【フィギュア】世界選手権 女子FS

激闘から一夜明けて、見ていただけの私も非常に疲れて呆けてしまっている。色々ありすぎて、処理が追いついていない状態だ。平凡な演技など全くなかった。

ザギトワは屈しなかった

ザギトワ選手が会心のSPで首位に立ち、迎えたFS。今季苦しんだカルメンの演技は完璧ではなかったが、心の底から強いと思わされた。女子では最も要素が複雑に詰め込まれたプログラムを滑り切った。本当に、よくぞここまで立て直した。

今季初戦(ネーベルホルン杯)の演技を見て「今シーズンもザギトワで決まり」と思ったのだが、ロシア選手権以降は大きく崩れる様子を見て考えを変えざるを得なくなった。しかし終わってみればこの強さ。私の目は節穴だった。

示唆に富むトゥルシンバエワの急成長

2位になったトゥルシンバエワ選手の躍進は非常に多くの意味を持つ。19歳にして4回転サルコウに挑み、この大舞台で成功。ジュニアの選手が成功させるのとは意味が全く異なる。また、今シーズンからコーチがブライアン・オーサー→エテリ・トゥトベリーゼに変わったのも興味深い(3位のメドベージェワ選手とは逆)。流れるような華麗な演技でありつつ、ルッツ・フリップ主体ではなくサルコウを軸に高難度構成を組み立てるという、独特な戦略も面白い。そして、デニス・テン以来のメダルをカザフスタンにもたらしたという点も。

強さを見せた日本選手

紀平、坂本、宮原の3選手はそれぞれ4位、5位、6位に終わった。日本勢が表彰台に上がれないという事態は想像していなかったが、全く期待を裏切る演技ではなかった。ただ上位の選手が想像以上にいい演技をした。女子シングルの代表では歴代最強の布陣だという認識は大会前から変わっていない。

特に惜しかったと思うのは坂本選手で、ミスはFS後半のフリップだけだった。スケーティングの伸びやジャンプの盤石な回転など、足元がしっかりした彼女の演技が評価されたことが嬉しい。


そして今日は男子FS。羽生さんはメラメラしているはずなので、エネルギーに変えて今季最高のOriginを見せてくれることを期待している。


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