#1 他者の世界へのスタート地点となる。

田中さん、こんにちは。いきなりマニアックな話題だけど、よろしくお願いします。

田中さんは、緘黙(かんもく)または、場面緘黙の方の相談や支援をしたことがありますか? 

僕は何度かあるんですけど、そのどれもが上手く関係が築くことができませんでした(´・ω・`)。 

特定のスタッフとなら話せるなんてことがよくあるんだけど、僕はその特定のスタッフにどうしてもなれないんですよ…。

何か特定のスタッフになるコツのようなものがあれば教えて下さい。

                                石井 

石井さん、こんにちは。

う〜ん、僕もきちんとした緘黙の方は1人しかかかわったことがないので偉そうには言えないんですが、中3男子との1年間のかかわりは思い出深いものでした。僕がいろいろ話すると、その男子は、声を出さずに爆笑しながら(絶妙な感じなんです)、ひたすらうなづいたり首を振ったりして意思は表明する。

家族内では普通に喋れてるけど、第三者にはどうしても『発声』できない。僕も最初からきちんと発声を目標にしてればよかったものの、そうしたことの専門家ではないので、わかりませんでした。

僕が心がけたのは、『僕は第三者のスタート地点であって、緘黙治療(あるいは発声への訓練)は僕のあとの専門家にリレーすればよい』ということでした。

僕はあくまでも、他者の世界へのスタート地点で、他者は君が思っているほど怖くない人もいるよ、ということでした。

緘黙にしろなんにしろ、僕はいまだによくわからないことが多い。だからそうした治療・訓練は医師ほかにお願いするとして、彼女ら彼らが抱く人間不信的なものを溶かす最初の第三者ではあろうということです。

石井さんなら、楽器使って、AKBでも歌ってあげればいいんじゃないかなあ。僕はもっぱらアニメというツールで『他者への扉』を開けています。変な言い方ですが、僕らは支援のドアーズかもね。

                                田中

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