ココアとチョコレート  詩集「今日の小鉢」より NO.08

ぐずぐずになって
夜眠れなかったら
ココアとチョコレートだ

逆にそばにあることで
どうでもよくなってしまうのなら
適当に放り投げるのもいいかもしれない

眼前に聳え立つ壁
壁なんてあるのか

ただぼんやりとした
不安がそこにあるだけだ

チョコレートのおかげで
意識がはっきりとしてくる

ダンスなら
いくらでも踊れる気がしていたけれど
どうやらそれは
踊らされている時にだけ
発動するものだったらしい

ココアが空になった
チョコレートも食べ終えた

残った意識で
ぼんやりと南の島を
夢見ている

ありがとうございます。