高齢者はどのぐらい運動をすればいいのか?

 最近、利用者さまや職員さんから「この人はどれくらい運動をしたらいいですか?」と聞かれることが多くなり、自主トレーニングや職員による機能訓練の提供方法を考えることが多くなりました。

 私の業務に他施設で集団体操を週1回行うことがあるのですが、これも30分くらいで足りているのかなと疑問に思っていました。

 本日は、原点に返って高齢者に対する運動の頻度と時間について考えたいと思います。

 参考書籍は、高齢者の運動療法を学ぶ上での教科書といっても過言ではない京都大学の教授、市橋則明先生の著書「高齢者の機能障害に対する運動療法」にて学習させていただきましたので一部自分用にまとめておきたいと思います。


高齢者への運動することの意味

 そもそも高齢者の筋力低下は
  ・加齢に伴う退行性変化
  ・運動量減少に伴う廃用性変化
 の2つの原因により生じると言われています。

 上記の2つが複雑に絡み合う為、高齢者の筋力低下は個人差が激しく、90歳でもぴんぴんしている方もいれば、70代でよぼよぼになってしまう方もいます。

 加齢そのものは止めることができませんが、PTやOTのかかわりが盛んになっている介護予防教室を通して運動量の確保はできそうですね。

 介入できないところを明らかにして、できることをやっていく。これが基本的な考え方になりそうです。

高齢者の運動の頻度と時間

 文部科学省の体力・運動能力調査の結果、運動頻度が高いほど新体力テストの点数が高い傾向にあるということがわかりました。

 また、同調査結果において、新体力テストの点数が
  運動をしない~月1~3回程度の群 < 週1~2回以上行っている群
    運動時間30分未満の群    <  運動時間30分以上の群
で高くなることが示されました。

 この結果から、少なくとも「週に1回、30分以上の運動」をするのが体力の維持にはよさそうですね。

まとめ

 現状、私は高齢者施設で週1回、30分の集団体操を提供していますが、最低限の運動を確保する時間を作れているのかなと、この調査を見て思いました。

 しかし、運動内容の検討や、最新の情報などまだまだ調べることは満載です。

 この書籍は10年前のものになり、ここに掲載されている情報はもう少し古いものになるとおもいます。より最新の情報ではどうなっているのか、今後は調べていきたいですね。

 論文や書籍の読み方も少しずつ変わり、
「この調査の対象となった方たちに対してはこういうことが言える」
ような見方ができるようになってきました。批判的吟味を少しはできているのだろうか、、、

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