輝いた彼らは素晴らしいシーズンを過ごした。セリエAでは勝ち点90を積み上げ、2位ラツィオとは16もの差をつけた。欧州5大リーグで最も多い勝ち点を稼ぎ、文字通り最高のシーズンを送った。チャンピオンズリーグでは、同じ国のライバルであるACミランに敗れてベスト8となったが、それでもクラブ史上最高の成績であり、欧州の舞台でも結果を残した。コッパ・イタリアのタイトルは逃したが、リーグ戦で圧倒的な強さを見せつけて優勝しただけでも十分すぎる程の価値があるだろう。主力の退団がいくつか発生したが、その穴も完璧に埋めてみせた。

2.アーセナル

リーグ戦成績:26勝6分6敗・84ポイント・2位

開幕前、アーセナルがシーズンのほとんどの期間でリーグのトップに君臨すると予想できた人が何人いるだろうか。今シーズンのアーセナルはここ数年低迷していたのが嘘かのようなパフォーマンスを見せ、全く違うチームに変貌を遂げた。最終的には優勝は逃してしまったが、彼らが今シーズン披露したパフォーマンスには非常に満足したファンが多いだろう。来シーズンこそは王者マンチェスター・シティにリベンジを果たし、20年振りのリーグ優勝を決める姿が見たい。

3.フェイエノールト

リーグ戦成績:25勝7分2敗・82ポイント・1位
主要タイトル:エールディヴィジ

日本サッカー界のレジェンド・小野伸二が在籍していたことでも知られているクラブ。今シーズンはアルネ・スロット監督の下、エールディヴィジで首位を独走し6シーズン振りの優勝を果たした。過去にはチャンピオンズリーグで優勝した経験もあり、昨シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグでも準優勝を果たすなど、欧州大会での実績も十分だ。来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権も獲得しており、更なる躍進が期待される。

4.RCランス

リーグ戦成績:25勝9分4敗・84ポイント・2位

今シーズンのリーグ・アンにおける最小失点を記録し、リーグで最も負けが少ないチームにもなった。優勝したパリ・サンジェルマンとの勝ち点差はわずか”1”であり、非常に惜しいシーズンとなった。堅実な戦いを披露するチームの中で、主将を務めるセコ・フォファナは目まぐるしい活躍を見せ、チームの躍進に大きく貢献した。

5.セルティック

リーグ戦成績:
レギュラーシーズン:30勝2分1敗・92ポイント
優勝プレーオフ:2勝1分2敗・7ポイント
計:32勝3分3敗・99ポイント・1位
主要タイトル:プレミアシップ、スコティッシュカップ、リーグカップ

圧倒的な強さでリーグ戦を制したセルティックは、国内の2つのカップ戦も制し、”トレブル”を達成した。チームをまとめた監督のアンジェ・ポステコグルーがトッテナム・ホットスパーに引き抜かれてしまったのは大きな痛手だが、彼が残した功績は偉大だ。エースの古橋亨梧は今シーズンのリーグ戦で27得点を記録し、リーグMVPに選ばれた。

6.ウェストハム

リーグ戦成績:11勝7分20敗・40ポイント・14位
主要タイトル:UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ

プレミアリーグでは残留争いに巻き込まれるなど、いい成績を残せなかったが、ヨーロッパカンファレンスリーグで優勝したことで実に43年振りとなるタイトルを獲得した。同大会では無敗で優勝しており、リーグ戦で振るわなかった分、欧州大会で結果を出すことで自信をつけた。来シーズンはプレミアリーグでの再起に期待したい。

…私の父親はアーセナルのファンなのだが、彼が放った一言は「アーセナルより凄いじゃん。」

7.モンツァ

リーグ戦成績:14勝10分14敗・52ポイント・11位

セリエA初挑戦となった今シーズンは、モンツァにとって歴史的なシーズンとなった。セリエAでの初勝利は、名門ユヴェントスから奪った大金星であり、彼らからは2勝を挙げるなど、名門相手にこれ以上ない好成績を収めた。王者ナポリやインテルにも勝利を収める快進撃を見せ、初昇格ながら14勝を挙げ11位でフィニッシュ。52ポイントという成績は、イングランドのフラムと並んで、今シーズンの欧州5大リーグにおける昇格組が獲得した最多勝ち点となった。

