見出し画像

第24話

モニカを加えた刹那達は
エルトリシアを探すため、この離宮内を歩いている
何が目的か知らないが月の石を手に入れるためには
ここにいるヴィトーリアに聞くしかない
それにエルトリシアはヴィトーリアと融合しようとしている
それを阻止しなければならない。

刹那達はモニカが持っていた鍵を使って鍵の掛かっていた扉を開けた
通路にいたのは、エルトリアと配下のマモノ達
「ほう、もうここまで来たのか」
「余裕だな、もう勝ち確定か」
エルトリアが余裕の顔をしながら刹那に言う
だが、刹那が短剣一本で配下のマモノを瞬時に倒すと
「何がおこった?全滅だと?」
「そろそろやり合おうか」
エルトリシアが指を鳴らすと一人の女が現れると同時に
エルトリシアが奥の部屋へと消える。

「まずはこの女を何とかするしかないな」
「オオオオオオオオオオオ!」
雄たけびを上げながら女が刹那に攻撃を仕掛ける
その攻撃を刹那は短剣で防ぐ
再び刹那に攻撃する女に刹那が攻撃する
互いの攻撃で吹っ飛ぶ二人
そしてそのまま殴り合いへと発展する。

(こいつ、操られているのか?強い)
女の攻撃を受けた刹那が立ち上がりながら女の状態を見る
まだ余裕だ、でも今はエルトリシアの方が優先だ
ここでこいつと遊んでいる時間はない
刹那は飛び掛かった女の額に手刀を当てた
気絶した女に刹那が封印のスキルを使用すると
女の髪の色が赤から青に変わる
「私は?」
意識をとり戻した女は刹那を見つめた
「お前が私を助けたのか」
女の名はレオナと言い、この場所に突然召喚された事
エルトリシアに敗れ操られていた事を話す
レオナと共にエルトリシアが消えた部屋に向かおうとした時
無数のマモノ達が部屋にぞろぞろ集まって来た
「我々は陛下に仕える精鋭だ、これ以上陛下の下へは行かせんぞ!」
レオナ、舞、ジーナ、ルコ、モニカの五人が刹那達の前に立つ
「刹那、ここは私達に任せてお前はエルトリシアを」
そう言われた刹那、ヒスイ、ネプテューヌ、コノエの四人が部屋へと入る。

「国生みの女王ヴィトーリア、その力!この手に!」
と言ったその時、刹那が投げた刃の欠けた短剣がエルトリシアに迫る
それを手にした武器で叩き落すエルトリシア
「もうハロウィンか?衣装のセンスがダサイな」
「貴様か、何故余の邪魔をする?余が闇の女王を倒さねばならんのだ!」
自分こそがこのロムレア王国の支配者だと言わんばかりの言葉
それを聞いていた刹那は呆れた顔で告げた
「お前が王?お前が行くのは玉座じゃない、ギロチン台だ」
「闇の女王によってアクティムがあのような姿にされたのだ!」
「闇の女王は倒す、だがその前にお前を倒す!」
「貴様ごときが余を倒すだと?笑わせるな!真の王は余だけだ!」

刹那達とエルトリシアの戦いが始まった。
エルトリシアの剣が刹那に襲い掛かる、それを紙一重でかわす刹那
「その攻撃はもう見切った、もう当たらない」
女神化したヒスイとネプテューヌが左右同時に仕掛けるが
それも効かない、それどころか二人同時に弾き飛ばすエルトリシア
コノエの銃も鞭で弾き落とす、刹那の拳も当たらない
「くそ、剣があれば」
そう思っていた刹那の脳裏に過ったのは。

それは刹那がまだ幼き頃
神薙流古武術を教えられていた時の事だった
「刹那、お前は剣を奪われた時、どうする?」
「そんなの決まってる、逃げる!」
と言うと中年の男の拳骨が刹那に当たる
「ばかもの!その場合は己の四肢を使うのだ!」
剣を使えないと戦えないじゃないかと言うが男は言う
「だからこそ、最後に頼れるのは己の肉体だけなのだ、刹那」

まさかこんな時に親父の言葉を思い出すとは
それもそうだろう、今の俺は丸腰だ
それでもまだこの体は動ける
刹那は思い出したように構えを取る
神薙流古武術の構えだった。

「何のつもりか分からんがそんな構えで余に勝てるか!」
次の瞬間、エルトリシアの腹に刹那の拳が炸裂する
神薙の拳を放つ刹那と一撃で意識を狩られるエルトリシア
地面に倒れたエルトリシアに手を向けて封印した。

エルトリシアを封印し部屋を出るとマモノ達は倒されていた
ジーナ達の他に京と庵の姿もあった
「あの人達が助けてくれたんです」
そして、ヴィトーリアから衝撃の言葉を告げられる
月の石はホラムシャハルにあると
刹那達は次の目的地を目指す前に一旦グリューネワースに戻った。


to be continued

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?