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未だに「かき出す中絶」が行われている日本の謎:私の搔爬体験

これは2019年に書かれた記事ですが、自分の体験と合わせてシェアしたいと思います。

私は、2017年に稽留流産を経験しました。
けいりゅう流産とは妊娠状態が自然に終わったものの、出血せずに子宮内に赤ちゃんが留まっている状態です。
そのままにしていると激しい腹痛に見舞われるとのことで、それを取り出す手術が必要でした。

その時に行われたのが、この「搔爬術」。
金属製の器具を子宮に入れて赤ちゃんの卵を掻き出す、というもの。考えただけで痛そうですが、本当に痛かったです!!

日本では、2015年にようやく手動真空吸引法のキットが認可された。しかし全ての施設で導入されているわけではない。「慣れた掻爬法で問題ない」と考えている医師もいるだろう。そして、海外では約30年前から存在し、掻爬法よりも安全であると推奨される経口中絶薬は認可されていない。これは、先進国として極めて異様な状況ではないだろうか。

世界中で経口中絶薬が主流になってきていると知って、あの痛みと苦痛はなんだったんだ、と切ない気持ちになりました。

(自らの意思で中絶を希望する場合を想定して、「懲罰的」なこの手術法が採用されてきた、と記載された記事も目にしたことがあります。妊娠して中絶するのに懲罰!?女性は一人で妊娠するの?相手のサポートがないから中絶せざるを得ないのに。懲罰を与えるなら相手に与えるべきじゃん?)

批判したい気持ちが膨れ上がってきますが、とにかく本当に痛かったので、体験談を載せておきますね。。(あの時も、いろんな方の体験ブログとかを見て元気付けられた覚えがあるので・・)

・5週目:妊娠検査薬で陽性に(めっちゃ嬉しくて、すぐに本屋さんで妊婦向けの雑誌を購入)
・6週目:産婦人科へ行き、妊娠を認められる。でも心拍が確認できないからまた来週来てくださいとのこと。(この時点では流産かも、の見方はなくまだまだ嬉しい気持ち)
・7週目:やはり心拍が確認できない。もしかしたら流産かもしれない。もう1週間待って、診察してから今後を決めましょうとのこと。(その場で自然と涙が。この時が一番辛かったです。会計待ちの間も涙が止まらず、夫を呼びつけました。)
・8週目:流産確定。取り出す手術が必要になるので、日取りを決める。(先週から1週間経って、気持ちは落ち着いていたし、覚悟もできていたので、もう涙は出ませんでした)

ここから下は手術の記録(記憶?)です。

・診察してもらったのが月曜日。手術は木曜日に、と提案されたものの、それなら今日か明日にでもやって欲しい、と頼むと翌日に手配してくれました。
・朝いちで診察してもらっていたので、翌日の手術に必要なレントゲンとか採血とか、そのまま案内されるままに病院中を回って、検査検査でした。(大きな総合病院なので全てその病院で済ませられました)
・翌日、ご飯を抜いた状態で病院へ。1日入院になるとのことで、水分補給のためにペットボトル。寝たまま飲めるようにストローも。
・子宮口を広げるために器具を挿入され、2時間くらい、用意されたベッドに寝ていました。産婦人科の病棟だったので、産まれた赤ちゃんの声も聞こえてきました。
・手術の準備ができたので、ベッドに乗せられて手術室へ移動。
・全身麻酔。効きが悪かったようで、何度か追加されました。
・痛みで目が覚める。「It hurts! It hurts!」となぜか英語で叫ぶ自分の声にハッとしました。恥ずかし!と思って慌てて日本語に切り替えた覚えがあります。笑
・一応手術終わり、となったものの、とにかく痛くてしんどかったです。夫が付き添っていてくれましたが、泣き虫なので、痛がる私を見てボロボロ泣いていました。
・夕方、痛みも引き、退院。夫は仕事へ。私は自分でお雑炊を作って食べました。

その時窓口で支払ったのは2万円くらいでした。

そしてここから第2弾(?)が始まります。

・火曜日に手術を終えたのですが、土曜日から痛みがまた増してきました。
病院に電話をして相談してみましたが、処方した痛み止めで様子を見てください、という回答。
・土曜日はとりあえず、まぁ動けないこともないか・・と過ごしたものの、日曜日、また痛みで目が覚める。
・ずーっと唸っていないと耐えられない痛み。生理痛のめっちゃひどいやつ、という感じです。3時間くらいうずくまり、痛みを我慢しすぎて吐きそうなほど。夫は必死で腰をさすってくれました。
・あまりに酷いので再び病院へ電話。明日まで待てないようなら来てください、とのこと。徒歩3分の距離をタクシーに乗りました。
・エコー検査をしたら、手術で取り除き切れなかったものが残っているとのこと。それが排出されずに痛みが出ていたようです。
・さらに即席で「搔爬術」。今度は麻酔もしてもらえず、もうずっと痛くて、叫び続けていました。。今思い出しても吐きそうです。
・終わって、簡易ベッドで休んでから歩いて帰宅。その後の記憶はありません。。


長くなりましたが、これが私の「搔爬」経験です。

でもこの経験、実はいらないものだったんや、と最初の記事を読んで愕然です。

本当ーーに辛かったです。この話をしたら、夫は思い出してまた号泣。パートナーにとっても、辛い経験になるんですよね。。

ちなみにこの手術から3ヶ月後に無事妊娠。もうすぐ3歳になる息子も元気いっぱいです。

どうして経口中絶薬が認可されないのか・・。何かと遅れる日本、素早く世界の変化、進化についていってくれることを願います。


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