#76 サヨナラ「変な大人」Vol.4 変な大人、旅に出る。
石井さま
僕はね、「たたかい」に疲れたっていうのは本音ではありますね。
「変な大人」ではこれからもあり続けるけど、なんとなく、変な大人として今の窮屈な世の中で有意味な行為をするというのが、どうにも窮屈になっちゃった。
けど不思議なことに、これまではいろいろ「先」のことも考えて慎重だったのがわりと思い切って言えることも増えてきて(たとえば200万PVを記録した「おかあさん、90才まで生きましょう!!」http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakatoshihide/20150627-00047020/など)、ある意味楽になってます。
「弟子」もいないしね。逆に言うと、弟子にならないよう、なれないよう、その人のパーソナリティを活かした育成を考えてきて、
ほとんどは別々の生き方になり(僕から離れていって)、残っている数少ない人たちも超おもしろい個性で社会化し始め、こういう動きを見ていると、事実上の弟子はいないと思います。
そういうのも僕は好きなんだよなあ。
そして「変な大人」は内から切り崩していく。
デリダが「脱構築」を説明するときに、「マイノリティを象徴するワード」は常にマジョリティに呑み込まれており、その呑み込まれ方を説明することそのものがマジョリティ(多数派=差別する側)の矛盾をさらけ出す、と書いているのをいつも意識しています。
「変な大人」の苦悩を語ること、矛盾をさらけ出すことが、この世界のおかしさを証明することだっていつも意識してはいるんですが、ああ、石井さんに正直に書くと、いつも自分が隠していることが現れてしまいますね。★
田中
田中さん
今回の田中さんの話は難しいね。どこから書いていいかわからないや。
まあ、でも、「変な大人」はマジョリティーの壁に飲み込まれないようにしながらぶつかってったりして、「たたかい」をやってたんだ。
そして、そこには苦悩があったんだね。ほんとお疲れ様でした。
なんとなく、25年度に一緒になった内閣府の委員会での田中さんを思い出すよ。
「そうじゃなくて」という言葉で、常識化したものに対してぶつかっていってたよね。ぼくともぶつかったしね(笑)
後継者育成の田中さんのスタンスもわかった気がします。
そこで感じたのはさ、「変な大人」の遺伝子は誰もがDNAにセットされててさ、遺伝子スイッチが入っちゃった人と、入ってない人に分かれてるだけなんじゃないかなってこと。
そして、そのスイッチは田中さんを見てると段階的に押されていくみたいだね。田中さんが編集者を辞めてプラッツに入ったとき、病気をして倒れたとき、結婚とお子さんの誕生、Yahooプログの記事がブレイクしたときみたいに。
そして、田中さんはこれからたくさんの人の「変な大人」遺伝子のスイッチを入れる旅に出るんだろうな。
なんてことをまた、勝手に考えました。
いしい
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