ホットコーヒーをひとつ  詩集「今日の小鉢」より NO.18

麦畑飛魚

更に言えば
純粋な価値観は
ひとつの言葉で表すことができる

ダラダラした空気
十二月
誰もが襟を立てて歩く駅前の
街灯の下

犬は吠えて
海はざわざわ
波高く
鳥があがあ

薄暗い冬の空の下に
ホットコーヒーをひとつ

このぼんやりとした闇に
静かな光を灯したい

いわば
スクラップ工場に
夕日が当たってとてもきれい
といったような感じ
工場のおっさんも
一休み

だらけた体と頭の体操
ホットコーヒーをひとつ

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麦畑飛魚

ありがとうございます。