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鉄道唱歌

「汽笛一聲新橋を はや我汽車は離れたり
   愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として」

上記はこの記事タイトルにもなっている『鉄道唱歌』という歌の歌詞なのだが、大半の人は初めて読むものであろう。

だが、ぜひYouYube等で鉄道唱歌を調べてみてほしい。

ある人は「昔教育番組でやってた山手線の曲だ」と言うだろうし、別の人は「品川駅で聞く」と言うのではないかと思う。
どこで聞いたか思い出せない人もいると思うが、日本人の多くは一度は聞いたことがあるのではないだろうか。

『鉄道唱歌』について

これは1900年に『地理教育 鉄道唱歌 第一集』のタイトルで発表された歌で、作曲は多梅稚、作詞は大和田建樹である。
美しい七五調の歌詞に載せて、当時の東海道線沿線を中心とした土地の地理や歴史、風景や名物を歌っており、合わせて66番もの歌詞がある大作となっている。作詞者は実際に鉄道に乗って各地を訪ねながら、その詩を書いたといわれている(異論はあるようだ)。
ちなみにこの「東海道線編」だけではなく「山陽・九州編」「奥州・磐城編」等、その他の路線を歌った鉄道唱歌もある。

鉄道唱歌に惹かれる理由

私がこの曲を『鉄道唱歌』と認識してしっかり聞いたのは大学三年くらいだったと思う。
その時にものすごく惹かれて以来、大好きな曲の一つとなっている。その理由は大きく三つ。

一つ目はその歌詞の美しさとテンポの良さ。
当時の景色や作詞者が実際に感じたことを、現代語とは異なる明治期当時の言葉で書かれているのだが、その一つ一つの言葉の響きや使い方がとても美しい。加えてテンポの良い七五調に合わせているから、聞いていて非常に心地よいのだ。
さらに言うと、歌詞自体が非常に勉強にもなり耳にも残りやすい。したがって地理や歴史、古文科目の学習の参考のために教育現場で取り入れるのもアリではないかとさえ思う。

二つ目は各地の景色や名物を歌っていることから、聞いているだけで旅をしている気分になれることである。
旅行好きの私としては歌詞を味わうだけでも楽しいのだが、最近はYouTubeで歌に合わせた動画も多数投稿されており、それを見るのもとても楽しい。特にコロナ禍で自宅に引きこもっていたときは、これらの動画を視ながら食事をしたりしていた。

三つ目はメロディーの美しさである。
冒頭で、多くの人は一度は聞いたことがあるだろうと書いたが、それは聞く機会が多かったという理由だけではなく、日本人の感性に沿ったメロディーであるために、聞いていて心地いいというのも一因ではないかと思う。
加えて私はどちらかというと最近の曲ではなく、昭和歌謡のような昔の曲(演歌はまた違うのだ…)が好きで、そういった好みにも起因するのか鉄道唱歌はずっと聞いていても飽きず、むしろ安心さえするのだ。

noteでやってみたいこと

ただ、私は鉄道に詳しいわけでも、鉄ちゃんでもない。
それでもこの曲は鉄道と旅の魅力・面白さを感じさせてくれて、今すぐにでも歌詞に合わせて電車に乗って旅をしたくなるのだ。

その思いが強まり、実際に歌詞に合わせてその場所を訪ねてみることにした。もちろん新橋から神戸まで66番も歌われているので、今すぐに行くことも、いっぺんに訪れることはできないのだが、時間を見つけて足を運び、そこで写真をとったりしたいと思う。
そしてnoteでは、現地で撮影した写真を交えながら歌詞や現地の解説をできたらなと考えている。
ちなみに、この投稿を執筆した時点で既に一番(新橋周辺)二番(高輪周辺)は訪問済みである。後日投稿する予定だ。

最後に

鉄道唱歌はたくさんの魅力がある。私だけではその魅力を伝えきることはできないと思うが、ぜひこのnoteを読んで、鉄道唱歌の世界に入っていく人が増えたら嬉しい


鉄道唱歌の碑(JR新橋駅汐留口にて)

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