見出し画像

ClusterGAMEJAM 2020 in Winter振り返り

みなさんこんにちはこんばんは!Muaccaです!

バーチャルリアリティSNS(VRSNS)のclusterで2020年12月18日20:00から2020年12月20日19:59までの48時間で行われた『ClusterGAMEJAM 2020 in Winter』に参加して『"映え"のためなら下界にDIVE!』というバカゲー(?)を作ってみたので、その振り返りを記録に残しておきたいと思います!

ClusterGAMEJAMって何?

ClusterGAMEJAMというのは、48時間でゲームを作っちゃおう!というイベントです。ゲームといってもプレステとかSwitchとかのご家庭用ゲームではなくて、VRSNSであるclusterの「ワールド」という形式で公開される、ゲームっぽい要素を持った仮想空間です。clusterはパソコン、スマホ、VR機器(oculusとかHTC Viveとか)で遊べるマルチプレイヤーなオンラインの仮想空間というものをワールドという形で提供しているサービスなのですが、そのワールドはclusterのユーザなら誰でも(いちおう、メールアドレスとかの登録は必要だけども)作って公開できるようになっています。

そのワールドなんですが、Unityというゲームエンジンを使って作成することができます。Unityは普通にパソコンゲームやSwitchのゲーム、スマホのゲームを作ることのできる開発ツールなので、言ってしまえば、clusterで決められている一定の様式に従ってUnityで簡単なゲームを作れば、それがそのままマルチプレイヤーな仕組みの上で公開できてみんなで遊べるとかそういうわけです。似たような仕組みはVRChatやバーチャルキャストというサービスも提供しているのですが、clusterはVR機器を持ってなくてもスマホで一緒に遊べてしまうというのが凄くいいですね!

ちなみにゲーム開発といえばプログラムだとかなんだとか、難しい何かを頑張らないといけないのでは?と思うかもしれませんが、実のところワールド作るだけならプログラムとか不要です。だいたいの基本的なことはclusterから提供されているCluster Creator KitというUnityアセットがやってくれるので、私たちワールド作成者のやることは「舞台となる3Dオブジェクトの設置」「BGMの設定」「アイテムとして機能する3Dオブジェクトの設置と設定」くらいで、マニュアル読みながらマウスポチポチしてさえいればあっという間に出来上がってしまっていたりします。すごい!

余談になりますが、インターネット経由で複数人が対戦できるオンラインのマルチプレイヤーなミニゲームを25年くらい前にひとりで試作していたときは膨大なプログラムコードを書いていたりしたので、その頃から比べると人類の技術の進歩すげーなーと思うことしきりです。

そんなclusterのワールドですが、いろいろと機能が増えてきてゲームっぽいこともできるようになってきました。そもそもclusterの会社の社長さんは『Sword Art Online』というバーチャルMMOを舞台としたラノベ(もともとはネットで無料公開されていたものがのちに商用化)の大ファンとのことで、あの世界観を実際にサービスとして実現したいという想いがあるらしく、ゲーム機能を充実させていくということにかなり熱心だ、ということがあるようです。ClusterGAMEJAMはそうしたゲーム機能を使って、48時間という限られた期間内にゲームワールドを作ろうというお祭りイベント、というわけです。

ClusterGAMEJAM、今回の2020 in Winterが2回目で、1回目は2020年8月にやはり48時間の期間で行われています。

挑むにあたっての計画

さて、そのGAMEJAMに私も参加したわけですが、夏のGAMEJAMでいろいろとトラブった経験をもとに、今回はしっかり計画を立てて臨みました。
そのときの計画表をツイートしたりしています。

…ええと、ちょいちょいアニメのリアルタイム視聴の予定が入っているのは気にしないでください。2020年の秋アニメ、私が視聴している番組がたまたま金曜深夜から日曜早朝に集中していただけなので、忘れないように書いておいたのです。ハイキューとかトニカクカワイイとか呪術廻戦とか体操ザムライとか好きな作品目白押しでリアルタイムで見たかったのですよ察してください…あ!いやいやそうだそうだ、前回はワールド作りに集中し過ぎてGAMEJAM期間はアニメ見られず、あとから録画を追いかけるのが大変だった、その教訓を活かしているとかそういうイイ話にしておきましょうか。
あと、毎日の習慣としておはようツイートとおやすみなさいツイートも計画に組み込んでおきました。前回、忘れそうになったんですよね…。