8.ブライトン

リーグ戦成績:18勝8分12敗・62ポイント・6位

”シーガルズ”の愛称で親しまれる彼らは、ロベルト・デ・ゼルビ監督の元、独自のポゼッションスタイルで攻撃的なフットボールを展開し、クラブ史上最高位の6位でシーズンを終えると共にクラブ史上初の欧州大会への出場を決めた。チームの中心選手であったアレクシス・マク・アリスターがリヴァプールに移籍することが決まっているが、彼の抜けた穴を埋めることも不可能ではないだろう。

9.ウニオン・ベルリン

リーグ戦成績:18勝8分8敗・62ポイント・4位

クラブ史上初の1部リーグ昇格からわずか4シーズンで、チャンピオンズリーグ出場まで決めてみせた。リーグで最小の失点数を誇っているのが、チームとしての完成度の高さを示している。来シーズンのチャンピオンズリーグでは、ダークホースとしてチームの名を世界に轟かせる可能性も大いにある。

10.アストン・ヴィラ

リーグ戦成績:18勝7分13敗・61ポイント・7位

シーズン序盤は全く調子が上がらず、残留を争う位置にいたものの、ウナイ・エメリ監督を招聘してからは大変身を遂げ、最終的には7位で終えヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権を得た。トップ10でシーズンを終えるのは実に12年振りのことで、かつての古豪の復活を感じさせるシーズンであった。

11.ミラン

リーグ戦成績:20勝10分8敗・70ポイント・4位

なぜミランが?と思われる方もいるかもしれない。確かに、リーグ戦では優勝した昨シーズン程の強さは見せることができず、ユヴェントスの勝ち点剥奪処分によりなんとかCL圏で終えることはできたが、ギリギリの戦いだった。じゃあなぜここにいるのかというと、チャンピオンズリーグでの成績が優れていたからである。昨シーズンはグループ最下位で敗退という屈辱を味わったが、今シーズンは準決勝まで進出し、ベスト4の好成績を収めた。長らく低迷していて結果が出ていなかったものの、最後に優勝した2006-07シーズン以来16年振りに欧州のトップ4に返り咲いた。同じ街のライバルであるインテルに敗れてしまったが、ベスト4という成績はクラブとしても流石に予想外だったようだ。遂に赤字から黒字に変わり、経営の面も上手くいっている。レジェンドであったイブラヒモヴィッチの引退や、マルディーニとマッサーラという2人のディレクターがクラブを去るなど、来シーズンを迎えるにあたって不安要素もあるかもしれないが、それ以上に積み上げてきたものは大きいので、ぜひ来シーズンも頑張ってもらいたいところ。

12.フラム

リーグ戦成績:15勝7分16敗・52ポイント・10位

今シーズン、このチームがここまで躍進すると思っていた人はおそらくいなかっただろう。ロンドン最古のクラブである通称”ホワイツ”は、今シーズン最もプレミアリーグを盛り上げたチームの1つだ。補強も実り、プレミアリーグにおけるクラブ史上最多の勝利とゴールを記録し、トップ10でシーズンを終えることに成功した。前述のモンツァと並び、今シーズンの欧州5大リーグの昇格組で最も多くの勝ち点を稼いだチームとなった。

13.ロイヤル・アントワープ

リーグ戦成績:
レギュラーシーズン:22勝6分6敗・72ポイント・3位
優勝プレーオフ:3勝2分1敗・1位
計:25勝8分7敗・47ポイント・1位
主要タイトル:ジュピラープロリーグ

