♯94 ひきこもり歴10年の最凶スタッフS氏42才と会計入力
石井さま
前回の石井さんのこの部分は印象的でした。
これって、フライパンのゆらゆらなんだよ。経営と現場が完全にセパレートっていうのはこげるんだね。NPOには向かないんだと思う。いっそ、営利組織に鞍替えして儲けに走るべきなんですよ。
これを読んだあと、仕事を終え、僕の趣味であるApple研究でもしようとこの記事(Appleの元エンジニアが語る:ティム・クックCEOがAppleを製品より組織重視のつまらない会社に変化させた)を読んだところ、こんな部分が出てきました。
1つの製品をどのようによくするか、ということについて、ジョブズは従業員に弁論させることが好きだったという。そしてジョブズはともかく聞くのが好きで、そしてその後決定を下していたのだという。【中略】Bryson Gardner氏はクックは比較的伝統的なCEOで、彼は従業員にお互いに弁論させることを聞くのが好きではなく、幹部会議を開いて共通認識を作り出すやり方で、彼らに弁論させてから決定を下すというやり方ではないという。
現CEOクックのほうが普通の経営者で、現場と経営、そして複数の現場もクロスさせていくジョブズのやり方のほうが珍しいとのこと。ジョブズ流は時にスタッフに過酷な仕事を求めるが(ブラックとすれすれ)、同時にそこにはイノベーションが生まれるみたいです。
石井さんが「営利組織への鞍替え」をすすめているのも、まあクック流普通の組織になったほうが楽だよ、と言っているのだと思います。僕もまったく同感で、そのほうがわかりやすいですね。
僕はブラックはいやですが、イノベーションはほしい。ドーナツトークもパノラマも、たぶんそのあたりは同じでしょう。
ドーナツトークには、ひきこもり歴10年の最凶スタッフS氏42才というオジサンがいるのですが、彼の役割のひとつに、ドーナツの会計ソフト(freeeってやつ)にデータ入力するというめちゃくちゃややこしい仕事があります。パソコン嫌いですがかなりの強迫凸凹な彼は、日々うめきながらもその仕事をこなしていますが、強迫凸凹のおかげで仕事は堅い。堅実なんですね。
S氏は会計データをすべて握っているので、まさにスタッフに丸見えですが、あんなややこしいことを彼がやってくれているので僕も他のスタッフも感謝しています。
イノベーションがそこに起こっているかどうかは不明です〜。🌈
田中
ソーシャルセクターで一番省いちゃいけないのはコミュニケーション・コスト
田中さん
こんにちは。ぼくはパノラマとシェアコロが入るシェアオフィス@関内で桜を眺めながらこれを書いています。ああ、花見がしたい!
ジョブズとクックのエピソードは、コミュニケーションをコスト(負担)と捉えるか、投資と捉えるかということの違いとしてぼくは受け止めました。
ジョブズは投資として捉えイノベーションを加速させ、クックはコストとして捉え無駄を省き、Appleから面白みを奪った。クックの気持ちもさ、ここ数年一人で仕事してきたからよくわかるんだよ(って俺は何様だw)。
コミュニケーションって面倒臭いよ。調整したり確認してもらっりしないで、そのまま出したいし、しなきゃいけないならその工程はできるだけ少なくしたいよ。それが一番楽チンだからね、この「無風状態」みたいにさ。
現にパノラマの定款は意思決定に時間のかからない理事会優位なものにしてあるよ。でもさ、意思決定に至るプロセスの部分の日常的な会話の積み重ねはさ、やっぱり大事なんだよ、非日常の会議の場じゃなくてね。
ジョブズに「君はどう思う?」って聞かれた従業員は幸せだよね。ジョブズに人間的関心を持たれたんだから。ここの関心の持たれようと、ミッション共有ってところがソーシャルセクターにとってはポイントだよね。
でも、代表たちはどれくらいスタッフとのコミュニケーションを取っているんだろう? もっと言うと、代表はスタッフと会いたいと思っているのかな? スタッフは代表とサシ飲みしたいとか思っているのかな?
田中さんが#91で書いた1.代表の顔が見えない。2. 代表の顔が見えても、代表と現場が完全に乖離している。なんて状態は、完全にクック型だよね。理念を壁に貼っておしまい。ミッションなんてあってないようなもので、みんな趣味的に仕事をしだす。
だったらわかりやすく売り上げを追い求めればいいし、それに見合った給料を払った方がいい。そういうことなんです。
石井
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