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【犬の管理栄養士が解説】人気の犬用サプリメントトペット(topet)は効果なし?悪い口コミもチェック!

前回の記事は犬の管理栄養士として犬用サプリのおすすめ成分と選び方について紹介しました。今日は、愛犬のために何を選んで良いかわからない方向けに紹介させて頂いた人気のサプリメントのトペット(topet)について、サプリメントに期待できる効果と口コミ情報を詳しくまとめました。

あなたの愛犬だけのサプリトペット(topet)の概要

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画像は産経新聞ネット記事から引用
愛犬に最適な栄養素をセレクト
獣医師とペット栄養管理士が共同開発した診断システムに回答することで、愛犬に最適なサプリメントを提供するコンセプトであるトペット(topet)。サプリメントの種類は7種類あり、そこから3種類が選ばれます。

プレスリリース

画像は産経新聞ネット記事から引用

体調分析システムの流れ
トペット(topet)では、約3分ほどの愛犬に関する質問に回答すると、5万通り以上の回答パターンから愛犬の体調分析ができます。更に分析結果に対してコメントがついてきます。その結果、必要なサプリメント(栄養素)が選択される流れです。

体調分析の概要

画像は産経新聞ネット記事から引用

気になる効果について考察

7種類のサプリメント
トペット(topet)のサプリメントはモエギイガイ・乳酸菌KT-11・乳酸菌FK-23・プロアントシアニジン・BCAA・難消化性デキストリン・シジミエキスの7種類あります。それぞれがどんな効果を期待できるのかを考察してみたいと思います。

サプリメントについて

モエギイガイの効果
トペット(topet)で利用されているモエギイガイ、別名「緑イ貝」はニュージーランド固有のムール貝の一種です。食習慣の一部となっているニュージーランドに暮らすマオリ族が西洋人に比べて関節炎の発症率が低いという事実から、研究が盛んに行われてサプリメントの原材料としても良く利用されています。
関節炎への効果は研究実績としても期待できると言えます (各種研究論文について:Pollard, 2006Hielm-Bjorkman, 2007)。

乳酸菌KT-11の効果
トペット(topet)で利用されている乳酸菌KT-11 (クリスパタス菌) は、乳幼児の腸内から発見された機能性乳酸菌を加熱処理した死菌 (死んでいる菌) です。近年の研究では生菌 (生きている菌) だけではなく死菌が及ぼす効果にも期待が集まっており、乳酸菌KT-11も例外ではありません。実際に、花粉症の症状を緩和したり、歯周病などの口腔内感染症に対する研究実績がある他、犬のアトピー性皮膚炎への効果も研究されています (研究報告について:株式会社 キティ)。

乳酸菌FK-23の効果
トペット(topet)で利用されている乳酸菌FK-23 (エンテロコッカス・フェカリス菌) は、健康な人の体から発見された機能性乳酸菌を培養して加熱処理した乳酸菌です。乳酸菌KT-11同様に効果に期待が集まる死菌の一つです。白血球減少治療剤、抗腫瘍剤およびその製造法、毒性軽減剤、感染防御剤、C型肝炎治療剤といった様々な特許を持っており、犬アトピー性皮膚炎への効果に関する研究データの一部も公開されています (研究データについて:ニチニチ製薬株式会社)

プロアントシアニジンの効果
トペット(topet)で利用されているプロアントシアニジンはカテキン分子がつながった構造を持つポリフェノールの一種です。ポリフェノールには強い抗酸化作用があることから、白内障ケアに対して期待されています。水晶体が白く濁ることは、細胞のタンパク質が紫外線や活性酸素によって変質することが原因であるため、細胞の酸化を防ぎ、活性酸素を除去する抗酸化成分が大切になってくるわけです。このような抗酸化作用が白内障に及ぼす効果は数多く研究されています (研究論文について:Eri Kubo, 2020)。

BCAAの効果
トペット(topet)で利用されているBCAAは必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。加齢に伴い筋肉量は減少していくものですが、筋肉量を維持するために役立つのが必須アミノ酸です。しかし、腎不全の療法食としてタンパク質制限をされている子はアミノ酸の補給が十分にできず、筋肉の減少に伴い代謝が落ち、免疫細胞も働きにくい状態が起こり得ます。そのため、腎不全の療法食を与えている子には、BCAAによりバランスよくアミノ酸を補給してあげることが大切です(BCAAについて:コルディ研究室)。

