#34「大学自体を、いかに『社会』と結びついた『プレ社会』システムに変更するか」

田中さん

タイトルの、前回田中さんが最後に書いたこの部分は、来春から大学に行く息子を持つ僕は、お父さん的立場でも、是非、そのような形でよろしくお願い致します、と思いました。

この間、『LOCAL GOOD YOKOHAMA』という横浜のソーシャル・アクションをまとめたサイトのイベントで、横浜商科大学の田尻先生が、こんなようなエピソードを話していました。 

「高卒で土方になるのは嫌だから大学に行くことにしたという学生がいました。土方と大学が同時語られる時代になったんです」と。僕はこの感じ、すごくすっと落ちました。

学生たちの世界感では、大学が完全にキャリアラダー(キャリアアップのために登らなければならないはしご)に組み込まれていて、そのはしごを登らないことは土方になることを意味しているのかと。

でも、そういう超デフォルメした価値観の天秤にかけて「大学」が重かったからはしごを登った学生たちが、その後大学で何かを見つけることができるんだろうか?と思うわけです。 

この時に「なんにも考えていないバカな学生」と、責任を学生に押し付けてしまうことを、僕は大学が社会的責任を果たしていないんじゃないかと指摘したいんですよね。

だって、そのはしごをかけたのって僕ら大人だし、「どうぞこちらのはしごが登りやすくなってますんで、こちらのはしごをお登り下さい」って大学は言ってるわけなんだからさ。 

でもって、そのはしごにくっ付けて欲しい機能がまさに、田中さんが言ってる『プレ社会』だなって共感しているんです。田中さんが考える『プレ社会』ってどんなイメージですか? 

                              石井 正宏

 ※「大学のプレ社会化」というより「専門学校の現実適応化」か?

石井さま

僕はね、大学と「土方(建築現場業)」があっさり同列に並べて語られることに、現代日本のキャリア教育のひ弱さがあると思うんです。

だって、建設現場の仕事は超専門職だし、いまの大学はよほどの理系でない限り超一般コースだから。

建築現場業のほうが実は「専門的」で、現場で実用的なキャリア教育がOJTで行なわれている。 

でも大学は、特に経済学部のような「究極の一般コース」は、タテマエとしては経済理論を教えながらも(学ぶふりをしながらも)何も伝えてないし学んでない。

今の大学は、中流社会時代の名残を受けて、「コミュニケーションの練習場」としての要素がまだまだ多いのでは、と思うんですね。

僕が思う「プレ社会」とは、コミュニケーションの練習場としてのプレ社会ではなく、まさに「社会に入って役立つ実践的な知識習得の場」です。

つまりは、「現実に役立つ職業訓練校」ですね。デザイナーとかDTPとかよくわかりませんがその技術だけでは社会には定着しにくい仕事の一分野ではなく、社会人基礎マナー(挨拶・メモ・スケジューリング・ホウレンソウ)に現代日本の7割以上を占める「サービス業」のスキルを加えた、社会ですぐに役立つ知識と技術を学ぶ場です。

サービス業にしたって、かっこいいカタカナ言葉のものではなく、求人の多くを占める接客業のスキルです。

ドーナツトークでは、だから「カフェ」業務を前面に出していきたいと思ってます(「となりカフェ」等のブランディングをすべて手がける共同代表の辻田の考えは別だと思いますが)。

というわけで、「大学のブレ社会化」というよりは、「専門学校の現実適応化」というほうが近いかも。めんどくさいので、このふたつが一緒になった新しい教育施設を誰か(というかどこかの学校法人が)つくってほしいですね!!★

                              田中 俊英

微妙におしゃれなaimaカフェ

田中と石井の「無風トーク」開催します!

日 時:平成26年11月14日(金)18:00〜20:00
開 場:17:30
定 員:15名
参加費:1,000円ワンドリンク付き
出 演:田中英俊(一般社団法人Officeドーナツトーク)
      石井正宏(株式会社シェアするココロ)
申込み:こちらのfacebookイベントページ
※残席あと5名になっていますので、ご予約はお早めに!



  

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