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跳ねる跳ねないについて語ります〜その6〜


さて、ではジャズはどうか。
跳ねる跳ねないについて語っていますが、ジャズはどうなのか。

その答えは、
「跳ねるジャズもあるし、跳ねないジャズもある」
と言うのが最も正しくて、最もつまらない答えかもしれない。

僕はここに関しておよそ20年間考え続けて来ました。30年間かなあ。
ジャズがやりたくて新潟市のドリーム音楽院に入って石山経麻朗先生のレッスンを受けはじめた頃。あーじゃあ27、8年前だなあ。

その頃僕はジャズと言う音楽は跳ねるもんだと思い込んでいました。
ハイハットはチーッチッキチーッチッキ鳴ってて、ベースが4分音符でブンブン言ってるところに合わせて、じゃあこう弾きゃあいいんだろう?って言うピョンコピョンコしたアドリブを弾くもんだとばっかり思っていました。そのピョンコピョンコしたアドリブすら出来ない時期がしばらく続きます。

実際に耳にするジャズも跳ねていました。バックトゥーザフューチャーのパーティーバンドが「ナイトトレイン」を演奏するシーンがあります。サビっつうか有名なリフに、
ペッペペーレ
ペッペペーレ
ペッペペーレ
ペッペペーレ
ってのがありますが、このフレーズはくっきり跳ねてます。

で、ある時言われた先生の一言に20歳そこそこの僕は混乱しました。

「ジャズは基本、跳ねない」

と、言われて混乱したまま答えを探し求め、こうかもしれない。いや、きっとこうだ。と逡巡し続けた20数年間でした。惜しくも2018年の暮れに先生は闘病の末、還らぬ人となりました。

目を閉じて、思い出します。経麻朗先生の
「ジャズは基本、跳ねない」
と言った時の表情は忘れられません。僕の繰り出すフレーズがよっぽどピョンコピョンコ跳ねていたのかもしれません。

その答えは
「ジャズは基本、跳ねない」

また明日。


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