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ChatGPTに聞いてみる最強のコーポレートIT

こちらはMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 8日目の記事です。

"Hey GPT, ゼロトラストアーキテクチャで最強のコーポレートITを構築して"

なんてことが本当にできてしまうのでしょうか。
この記事では、近頃流行りの自然言語対話型チャットAI "ChatGPT"に、最強のコーポレートITを聞いてみようと思います。

試しにこの記事もChatGPTに書いてもらおう

アドベントカレンダー、ネタを考えるのは楽しいんですが、記事を書くのは骨が折れますね。どうせならchatGPTに書いてもらいましょう。
そのためには、ChatGPTの手綱を握るポイントを抑えておく必要があります。

1. まずは要件定義から

三大美徳に従って怠けることにしたいので、要件定義からChatGPTにやってもらいましょう。

"テック企業におけるアドベントカレンダーでコーポレートITに関する記事を投稿したいです。要件を整理してください。"

アドベントカレンダーとは、12月1日から25日までの期間に毎日1つの記事を投稿するイベントです。テック企業においては、その企業の特徴や製品、サービス、ビジネスに関する情報を発信することが多いです。

 まず、アドベントカレンダーに投稿する記事がコーポレートITに関するものであることを明確にする必要があります。そのためには、記事のタイトルや見出しなどを使って、明確なテーマを示しておくことが重要です。また、記事の内容も、コーポレートITについて特定のテーマやトピックを取り上げて議論するようにしましょう。

 さらに、アドベントカレンダーは、その企業が特定の期間において自社の製品やサービスを紹介するという場としても機能します。そのため、記事には、自社のコーポレートITに関する製品やサービスの紹介を組み込むことも有益です。例えば、企業が提供するクラウドサービスやセキュリティ対策などの情報を紹介することができます。

 最後に、アドベントカレンダーは、企業が特定の期間において自社のブランドやビジネスに関する情報を発信する場としても機能します。そのため、記事には、企業のコーポレートITに関するビジネス戦略や最新の取り組みなどの情報も紹介することが有益です。また、企業が提供する製品やサービスが、どのような顧客様のニーズに応えるものであるか、その価値や特徴を示すような情報も提供することで、ブランドやビジネスについての認知度を高めることができます。

 まとめると、アドベントカレンダーでコーポレートITに関する記事を投稿するには、以下のような要件を整理することが必要です。

1. 記事のテーマやトピックを明確にして、コーポレートITについて特定のテーマやトピックを取り上げるようにする。
2. 自社のコーポレートITに関する製品やサービスの紹介を組み込む。
3. 企業のコーポレートITに関するビジネス戦略や最新の取り組みなどの情報を紹介する。
4. 自社の製品やサービスがどのような顧客様のニーズに応えるものであるか、その価値や特徴を示すような情報を提供する。

https://chat.openai.com/chat

一つ聞かれたら十を出す人ですね。期待の回答を圧倒的に超えてきます。
また、アドベントカレンダーを自社製品アピールの場として活用することを提案している点から、AIのしたたかさを感じられます。

2. 要件を具体化させる

次に、整理された要件を具体化させます。
例として適当な要件を設定しますが、要件通りの回答だとつまらないので、スパイスを加える目的で"独創的に"としてみました。

"それでは、上記要件を満たす記事を独創的に作成してください。

  • 記事のテーマやトピック

    • 従業員数2000名以上のグローバルテックカンパニーにおける最強のコーポレートIT

    • ゼロトラストアーキテクチャを用いた新たなコーポレートIT設計を提唱する

  • 自社のコーポレートITに関するサービス

    • 200以上のSaaSを利用

    • AzureAD,Intune,JamfPro,Slack,Zoom,GoogleWorkspaces,BOX

  • デバイス

    • Mac

    • Windows

    • iPhone

  • 企業のコーポレートITに関する最新の取り組み

    • Jamf ProとIntune連係(条件付きアクセス)によるMacとWinの統合管理

    • 安全性の担保されていない PC をシャットアウト

  • 自社のコーポレートITが利用者のどのようなニーズに応えるものであるか

    • セキュリティ・ガバナンス・利便性・機動力のバランスを重視したもの"

3. 記事を書いてもらった結果

これらを踏まえ、以下のような記事を作成することができます。

タイトル: 「従業員2000名以上のグローバルテックカンパニーで最も強力なコーポレートITを実現する」

見出し:

ゼロトラストアーキテクチャを採用した新たなコーポレートIT設計
200以上のSaaSを活用した多様なワークスタイルへの対応
Jamf ProとIntuneを連携させることでMacとWindowsを統合管理
安全性と利便性を両立した「セキュリティ・ガバナンス・利便性・機動力」のバランスを重視
本文:

