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季節を折る

生来、外で活動的に遊ぶタイプでもなく
一時期スタンディングライブに熱狂して
数年間全国を回りまくったのも既に20年前。

東京から親の住む地域に移り
都心では当たり前だった満員電車もなく
そこそこ働けるようになり
コロナ禍で一気に
人混み嫌いにも加速がついてしまった
そんな50歳の春。

いや正しくは春は4月下旬まで
この土地ではもはやGWは夏であり
紫外線以前に日差しがまず肌と目に痛い

なので今年のGWも
部屋の片付け&衣替えでほぼ終了である

犬を飼っていた頃は毎朝毎晩
地面温度差を気にしつつ散歩だけは
欠かさなかったものの
その愛犬も虹の橋へ渡り7年

仕事のある平日は
朝5時起きで夜11時就寝を保っていると
また動物を飼う勇気もなかなか難しい

40代は病気と怪我ばかり
入院手術リハビリでお腹いっぱいだったし
そろそろ何かメリハリをつけないとなぁ
などと思いながら
部屋を片付けていたら
2つパックの折り紙が出てきた。

ひとつは大好きなパウル・クレー
もうひとつは
特に愛着を持つほどでは無いが(失礼)
尊敬しているカンディンスキー
1パックにそれぞれ4種類

ふと先日インスタで友達の愛猫が
立派な織りの兜と和風のボウタイを着けて、空に揺れる鯉のぼりを背景に
公園のクローバーの上を凛々しくも愛らしく闊歩する姿を思い出した。
うちの愛犬はどこからどう見ても童顔の洋犬だったので、兜を被せた記憶は無い。
(夏に着せた甚平すら渋いアロハ風になっていた)

そうだ、折ってみようか、兜。

折り紙自体、触れるのも久々であるが
やはり正方形の紙を折るのは気持ちがいい

端をぴっしり合わせて指で押さえ
鍬形は左右均等の高さで、先まで少しも曲がらぬよう、なるべく迷いなく一息でスピーディに折る。

大学や仕事に通う傍ら、どうしても通いたくて
20代前半は夜学でデザインスクールに通っていた時期がある。ごくごく基礎部分しか教わらなかったが、なんだかんだ転職を繰り返してもいまだに役立っている


その時の講師から
手で造る真っ直ぐな線を造るコツは
練習、集中力、スピードだと言われたのを思い出しつつ
4つの小さな兜が出来た。

うんうん
カンディンスキーの絵柄だから
それだけで十分に華やかだ。

そんな自己満足の5月5日。
おやつは柏餅(味噌あん)です
(この地方には売っていないので冷凍で我慢)

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