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不安なのは、私だけですか?

最近は不安しかない。

そのことを考えると息が詰まって、うまく空気を吸えない。

苦しい。苦しい。


苦しいことを考えることを考える。


そんな日々を送っている。



国内のコロナの感染者の数が連日5万人を超えた。

先の見えない不安と闘う日々。

幸い私は、温かい家に恵まれ、その日生活するお金も食べ物にも困ってはいない。


ただ、明日の保証などどこにもない。


それは、生きている人間皆同じであろう。


不安だ。と軽々しく口にできないほどの不安が私の中にある。

何故生活に困ってもいない私が不安なのだろうか。

理解できない。心配しすぎだ、そんな風に思うに違いない。


就活に向けて動き出す、そんな時期で、私は改めて

「何を軸に私は生きていきたいのだろうか」
そんな問いをもう何回、自分に投げかけただろうか。


今のパートナーと結婚して、子供が欲しい。


幸せの形は人それぞれである。だけど、やっぱり私は子供が欲しい。

でも、なぜ子供が欲しいのか、そんなことを聞かれたら、少し困ってしまう。

「結婚、子供を持つ=幸せ」という固定概念は少なからず私の中にも存在しているし、いくら頭ではわかっていても、「結婚、親になる」ということは私の憧れである。


ただ、私はこの憧れを実現すべく、どうしたら私は働き続けることができるのだろうか、という問いにぶつかっている。


「公務員にならないと女性は働き続けるのは難しい。」

「女性は昇進できない。」
「女性は手に職がないと食べていくのは難しいから、看護師になるといいよ。」
「女性なのに、大学院まで行ったら使い物にならなくなってしまうよ。」


周りの人からこんな言葉を投げかけられた時、

私は不安で、不安で仕方ない。


だってそんなことを言ってしまったら、私みたいな人は、もう社会から認められてないような気がしてしまうからである。


でも「社会から認められる人」そんな人はどこにいるのだろうか。

そんな人はどうやったらなれるのだろうか。


1月の初め、パートナーと大阪に行った。

「わあああ、建物が高いね!」などとはしゃぐ私たちは、きっと大きな街には不恰好な歩き方だっただろう。何回か細い通りで道に迷った挙句、Googleマップを手にして歩くその姿は観光客そのものである。笑


用事を済ませた後、時間もあるということで、この機会に、ハイブランドの立ち並ぶビルの中にある、(私が兼ねてから行きたかった)セレクトショップに2人でいくことにした。

平日の昼間。当然のように、こんな昼間にはあまり人もいない。

だから、ビルの前にいた、1人の男性に目が釘付けになった。


何より、彼は気温が5度を下回るような寒空の中1枚の紙を持って立っていた。

とても澄んだ目が印象的で、服装もお洒落で、綺麗だった。

だからこそ、彼の持ち物と思われる1つのスーツケースに纏められた荷物だけがどこか不自然で、浮いて見えた。


ハイブランドの立ち並ぶお店に若干気後れした帰り道、私たちは彼から2冊の本を買った。

「BIG ISSUE」である。

ビッグイシューは、ホームレス状態にある人や生活困窮者に対して「雑誌販売」という仕事を創る社会的企業。イギリスで発祥、日本では2003年に創刊した。雑誌は路上で販売され、定価の半分以上が販売者の収入となる。(wikipedia)



そう、彼はいわゆるホームレスだった。


帰り道、私の頭は彼でいっぱいだった。

彼の本には、彼が書いたと思われる手紙と共に、Twitterのアカウントが書かれた紙が挟まれていた。



彼の澄んだ目が、私の脳裏に焼きついて離れなかった。

同時に、疑問が尽きなかった。


だって、今までみたことがある所謂ホームレスのイメージは、

何方かと言えば、正直「不潔」「路上でダンボールを敷いて生活している」「ヒゲが伸びっぱなしで怖い人」みたいな固定概念が私の中にあったから。

(これはあくまでも私の中の固定概念であり、イメージです。)


だからこそ、彼のその澄んだ瞳と、今さっき家から買い物に出かけたのかと見えるような服装には驚いてしまって、「彼は、どういう経緯で家を失ってしまったのだろう。」「家族はいるのかな。」「彼は、この日どこで寝るのだろう。」「ちゃんとご飯食べられるかな。」など思いを巡らせていた次第である。


そして、彼のその姿は、中国(北京)のハイブランドのお店が立ち並ぶ道で、お金を乞う子供たちの姿を思い起こさせた。

(その姿が忘れられなくて、私は今の大学に進んで学んでいるのだが、この話は別のnoteにまとめたいと思う。)


『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』

些か衝撃的なタイトルの本は、2021年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査の最中はやった。


「苦しいのは、私だけですか」

最初の漠然とした疑問に立ち返る。


和田さん自身の経験に基づいて書かれているこの本は、私たちの不安を的確に言葉にしている。

「苦しいのは、私だけではない。」


先の見えない不安の中、大阪の忘れられない彼のように

誰もが今ある生活を失う可能性がある。


「苦しいのは、私だけですか。」

「不安なのは、私だけですか。」


あなたの中の不安は、なんですか?

不安を言語化することがまだ私には出来ない。

読んでくれてありがとうございました。

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