従業員2000名以上のグローバルテックカンパニーにおいて、最も強力なコーポレートITを実現するために、私たちは新たなアーキテクチャとして「ゼロトラストアーキテクチャ」を採用しました。

このアーキテクチャは、ネットワーク内のすべてのデバイスやユーザーが信頼されているものとして扱われることで、セキュリティを強化するものです。そのため、私たちのコーポレートITでは、このアーキテクチャを採用して、さらなるセキュリティの強化を図っています。

さらに、私たちは200以上のSaaSを活用しています。これらのサービスを活用することで、多様なワークスタイルに対応することができます。例えば、AzureADを使用することで、従業員が自宅からでも安全にサインインすることができます。また、Intuneを活用することで、モバイルデバイスの管理も容易に行うことができます。

そのため、私たちのコーポレートITでは、MacやWindowsなどのデバイスを統合的に管理することができるようになりました。そのため、私たちはJamf ProとIntuneを連携させることで、MacとWindowsを統合的に管理することができるようになりました。これにより、安全性が担保されていないPCをシャットアウトすることができます。

最後に、私たちのコーポレートITでは、セキュリティ・ガバナンス・利便性・機動力のバランスを重視しています。そのため、安全性の高い環境を提供しながらも、従業員が効率的に作業することができるように、利便性を向上させることに努めています。また、社内のIT環境が変化するにつれて、迅速に対応できるよう、機動力を向上させることも重視しています。

そのような取り組みにより、従業員2000名以上のグローバルテックカンパニーにおいて、最も強力なコーポレートITを実現することができました。今後も、このような取り組みを継続していくことで、私たちのコーポレートITはさらなる進化を遂げることでしょう。

https://chat.openai.com/chat

見出しが長いが、文章としては完成度が高いですね。
指示された要件に寄り添いながら独自の解釈を交えてうまく書けていると思います。
そして要件定義が曖昧だと、ふわっとした結果しか返ってこないところも人間らしくていい。
しかしゼロトラストアーキテクチャの説明は少々怪しいように見えました。
ChatGPTは誤っていることもあるので、全てを鵜呑みにしてはいけません。
ちなみにここでは割愛しますが、ゼロトラストの説明は同じ質問でもその時々で回答が大きく変わることがありました(ただ、ゼロトラストは人に聞いてもそれぞれの環境で最適解が異なるため、そういうものかもしれません)

最強のコーポレートITを聞いてみる

試運転が終わったところで本題に戻ってみましょう。
まずは抽象化したワーディングでどこまで答えられるか、雑に投げてみます。

1. "最強のコーポレートITとは?"

「最強のコーポレートIT」とは、一般的に企業が持つ情報技術部門を指します。この部門は、企業が持つ情報技術資産を管理し、活用するために設けられます。最強のコーポレートIT部門とは、そのような情報技術資産を最大限に活用し、企業の目標を達成するために最も優れた方法で運用することを指します。

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最強の模範解答をいただきました。
(ちなみに、なぜ"最強の〜"にこだわるかというと、最強な記事を書くのが好きだからですw)

次に「最強のコーポレートIT」の定義がクリアになったところで、続けて更に解像度を上げる質問を投げてみます。

2. "最強のコーポレートITを構築するためのベストプラクティスは?"

最強のコーポレートITを構築するためのベストプラクティスは、多岐にわたります。以下に、いくつかの例を紹介します。

1. 優れたリーダーシップ: コーポレートIT部門を率いるリーダーは、ビジネスニーズを理解し、IT戦略を策定し、運用することができる必要があります。

2. 柔軟なアーキテクチャ: 企業は、常に変化するビジネス環境に対応できるよう、柔軟なアーキテクチャを採用する必要があります。

3. データ分析能力の向上: コーポレートIT部門は、企業が持つデータを分析し、ビジネス上の意思決定に役立てることができるようにする必要があります。

4. パートナーシップの構築: 企業は、業界をリードする技術企業とのパートナーシップを築くことで、最新の技術を採用することができます。

5. セキュリティの強化: コーポレートIT部門は、企業の情報資産を保護するために、最新のセキュリティ技術を導入する必要があります。

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基本構成要件が出てきたので、それぞれ具体化していきます。

3. "「優れたリーダーシップ」について具体的な実装方法・プランを示してください。"

コーポレートIT部門において、優れたリーダーシップは、部門が目指す目標やビジネス戦略を遂行する上で欠かせません。そのためには、次のような実装方法・プランが考えられます。

