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訪ね人

大学生の頃の夢?

夏の夜、実家の庭先にキャンプ用の椅子を出して星を眺めていた。
空気は湿っているものの風は冷たくて、虫が鳴いているのが心地よかった。
秋がもうすぐそこまで来ているようだ。

星を眺めながら空想にふけっているいると、ふいに男の声がした。
門の前に誰かがいる気がする。こんな夜中に?

聞き耳を立ててみると、どうやら一人しかいないようだ。
夜中に独り言を言いながら人の家の前を歩いている男は危険だ。
私は椅子から飛び起きる。

虫の声がやんだ。

男の声は徐々に近づいて、門の陰から現れようとしている。
月に照らされて男の姿が少し見えた。
大きな黒い布を被った黒い影のようなものだ。

私は椅子をそのままに家へ飛び込んだ。
家族も寝ていることを確認して布団に入り、足さえ出さないように潜りこんだ。

男の声は近づいてきている。
家の中に入ってきている。

あれ?鍵は閉めたはずだ。

このとき、私は「死神が来た。」と思っていた。
声はそのまま近づいて、私の枕もとで止まった。

その間にも声をかけ続けている。

私はこのまま寝たふりをしてやり過ごそうと考えていた。
夢はここで覚めた。

この夢をさっき書き出している時に、この男は死神じゃなかったんじゃないかと考え始めた。

勝手に入るのはどうかと思うけど何かどうしても言いたいことがある人だったんだから無下に怖がらず話を聞いても良かった気がする。
なのでまだ話すことがあったなら今度はちゃんと聞くのでこれを読んでいたら訪ねてきてほしい。


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