#6 「変な大人」は、まともな大人からは理解されない

 石井さま

こんにちは、大阪は梅雨が開けたというのにものすごく蒸し暑く、なんか毎日やる気が出ません。

正直言って、仕事モードになるのがものすごくめんどくさい日々です。はあ、ハワイでヨーグルトとバナナとステーキとアイスとパンケーキ食べたい〜。

今回も石井さんから「変な大人」について書いてとメールにあったので続けると、規範からズレた変な大人は、同じく不本意にも規範(たとえば「仕事をしなければいけない」「学校に行かなければいけない」)からズレた不登校やひきこもりの青少年と妙に気が合います。

いままで書いたように、高校時代を原点として変な大人と化した僕は、大人になってもその変な大人度は弱まることなく逆に強化されています。

それが幸いにも、規範からズレた若者たちを癒やすことになり、一時的に癒やされた若者はそこで一休みし、数年後また元の規範社会に戻っていきます。これが僕の行なう支援の根源的理屈です。

それが今も昔もなんですが、いろんな事情で仕事以外にも僕自身を隠すことなく引きずっていた場合、油断すると、僕は、普通の大人とものすごく対立することがあります。

それはだいたい今日みたいな蒸し暑い日で、僕が一般社会内での我慢がめんどくさいと思ってしまう日に、普通の大人に僕の変な大人ぶりを見せてしまい、対立したことがありました。

僕の変さ、無責任さ(普通の大人から見て)がどうやら我慢できないらしいのです。だから今日などは気をつけているのですが、石井さんはこんなことで我慢していることってあります? 

                                 田中

田中さん

せっかく僕がこの話の前振りになるような文章を書いたのにスルーしましたね? まあ、それもこれも「暑さのせい」です。 

僕はケンカっぱやいので、我慢できずにいろんなところでトラブルを起こしていました。ケンカッぱやいといっても、手が出るのではなく口が出ちゃうのですが、その度に「もっと大人になれよ〜(マジ頼むから)」みたいなことを言われてました。

でも、大人になっちゃったんですね、僕は。守るものが増えちゃったってこと。だから僕は今、相当まともですよ、たぶん。

変に生きてきた人の、ストライクゾーンからはみ出た幅ってのは、その人の人生の航跡に残ってて、それが人間的魅力になっていることが多いと思うんです。

「変な大人」ってかっこ良く言うと「アウトロー」でしょ?アウトローの魅力って強さや逞しさだけじゃなく、優しさや厳しさや弱さみたいなのもあって。それって支援者の絶対的要素だと思うんですよね。

就労支援って、結局のところ社会規範にどうハメていくかってことですよね。これを幅のない「まともな大人」がやると、その痛みがわからないから、若者はけっこうキツい。まあ、僕が若者から聞くハローワークの苦情は、ほぼこれです(苦笑)。

今、NPO法人育て上げネットの工藤理事長が読売オンラインで連載しているよね、「『働きたい』に寄り添う」。知った仲間の知らなかったことが読めるので面白く読んでいますが、あれなんかを読めばみんな変な人たちなんです。

変な大人たちが、若者たちの社会の溜めになって、きっとそこで一度許されているんだって実感しています。その「許され経験」がないと、次に進めないわけだけど、「まともな大人」からこのことが理解されにくい。だからぶつかる。なんか整理がついたような気がします。

では、暑さにもほどよくめげて、無理せずに夏を乗り切って下さい。暑中お見舞い申し上げます。

これは昨日の早朝見かけた蝉の羽化シーンです。あの白いのがへその緒でしょうか?

                                石井


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