部門の目標とビジネス戦略の策定
まず、部門の目標やビジネス戦略を策定します。この目標や戦略は、企業全体のビジネス戦略に基づき、コーポレートIT部門が直面する課題や機会を踏まえて策定されます。この目標や戦略を策定することで、部門が目指す方向性が明確になり、後続の活動がスムーズに進むことが期待されます。

チームビルディング
次に、チームビルディングを行います。部門のスタッフは、異なる専門分野や経験を持っています。そのため、チーム内での協働や連携が重要です。そのためには、チームビルディングを行うことが必要です。例えば、各スタッフが自己紹介をすることで、他のスタッフとの信頼関係を構築することができます。また、共通の目標を持ったチームでのアクティビティやイベントを企画することで、チームの協働や連携が促進されます。

スキルアップの支援
さらに、スタッフのスキルアップを支援することが重要です。コーポレートIT部門では、常に新しい技術やツールが導入されるため、スタッフのスキルアップが求められます。そのため、リーダーは、スタッフが学ぶための機会や支援を提供することが必要です。例えば、研修やセミナーへの参加の機会を提供したり、自己学習を促すようにすることが有効です。

意思決定の支援
最後に、意思決定の支援を行います。リーダーは、部門が直面する課題や決定を支援する役割を担います。そのためには、データや情報を元にした分析や検証を行い、提案を行うことが必要です。また、スタッフからの意見やアイデアを取り入れることで、より良い意思決定ができるようにすることが有効です。これらのアクティビティを行うことで、部門がより良い意思決定を行うことができるでしょう。

以上のような実装方法・プランを踏まえることで、コーポレートIT部門において、優れたリーダーシップを発揮することができます。これにより、部門が目指す目標やビジネス戦略を遂行することができるでしょう。

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4. "柔軟なアーキテクチャについて、どのように設計しますか?"

企業が常に変化するビジネス環境に対応できるようにするためには、柔軟なアーキテクチャを採用する必要があります。このようなアーキテクチャを設計する場合、一般的には次のようなものが考えられます。

1. クラウドコンピューティングの採用
最初に、クラウドコンピューティングの技術を採用することが考えられます。クラウドコンピューティングは、データやアプリケーションをインターネット上のクラウドサービスを利用して管理することができる技術です。このような技術を採用することで、企業は柔軟なITインフラストラクチャを構築することができ、ビジネスニーズに応じてスケーラブルなサービスを提供することが可能になります。

2. モジュラーなアーキテクチャの構築
次に、モジュラーなアーキテクチャを構築することが考えられます。モジュラーなアーキテクチャとは、各種のITシステムやサービスを個別のモジュールとして設計し、それらを組み合わせて構築するアーキテクチャのことです。このようなアーキテクチャを採用することで、企業はシステムやサービスを細かく分解し、必要なときに組み合わせることができます。そうすることで、企業はビジネスニーズに応じてスピーディーに対応できるようになります。

3. APIを活用する
さらに、API(Application Programming Interface)を活用することも考えられます。APIとは、異なるシステムやサービスを連携するための技術のことです。企業がAPIを活用することで、異なるシステムやサービスを連携させることができます。そうすることで、企業は、複数のシステムやサービスを一つの業務プロセスとしてまとめることができ、よりスムーズで効率的な業務を実現することができます。

また、APIを活用することで、企業は外部のサービスやアプリケーションとの連携も容易に行うことができます。これにより、企業は、ビジネス環境の変化に応じて、新しいサービスやアプリケーションを活用し、より豊富なサービスを提供することができます。

以上のような方法を採用することで、企業は、柔軟なアーキテクチャを構築することができます。これにより、企業は常に変化するビジネス環境に対応できるようになり、より優れたサービスを提供することが可能になります。

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5. "コーポレートITがデータ分析能力を向上させるための具体的な実装方法を教えて下さい。"

コーポレートIT部門がデータ分析能力を向上させるための具体的な実装方法としては、次のようなものが挙げられます。

1. データの収集と整理
まず、データを収集し、整理することが大切です。企業が持つデータは、様々な形式や場所に存在します。そのため、データを収集し、同じ形式や場所にまとめることが必要です。この段階では、データを整理するためのツールやプラットフォームを活用することが有効です。

2. データの分析
次に、データを分析します。データを分析するためには、さまざまな分析手法やツールが用いられます。例えば、データを可視化して分析するためには、データビジュアライゼーションツールが用いられます。また、データを統計的に分析するためには、統計分析ソフトウェアが用いられます。

3. データの共有と活用
最後に、データを共有し、活用することが重要です。分析結果を共有することで、組織内のさまざまな部署や担当者がデータを活用することができます。また、分析結果を共有することで、企業全体でのデータの活用が促進され、ビジネス上の意思決定がより的確かつ効率的に行われるようになります。

