やかんから湯気  詩集「今日の小鉢」より NO.01

やかんから湯気が立ち上っている
ぼんやりと
ぼんやりとした
完全だ

言葉を見繕う時の大前提は
そいつが不確定であることだと
誰かが言ってた

秒針が時を刻む
安い目覚まし時計が二個
まぁ
それは
誰にでもわかる話

できたかな
できたかな

味噌汁
インスタントの味噌汁は
冬を表すのに
ちょうどいい
冬の着たベスト
ベストの味噌汁
どうだいまいったかい

まぁ
そんなわけで
静かな夕食は
今日もひっそりと
ただひっそりとつづく


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麦畑飛魚

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