#14 トップの好みと、組織のあり方
石井さま
こんにちは、大阪は急に涼しくなっています。そちらはどう?
さて、前回までの熱い臨床心理士トークは少しお休みし、今回は僕から話題提供しますね。
それは「組織のリーダーとは?」という話題です。
僕は10年来のAppleマニアで、スティーブ・ジョブズが亡くなった時は、以前から覚悟していたとはいえ、それなりにショックでした。
ジョブズの後のCEOであるティム・クックは、ジョブズの後という最も難しいポジションにも関わらず、Appleの売り上げを伸ばし続けています。
が、最近、Appleは明らかに変わってきました。ジョブズ時代のような製品の絞り込みが緩み始め、広告もロマンティックな理念が増えてきました(「夢」等。ジョブズは革命とか孤独といった理念が好きでした)。
たぶんこれは、トップの好みや性格なんだと思います。
ジョブズは「革命」やイノベーションが好きで既存のシステムに挑戦し続けその結果MacやiPhoneやiPadが生まれた。
反対にティム・クックは夢や希望が好きでAppleに安定した製品供給システムや組織の宥和をもたらしている(ように見える)。
Appleの事例も踏まえつつもう少し一般化して僕が関心あるのは、「トップの好みや性格と他のスタッフの考え方が異なった時」や、「トップの好みや性格に他のスタッフがあまりに合わせすぎて他が見えなくなった時」です。
まあ、僕も石井さんも現在は小組織のプレイングマネージャーなので、上記はあまり関係ないかもしれませんが、お互い、これまではそこそこの組織に属したり見てきたりした身ですよね。
言いにくい話題かもしれないのでゴメンなさい。こんな話題に何かピンときます?
田中
田中さん
こっちも涼しいよ〜。
田中さんと僕の数少ない共通点のひとつにAppleユーザーである点がありましたね(笑)。まあ、田中さんほどのマニアじゃないので、ティム・クックに変わった変化なんて感じてないけど。
リーダー論かあ…。僕から見てて不思議だったのは田中さんも理事長を務めていた「淡路プラッツ」のことです。
知らない方に説明しておくと、創設者の方がお亡くなりになり、その後理事長がリレーのごとく代わり続け存続している団体です。
その理事長経験者がみんな僕の支援者仲間なんだけど、共通点があるようでない。現在の理事長である石田くんが以前「プラッツは保護者の方々のものなんです」という言葉が、僕にはとても印象的で、なんとなくリレー形式で成立しているプラッツを理解した瞬間でした。
このリーダー論は、「組織は誰のものか論」でもあるんじゃないかと思うんです。それは団体の成り立ちでも変わってくることだと思うけど、ご存知のように法人格というのは人格なわけです。
現在、僕はNPO法人を申請中なのでよくわかるんですが、NPO法人を立ち上げる際には総会という合意の儀式があり、事業計画で定めでいない事業をする時は理事会や総会等で合意形成する必要がある。
なので、資本金という出資も株主もいないNPO法人は本来的には「俺のものだ系理事長」は誕生せず、「みんなのものだ系理事長」しか生まれない。社会的活動ってそういうもんでしょ、という(押しつけの)設計になっていると思うんです。
ここを押さえつつリーダー論を展開してみたい気がします。
ジョブズは「俺のものだ系リーダー」だったけど、Appleを追い出されますよね。そして、Appleは俺のものだと再起を果たし、iMacでAppleを大成功へ導く。そしてみんなはAppleはジョブズのものという社会的合意形成がなされてしまった。
ここでティム・クックが「俺のものだ系リーダー」になれず、「みんなのものだ系リーダー」にならざるを得ない理由があるよね。
てことで、今回の議論の下地作りに終始して一旦お返ししますが、寄付文化のように日本に馴染んだようで馴染まない、NPO法人がどこかにずっと持つ座りの悪さや、矛盾のようなものが浮かび上がるのかもしれないですね。
写真は全然関係ないけど、古今ちゃんとこの箱庭セット。遊んでみたい!
石井
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