難消化性デキストリンの効果
トペット(topet)で利用されているデキストリンとはデンプンの仲間で、難消化性デキストリンは字の如く消化しにくいデキストリンです。この難消化性デキストリンは水に溶けやすい性質があることから、水溶性食物繊維として知られています。体内での働きとして、食後血糖の上昇抑制作用、整腸作用が期待されており(参考:大塚製薬株式会社)、犬や猫といった動物でも同様な効果が期待できると考えられます。

シジミエキスの効果
トペット(topet)で利用されているシジミエキスとは字の如くシジミから取れるエキスです。シジミには主にオルニチンという栄養素が含まれており、オルニチンには体の中で発生するアンモニアを解毒を担うサイクルを活性化する効果があります。つまり肝臓の働きを助ける効果が期待できます。更に、腎臓は不要になった物質を尿として排出する働きをしますが、肝臓で十分にアンモニアを解毒できなかった場合、腎臓でアンモニアを尿素に変える必要があるため、間接的に腎臓の働きを助ける効果が期待できます(オルニチンサイクルについて:オルニチン研究会)。

トペット(topet)を使っている人の口コミをチェック

インスタグラムでのトペット(topet)の口コミ情報をチェックしました。良い口コミと悪い口コミを多かった順にまずは列挙してみました。

良い口コミ
・15件 食いつきが良かった
・7件 便の調子が良くなった
・5件 涙やけが良くなった
・3件 毛並みが良くなった
・3件 痒みが軽減された
・1件 口臭が軽減された
・1件 肌の乾燥が良くなった
・1件 耳の汚れが綺麗になった
・1件 体重が増えた (増量が希望の方の口コミ)
悪い口コミ
・1件 食いつきが悪かった
・1件 便が緩くなった

食いつきについて
全体を通して食いつきが良いとの口コミが多かったです。トペット(topet)の原材料を確認すると全てのサプリメントにチキンパウダーが配合されていますので、これが食いつきを良くしている理由だと考えられます。
便の調子について
全体を通して便の調子が良くなったとの口コミが多かったです。おそらくトペット(topet)サプリの乳酸菌KT-11もしくは乳酸菌FK-23、難消化性デキストリンを選択された方の口コミだと考えられます。中には逆に緩くなった方もいらっしゃいますが、その場合は1日に与える量を減らしてあげると良いと思います。
涙やけが良くなった
涙やけについても良くなったと書いてある口コミも散見されました。こちらもトペット(topet)サプリの乳酸菌や難消化性デキストリンの効果だと考えられますが、どのサプリメントを選択されたのかは確認できませんでした。
毛並みが良くなった・痒みが軽減された
毛並みや痒みの改善に関する口コミも散見されました。こちらの口コミを書かれた方はトペット(topet)サプリの乳酸菌FK-23を選択された方が多かった印象です。

トペット(topet)の乳酸菌による効果は期待できる

公式の乳酸菌FK-23のページを見ると、1袋に4.5兆個の乳酸菌を配合しており、口コミを見る限り多くの方が効果を実感されていました。そのため、トペット(topet)でサプリメントを選択する際は乳酸菌+αの組み合わせが良いのではないかと推測しています。口コミを見る限り便の調子・涙やけ・毛並み・痒みといった効果は期待しても良いのではないでしょうか?

トペット(topet)のその他の効果はどうか?

口コミとして書いてある効果はあくまで体感しやすい効果だと思います。そのため、関節や筋肉のケア、肝臓や腎臓のケアといった体感しにくい効果は正直わかりづらいところです。しかし、各サプリメントの原料はそれぞれ効果が研究結果として期待できるものであるため、その点はメーカーを信頼して使用してみる価値があるのではないかと思います。

最後に

犬の管理栄養士として獣医師の方や栄養学の専門家と会話して感じることは、病気は未然に防ぐことが大切だということです。医療レベルという観点で、動物の治療は人間の治療に比べて治すのが非常に大変です。そのため、病気にならないためにどうすべきかをしっかり考えて対策を講じてあげることが、愛犬も飼い主もみんなハッピーになる選択肢だと思います。

サプリメントも同様に、治すという観点ではなく予防するという使用方法が望ましいと私は考えます。大切なことは栄養補助だけではなく普段の運動やスキンシップも同様です。「病になって初めて健康に向き合う」から「病になる前から健康にしっかり向き合う」愛してやまない我が子とかけがえのない時間を1秒でも長く過ごしましょう。



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