#38 若者支援業界を生き抜く支援者のキャリア形成プラン Vol.02

田中さん

未来に向かって話を広げて欲しかったんだけど、見事に①単年度事業、②無難な人材、③ミッションなしという三重苦で閉じてくれましたね。

そうなんだよなあ…、ぼくも田中さんも単年度契約で雇用されたことないよなあと。ここが世代の分かれ目かなぁ、と。でもどうすんだよこの続き?と編集担当のぼくは思いました。

でも、これが田中さんの味わいなので、ぼくはそれを楽しみます。

僕は田中さんの返事を読んだとき、支援者を育てるのは団体だけじゃなく、小さな政府とか言うんだったら、もっと行政が支援者を育てるという意識を持たないとダメじゃん、資格の利権とか抜きにしてさ、と思いました。

僕なりにそういう直球の思いはありつつ、それを封印して、今を生きる若手支援者が三重苦の中で、どうやって「若者支援業界を生き抜く支援者のキャリア形成プラン」を考えてみたいと思います。

今、この子ども若者支援業界で何かしようと思ったら、単純に以下の形が考えられると思います。

① いきなりベンチャー② しぶとく現場スタッフ③ 現場経験をステップに独立起業

ぼくは、この業界が成熟し、本当の意味で社会に貢献できるセクターになるには、③が自然に生まれる業界の健全さや、委託の複数年度契約が必要だと思いますし、当たり前に②の現場の人たちがマネージャー層と同じように生きられる業界にしていくことが理想だと考えています。

しかし、それが非現実なキャリアパスになっている中で、田中さんが「ベンチャー系」と言っているような叩き上げではなく、いきなり大学在学中か卒業してすぐにという形の起業が出てきているように思います。

僕は彼らを否定する立場ではないのですが、長くやって来た中で自分自身が支援者として危うい季節だと自覚する時期に起業して、クライエントの人生の大切な時期に関わることのリスクは感じずにはいられないというのが率直な感想です。

結局、人材を育成する能力をNPO法人が失っている中で起きているんだと思います。でも、そこに今いる支援者はどうやってここを生き抜いていくのか?僕らがどこまで今の若いスタッフのことを自分ごととして考えられるか?

実はかなりチャレンジグな企画だったりするんですよ、これは。てことで、まだまだ若い支援者のためになる話が全然出ていないのが恐縮ですが、次は頼むぜ田中さん。

写真は某居場所の一コマ。居場所の定番アイテム「ジェンガ」を脅かすニューカマー、名前は忘れた。

                                 石井

「事業マネージャー」研修はラディカルに、「現場プレーヤー」研修はオーソドックスに

石井さま

クラくてすみません〜

まあ、前回書いたことは戦略立案プロセスでいうと「現状分析」だとして、今回は「目標」を書いていかないとますますクラくなりますねぇ。

でもちょっとだけ付け加えると、現状は、大学(院含む)出たばかりの人が起業しているとして、その人の人生経験と学問射程からしかビジョンとミッションと戦略は生まれてこないはずなので、若い人たちが思いつくジャンル、つまりは「そこそこの教育改革フレーバーが入ったそこそこの事業プラン」になっているんだと思います。

つまりは、人生経験が少ないうちに「社会貢献系の法人で起業」してしまうと、その人が接してきた社会問題はだいたいは「教育(あるいは学校問題)」になるため、そうした戦後日本の教育問題の射程の中から発想できるアイデアになるんですね。

これはおもしろくない。

僕としては、子ども若者支援者を育成していくのであれば、普通の人達が通過してきた「学校」を誰もが考えるような案で改革する(フリースクールとかキャンプとか)とかではなくて、もっと思い切ったアイデアを出してほしいと思いますね。

まずは、そんなアイデア出しの研修がおもしろいと思います。

それはいわば「事業」を考えることなので、「事業マネジメント研修」につながってきますよね。

ITを利用したせこいアイデアとかではなく、せっかく社会体験がない(そして豊富な知識のある)若い人なんだから、そんなフレッシュなアイデアを聞いてみたい。

もうひとつ、「現場プレーヤー」研修に関しては、王道の「アセスメント(シート記入含む)→目標(長期・短期)→具体的プラン」というケースカンファレンスを合宿形式でやってみたいという気持ちも僕はあります(ドーナツトークでは合宿ではないですがやってます)。

①「事業マネージャー」研修はラディカルに、②「現場プレーヤー」研修はオーソドックスに、を合言葉にしたいですね〜★

                                 田中  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?