#101 ロックとパンク・スピリットは継承していけるのか?

田中さん

校内居場所カフェのクリパ、お疲れ様でした!ぼくは計画的段取り力と瞬発力を要するリーダーシップが発揮できないタイプなのでイベントごとは超苦手です苦笑。

ラブ&ピースやレボリューションという概念は、若者たちにとっての永遠の理念で、その理念を自然体で享受できた我々はまったくついていました。

この田中さんらしい言葉に「そうそう」と共感しました。

この間読んだ音楽メディアの記事で、ロックバンドがフェスに呼ばれなくなっててセールスも落ちてるから「ロックは死んだ」みたいな論調があるけど、ヒップホップにもEDMにもロックの魂は宿ってる的なことが書いてあってさ。

ミクスチャーのレシピにロックがズドンと重心低く腰を据えてたりするとイマドキの音楽でも我々の腰も動いたりするわけじゃない?

そこの今と相通じるロック的なるものをどう支援者が宿しているかは、特にヤンチャなワイルド・ライフをサバイブしている子たちとの付き合いでは大事になるような気がしますね。

ここを感じる高校生の嗅覚は本当に研ぎ澄まされているど思います。でも、ここは後天的に習得し難い部分で、人材育成論的には早くも暗礁に乗り上げた感がありますね(汗)

いしい



石井さま 

僕は、ヤンチャなワイルドライフ10代というよりは、「リバーズエッジ 」(原作・岡崎京子、「高校生にとっての死」を鮮やかに描く))な10代と語り合うときに、我々の最大の武器と個性であるロックンロール+パンクスピリットが役に立つと自覚しています。

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特に、僕の目の前でリストカットする青年と、その傷を手当てしながら語り合った場面たちのなかで、僕のロックスピリットは最大の効果を発揮したのでした。

——クラッシュというパンクバンドがあってそのリーダーの死んでしまったジョーストラマーは、設営準備をしてくれるルーディーの若者の横に座り、同じ目線で語り合うんだよ。ぼそぼそと、生きることや死ぬことについてストラマーは語る。 君もいつかは君よりだいぶ年下の傷ついている若者たちに語ってほしい。そのために、今日のこの瞬間の気持ちをずっと記憶しよう。あるいは、クラッシュを今ここでいっしょに聞くか?

とか、その血だらけの手首を消毒しながら、僕は語りかけ続けたのでした。

僕の支援の一部は、そうしたトークの繰り返しです。

リバーズエッジする若者の横に座り、全力で自分の死生観や、ジョーストラマーやジョンレノンの歌詞や、サリンジャーの作品についてこれでもかと語り続ける。

そうして数ヶ月も繰り返していくと、徐々に青年たちの内面にロックの青い炎みたいなのが見え始め、実際にギターは持たないものの、自分の力でゆっくりと歩み始める。 こんな感じで変化していく若者の姿を見るのが僕は好きでした。

ロックとパンクは伝えることができると思うなあ。 

田中俊英

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