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自由律俳句

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日常や感情を切り取ったものです。言葉の奥の世界を探ってくれると嬉しいです。自由律俳句と呼べないものも混ざっているかもしれませんが、そこは見逃してください。
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記事一覧

自由律俳句 27

ビニール傘だから見えてた 水溜まりと軽やかなステップ 大丈夫、これは外側の水滴

ikuRaH
3年前
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自由律俳句 26

期待していた通知じゃなかった 潜水艦でzoomしてんのか 松坂”うし”を毎回強調する

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 25

倒れている自転車を起こすには多い人だかり ブランコをちゃんと止めてから行く子だった 混ぜ…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 24

匿名希望の短冊だ 子供が大きく「世界平和」を書いている 願いを抱えた笹がうな垂れている

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 23

不細工な料理は母が食べてる 視界の端にいた美女にいつの間にかピントが合っている 「じゃっ…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 22

同じ立て看板3つ並べて伝わる熱意 窓に温かい息を吹きかけるのだけしておく 前の人も窓に頭…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 21

延長コードで区切られた部屋 最新刊のせいで思い出の本は奥底に プロペラでほこりかき回す扇風機

自由律俳句 にじゅう

足が届かずつま先を地面に向けている 骨より細い腕 飛沫防止用のビニールシートが当たりそう…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 十九

あと三歩で靴紐がほどける ヘリポートのHだったのに レジの短い時間じゃ見きれない、使える…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 十八

最上階は多分間取りが違う 朝起きて窓を開けると洗濯物 子供が蜜を吸ってったみたい

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 じゅうなな

机のない教室はやけに狭い 隣の顔を隠さないように小さくピースする 与えられた仕事をしてい…

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 じゅうろく

疲れた目をタクシーが過ぎる 植木鉢の土が丸見え 腰をすべらして席をずれるタイプ

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 十五

押入れの汚れで使い込んだ感 自由落下もフォーク 西日のおかげで言い訳できた

ikuRaH
4年前
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自由律俳句 じゅうよん

本は日に焼けて私は真っ白 この曲のオルゴール版、どこで 駅着くちょっと手前で話が終わって無言