1957年以来、実に66年振りとなるリーグ優勝を果たした。ユニオン・サン=ジロワーズ、ヘンク、クラブ・ブルージュと争っていたプレーオフの最終戦ではドラマがあり、どのチームが優勝してもおかしくない展開だったが、最終的にはアントワープが劇的なゴールを決め栄光を手にした。優勝を決めるミドルシュートを突き刺した元ベルギー代表DFのトビー・アルデルヴァイレルトは、クラブの優勝に大きな貢献を見せた。

14.レアル・ソシエダ

リーグ戦成績:21勝8分9敗・71ポイント・4位

”ラ・レアル”が10年の時を経て再びチャンピオンズリーグの舞台で戦う権利を得た。”2強”を撃破するなど、その強さは本物だ。久保建英はその躍進の立役者の1人であり、チームで最高のパフォーマンスを披露してみせた。71ポイントという成績はクラブ史上2位であり、チームとしての完成度が非常に高かったことが窺える。

15.ニューカッスル

リーグ戦成績:19勝14分5敗・71ポイント・4位

2021年10月にサウジアラビアのPIFを後ろ盾に持つコンソーシアムに買収され、急成長を見せている。エディ・ハウという優秀な監督の下で、古豪復活を印象づけるシーズンを過ごした。守備が非常に堅く、リーグでわずか5敗の勝負強さも兼ね備えているチームだ。マンチェスター・シティと並んで、今シーズンのプレミアリーグにおける最小失点の記録も持っている。約20年振りにチャンピオンズリーグの舞台に戻ってくる”マグパイズ”は、ダークホースとして大会に波乱を巻き起こす存在になるだろう。

16.バーンリー

リーグ戦成績:29勝14分3敗・101ポイント・1位
主要タイトル:チャンピオンシップ

2部と言えども、仮に類を見ない圧倒的な記録で優勝したとしたらどうだろう。おそらく、誰もがそれは成功だと言うはず。それを実際に成し遂げたクラブがバーンリーだ。なんとイギリスのチャールズ国王がこのクラブのファンとのことで、彼を含むほぼ全てのファンが、今シーズンこのクラブが残した成績に大変満足していることだろう。これまでの守備的なフットボールとはお別れし、全く真逆のハイプレスと高いポゼッションで試合を支配する超攻撃的なスタイルに大転換。これが見事にハマった形となった。チームを率いる大レジェンドであるヴァンサン・コンパニの手腕が優れているのは確かだが、彼らのフットボールがどこまで通用するのか。来シーズンのプレミアリーグでの戦いぶりで明らかになるだろう。

17.マンチェスター・シティ

リーグ戦成績:28勝5分5敗・89ポイント・1位
主要タイトル:プレミアリーグ、FAカップ、UEFAチャンピオンズリーグ

現時点で最強のチームだという意見に反論する人はいないはず。2008年にUAEの投資グループに売却されてからの黄金期の到来に関しては説明不要である。プレミアリーグでは無敵の絶対王者として君臨し、過去6シーズンで5回目の優勝を飾った。今シーズン、同じ街のライバルであるマンチェスター・ユナイテッドに続いてイングランド史上2回目の”トレブル”を成し遂げ、名実共に最強のチームとなった。チャンピオンズリーグの準決勝では、同大会最多優勝を誇る名門レアル・マドリードを4-0で圧倒し、クラブ史上2回目の決勝戦進出を決めた。完全無欠の絶対王者を完膚なきまでに叩きのめしたその姿に衝撃を受けたファンは多いだろう。続く決勝戦で、苦しみながらもインテルを1-0で撃破し、史上初の欧州王者に輝いた。ペップ政権7シーズン目でようやく掴んだ栄光。賛否両論はあるだろうが、まずは「おめでとう」。その一言だ。

〇おわりに

今回は個人の主観に基づき17クラブを紹介させてもらったが、「あのクラブはないのか?」とか、「このクラブが入っているのはおかしい」といった意見も出てくるだろうし、人それぞれの考え方がある。あくまで1つの意見として受け入れてくれたら幸いだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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