こちらはMoney Forward CorporateIT Advent Calendar 2022 8日目の記事です。
"Hey GPT, ゼロトラストアーキテクチャで最強のコーポレートITを構築して"
なんてことが本当にできてしまうのでしょうか。
この記事では、近頃流行りの自然言語対話型チャットAI "ChatGPT"に、最強のコーポレートITを聞いてみようと思います。
試しにこの記事もChatGPTに書いてもらおう
アドベントカレンダー、ネタを考えるのは楽しいんですが、記事を書くのは骨が折れますね。どうせならchatGPTに書いてもらいましょう。
そのためには、ChatGPTの手綱を握るポイントを抑えておく必要があります。
1. まずは要件定義から
三大美徳に従って怠けることにしたいので、要件定義からChatGPTにやってもらいましょう。
"テック企業におけるアドベントカレンダーでコーポレートITに関する記事を投稿したいです。要件を整理してください。"
一つ聞かれたら十を出す人ですね。期待の回答を圧倒的に超えてきます。
また、アドベントカレンダーを自社製品アピールの場として活用することを提案している点から、AIのしたたかさを感じられます。
2. 要件を具体化させる
次に、整理された要件を具体化させます。
例として適当な要件を設定しますが、要件通りの回答だとつまらないので、スパイスを加える目的で"独創的に"としてみました。
"それでは、上記要件を満たす記事を独創的に作成してください。
3. 記事を書いてもらった結果
見出しが長いが、文章としては完成度が高いですね。
指示された要件に寄り添いながら独自の解釈を交えてうまく書けていると思います。
そして要件定義が曖昧だと、ふわっとした結果しか返ってこないところも人間らしくていい。
しかしゼロトラストアーキテクチャの説明は少々怪しいように見えました。
ChatGPTは誤っていることもあるので、全てを鵜呑みにしてはいけません。
ちなみにここでは割愛しますが、ゼロトラストの説明は同じ質問でもその時々で回答が大きく変わることがありました(ただ、ゼロトラストは人に聞いてもそれぞれの環境で最適解が異なるため、そういうものかもしれません)
最強のコーポレートITを聞いてみる
試運転が終わったところで本題に戻ってみましょう。
まずは抽象化したワーディングでどこまで答えられるか、雑に投げてみます。
1. "最強のコーポレートITとは?"
最強の模範解答をいただきました。
(ちなみに、なぜ"最強の〜"にこだわるかというと、最強な記事を書くのが好きだからですw)
次に「最強のコーポレートIT」の定義がクリアになったところで、続けて更に解像度を上げる質問を投げてみます。
2. "最強のコーポレートITを構築するためのベストプラクティスは?"
基本構成要件が出てきたので、それぞれ具体化していきます。
3. "「優れたリーダーシップ」について具体的な実装方法・プランを示してください。"
4. "柔軟なアーキテクチャについて、どのように設計しますか?"
5. "コーポレートITがデータ分析能力を向上させるための具体的な実装方法を教えて下さい。"
6. "パートナーシップの構築について具体的な実践方法を教えて下さい。"
7. "「セキュリティの強化」についてもっと教えて下さい"
8. "これまでの結論をまとめてください"
所感
ビジネス指南としては参考になる部分があり、的を捉えているように見える
最強のコーポレートITを実現するための具体的なツール名・サービス名などを挙げるよう誘導してみたが出てこなかった
一方、他事例によるとAWSの実装例を紹介しているケースがあり、質問によってはうまく活用できるかもしれない
しかし、自然に”もっともらしい回答”を出してくる傾向があり、誤りを見抜く必要がある
まとめ
いずれも有益な情報ではありますが、ChatGPTの特性としては、どちらかというとビジネス指南より、開発者が使っているようにCodingBuddyとしての活用方法のほうが価値が高そうでした。
今回は最強のコーポレートITを実現するための要件を聞いてみましたが、今後はすこし時間をかけて、それぞれの設計と実装を掘り下げていきたいと思います。
ここまで拝読いただき、ありがとうございました。
著者について
コーポレートIT担当 @mughalです。ITサポート・デバイス管理を主軸に、コーポレートIT全般に広く関わっています。
機械に囲まれていると心が落ち着きます。