#21 ケースカンファレンスという名のイジメ

田中さん

僕は、ケースカンファレンス(以下カンファ)ってけっこう好きなんですよね。この業界のクリエイティビティって、ここにあるんじゃないのってくらいで。

田中さんとも一度、やってみたいな〜、どんなアイデアが出て来るのかワクワクする。 

横浜でやってる「ともえちゃん」という怪しい名前の会も、教育・福祉・雇用の三機関の現場が集まって架空のカンファをやって、状況や情報や情熱をシェアするという企画になってるんです。

でもカンファって、とてもクリエイティブになれる場と、ケース提供者へのイジメみたいな場になってしまうときがあって、けっこう後者の残念なカンファって多くないですか?

これは日々のミーティングの中でも起こりがちなことだけど、聴き取りが甘いとか、もっと深く付き合えとか、自分だけじゃなく関わる支援者を増やすべきだ…とか。

それはどうしてなんだろうと考えてみたんです。

これは若者支援業界の専門性の曖昧さ、或いは低さによるものなんじゃないかと思うんですよ。だからちょっと長くその団体にいるからだとか、何々という資格持ちだからだとか、いろいろな要因を寄せ集めて曖昧さの中で優位に立とうとしてしまう。

上意下達の上に立とうする者がいるとき、カンファや引き継ぎミーティングは残念なものになってしまう(僕らベテランはそこに細心の注意を払うべし!)。

成熟した組織では起こらないことだと思うけど、僕はその未成熟な大人のイジメみたいな状況が、日々現場には蔓延していて、新人君たちのストレスになってるんじゃないかと思うんですよね。

写真は昨夜福生から見えたスーパームーンと3機のUFO

                                 石井

石井さま

若者支援業界の専門性の曖昧さや低さに関して、僕も似たような思いがあります。

それに関して、僕のドーナツトークでは、最近、ケースカンファレンスの形式の統一というのに取り組んでいるんですね。

公的な機関を中心に民間も参加して、教育・福祉・雇用等のいろんな機関が集まるケースカンファレンスを定期的に開き、各機関が個人情報に配慮した資料を用意します。

その時、各機関が用意する資料の項目にだいぶ違いがあったりする。

履歴欄の大きさや、ジェノグラムやエゴグラムの配置、受けている支援の欄等、機関により様々です。

機関の規模によっては、課ごとに違う様式を使っているところもあるとか。

僕としては、①アセスメント、②目標(短期長期等)、③行動計画程度は共通したものにしたいと目論んでいます。

アセスメントから行動への流れは、まさに「戦略」そのものであり、情報の羅列や行き当たりばったりを避けるために、支援に関しても、そんな戦略的発想でいたいんですね。

こういうのに現場時代から慣れていると、その若手スタッフがマネジメントサイドに移った時に役立つと思うんだなあ。

また、こうした標準知を共有することで、特定の資格の優位性を防ぐこともできるのでは、と思います(それは医師法のトップである医師すらも含みます)。

逆に、医師法のように、医師をトップにした完全ヒエラルキーもありだとは思います。

医師法ヒエラルキーか、できるだけ民主的な組織のいずれかでなければ、なかなか組織は維持できないことが多く、その意味では現在の青少年支援組織はどっちつかずかもしれませんね。

この話題、また盛り上がりそう。

                                田中★

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