#37 若者支援業界を生き抜く支援者のキャリア形成プラン

田中さん

こんにちは。ちょっとこんなことを思ったんです。

ぼくとか田中さんとか、全国からお呼びがかかって、講演とか行くじゃないですか。自分の法人も持ってて、行政の方なんかとも付き合いがあってさ。

お陰様な方々がいつつも、でもどうやって、ぼくらはこういう風になれたんだろう?

素朴にそう思うわけです。そして、そう素朴にぼくらのことを見てくれている若手と呼ばれてる人々や、おぼろげに独立を考えている中堅支援者の人たちに、僕らなりの貢献のカタチとして何か伝えられることがあるんじゃないかと思い立ちました。

例えば、ぼくらはお互い未経験でこの業界に入って来て、素人だったわけじゃない?

どうやって技術を身につけてプロになったのか、そのときのコツとか師匠とかぶつかり合いとか苦悩みたいものを振返りながら、今の人たちにヒントみたいなものになったらいいなと思ってます。

ぼくの周りにも、田中さんの周りにも辞めてった仲間もいっぱいいるわけじゃない。

ぼくは若い支援者に囲まれながら、ふと、彼らとぼくらは何が違ったのかな、この人もいなくなっちゃうのかな?なんてことを思うんですよ。

今回ぼくからは、何も提示せずに田中さんに一回この企画提案に対するリアクションを求めてみて、方向性を固めてみたいと思ってます。

ってことでどうかな?田中さん的に思う所を教えて下さい。

                                石井

①単年度事業、②無難な人材、③ミッションなしという三重苦

石井さま

子ども若者支援事業は、委託事業の場合、たいていは単年度事業が多いため、どうしても1年の契約社員ということで働くことになりますよね。

そうすると、5年先、7年先を見据えた社員教育がしにくくなり、どうしても目の前に現れているクライエントさんに対してその契約社員スタッフにどう動いてもらうか、ということを考えてしまいます。

要するに「ミスのない」動きや「無難な」動きを求めることになり、ある種の「賭け」的な、クライエントと支援者の間で起こる「マジック」が生まれないような無難な動きを求めることになる。

また、こうした「マジック」を生み出すためには、スタッフ側にもそれなりの素養と才能(あえてこの言葉を使います)が必要なわけで、ひとことでいうと「まあ失敗するかもしれないけど、君(新人スタッフ)だったらチャレンジしてみれば? 失敗は上司である僕がフォローするよ」と言いにくいんですね、今の状況では。

つまりは、子ども若者支援業界は、

①単年度雇用事業ばかり②そのために無難な人材を集めてしまう

という現状なんですよね。

これに加えて、③雇用する側が、自分たちのミッションをないがしろにして(あるいはミッションを軽視して)、とにかく「使いやすい人材」「おとなしい人材」を選ぶという状況もあるでしょう。

こうした現状を踏まえた上で、 我々はいかに「若者支援業界を生き抜く支援者のキャリア形成プラン」をつくることができるのか、そんなことをよく考えます。★

                                 田中

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