以上のように、コーポレートIT部門は、データの収集と整理、分析、共有と活用を行うことで、データ分析能力を向上させることができます。

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6. "パートナーシップの構築について具体的な実践方法を教えて下さい。"

企業が業界をリードする技術企業とのパートナーシップを築くことで、最新の技術を採用することができます。そのためには、次のような実践方法が挙げられます。

1. パートナーシップの目的を明確にする
まず、パートナーシップを築くための目的を明確にします。例えば、新しい技術を採用してビジネスプロセスを改善したい、新しいサービスを提供するために技術を採用したい、といった具体的な目的を設定します。この目的を明確にすることで、後続の活動がスムーズに進むことが期待されます。

2. 技術企業との交渉
次に、技術企業との交渉を行います。

交渉においては、互いのニーズや要求を明確にし、協定を結ぶことが重要です。また、交渉においては、相手企業との関係を長期的に維持するためにも、信頼関係を築くことが大切です。そのためには、誠実かつ信頼できるパートナーとしての振る舞いが求められます。

3. 技術の統合と運用
最後に、技術を統合し、運用することが重要です。技術を統合することで、企業が持つシステムやサービスをより効率的に運用することができます。また、運用する際には、技術企業との協力やサポートが必要になることがあります。そのためには、運用プロセスを共有し、連携することが重要です。
以上のような実践方法を踏まえることで、企業は業界をリードする技術企業とのパートナーシップを築くことができます。このようなパートナーシップを築くことで、企業は最新の技術を採用することができ、ビジネスをより優れたものにすることができます。

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7. "「セキュリティの強化」についてもっと教えて下さい"

セキュリティの強化は、企業が持つデータやシステムを保護するために重要です。セキュリティの強化には、次のような方法が考えられます。

パスワードの強化
まず、パスワードの強化が重要です。パスワードは、企業が持つデータやシステムへのアクセスを制限するためのものです。そのため、強固なパスワードを設定することが重要です。また、パスワードを定期的に更新することも有効です。

ファイアウォールの採用
次に、ファイアウォールを採用することが有効です。ファイアウォールとは、企業が持つネットワークを保護するための装置やソフトウェアのことです。ファイアウォールを採用することで、不正なアクセスや攻撃から企業のネットワークを守ることができます。

セキュリティ対策のレビュー
さらに、セキュリティ対策を定期的にレビューすることが重要です。セキュリティ対策をレビューすることで、不備や欠陥が見つかることがあります。そのため、セキュリティ対策を定期的にレビューし、必要に応じて改善することが重要です。

以上のような方法を踏まえることで、企業はセキュリティの強化を行うことができます。これにより、企業が持つデータやシステムを保護することができます。また、セキュリティの強化により、企業の信頼性が高まり、顧客やビジネスパートナーからの信頼を得ることができるでしょう。

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8. "これまでの結論をまとめてください"

ご指定いただいた内容をまとめます。

コーポレートIT部門において、優れたリーダーシップは、部門が目指す目標やビジネス戦略を遂行する上で欠かせません。
企業は、柔軟なアーキテクチャを採用することで、変化するビジネス環境に対応できるようにすることができます。
コーポレートIT部門は、データ分析能力を向上させることで、ビジネス上の意思決定をサポートすることができます。
企業は、業界をリードする技術企業とのパートナーシップを築くことで、最新の技術を採用することができます。
セキュリティの強化は、企業が持つデータやシステムを保護するために重要です。

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所感

  • ビジネス指南としては参考になる部分があり、的を捉えているように見える

  • 最強のコーポレートITを実現するための具体的なツール名・サービス名などを挙げるよう誘導してみたが出てこなかった

  • 一方、他事例によるとAWSの実装例を紹介しているケースがあり、質問によってはうまく活用できるかもしれない

  • しかし、自然に”もっともらしい回答”を出してくる傾向があり、誤りを見抜く必要がある

まとめ

いずれも有益な情報ではありますが、ChatGPTの特性としては、どちらかというとビジネス指南より、開発者が使っているようにCodingBuddyとしての活用方法のほうが価値が高そうでした。

今回は最強のコーポレートITを実現するための要件を聞いてみましたが、今後はすこし時間をかけて、それぞれの設計と実装を掘り下げていきたいと思います。
ここまで拝読いただき、ありがとうございました。

著者について

コーポレートIT担当 @mughalです。ITサポート・デバイス管理を主軸に、コーポレートIT全般に広く関わっています。
機械に囲まれていると心が落ち着きます。

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