そんなこんななアレコレをざっくり省くと、だいたいの計画は以下のような感じになります。

1日目:12/18(金)夜
 ・ゲームコンセプト立案、イメージボード作成(落書き程度でオッケー)
 ・UnityおよびCluster Creator Kitセットアップ ★1
 ・必要アセットダウンロード ★1
1日目:12/18(金)深夜
 ・最低限の基本要素配置
 ・ビルド&アップロード(非公開) ★1
2日目:12/19(土)午前
 ・3D舞台の作成
 ・足りない3Dモデルをモデリング
2日目:12/19(土)午後
 ・アイテムの配置
 ・ゲームロジックの設定
2日目:12/19(土)夜
 ・ゲームロジックの設定続き
2日目:12/19(土)深夜
 ・ライトのベイク
 ・ビルド&アップロード(公開) ★2
3日目:12/20(日)午前
 ・ゲームワールドの参加登録 ★2
 ・テストプレイ
 ・BGMの作曲
 ・効果音の設定
 ・足りない効果音の作成
 ・ゲームのレベルデザイン、難易度調整
3日目:12/20(日)午後
 ・テストプレイ
 ・難易度調整
 ・バグフィックス
 ・ライトの最終ベイク
 ・ビルド&最終アップロード
 ・ワールドの説明文、サムネイル画像の作成 ★3

ちなみにGAMEJAMはチームで参加してもよくて、その場合は上記のスケジュールとはかなり違った進め方になるようです。私はぼっちなので一人で参加していましたが、ほかにも一人で参加していた方の振り返りを見た感じ、私と似たような進行具合で進めていたようですね。

では計画のポイント、★印をつけている部分について解説しますね。

ワールドの初回ビルドは時間がかかる

まずはポイントその1です。計画表の「★1」でマークしているところがUnityの初回ビルドのビルド時間の長さに対する対策です。

clusterはスマホやパソコン、VR機器のどれでも同じように遊べるサービスなので、実はワールドをアップロードするときに4つの環境向けのビルド(WIndows/MacOS/Android/iOS)をいちいち繰り返します。ビルドの時のメッセージを見ていると、shaderとかmaterialとかのコンパイルとかに時間かけているみたいですね。使っている素材(3Dモデルとか画像とか。こういったものをまとめたものをアセットと呼ぶようです)が多ければ多いほど、ビルドに時間がかかりますし、あと、使っていなくてもプロジェクトフォルダ内にたくさんの素材があるとそれらもコンパイルしているような気がします。

このビルド時間の短縮にはUnityのキャッシュ機能を使うとイイよというのが、clusterのワールド作者の間ではノウハウとして共有されています。

とはいえ、キャッシュでビルド時間短縮されるのは2回目以降。1回目のビルドはどうしても時間がかかります。どういうアセットを使っているかにもよるのですが、下手するとビルドしてワールドをアップロードするまでに6時間くらいかかっちゃうこともあったりで、なるべくそれを初日の就寝時間内に終わらせておくというのがポイントになります。GAMEJAMは泣いても笑っても48時間しかないので、clusterのワールドのアップロードを1日目の深夜にできるかどうかがその後のスケジュールを大きく左右します。なお、このアップロードはビルド内容をキャッシュするためだけのものなので、アップロードは非公開で行っておくのが良いと思います。ぶっちゃけ、この時点だとclusterのワールドとして必要最低限な、プレイヤーのスポーンにかかわるオブジェクト2つ(SpawnPointとDespawnHeight)と床だけ配置しておけばオッケーです。

さて、1日目の深夜にワールドをアップロードする理由は以上の通りですが、そのアップロードをする前にやっておかないといけないのがUnityとCluster Creator Kitのセットアップと、利用するアセットのダウンロードです。UnityとCluster Creator Kitのセットアップは、それをやっておかないとそもそもビルドできないので当たり前として、利用するアセットのダウンロードを初日に終えておくこともかなり重要です。先ほどビルド内容をキャッシュしないと時間がかかるという話をしましたが、当たり前ですがそのビルドのときにまだダウンロードしていない、インポートしていないアセットはキャッシュされません。なので、初回のビルド&アップロードをする前に、使いそうなアセットはすべてプロジェクトフォルダにインポートしておかないと意味がないのです。

と、ここまで初日の深夜までにやっておくことのポイントを書いたのですが、実はUnityとCluster Creator Kitのセットアップとアセットのダウンロードは、何もGAMEJAM当日にやる必要はありません。前日までに済ませておいた方が無難です。もちろん、GAMEJAMのテーマ発表は初日の20:00なので、それまではどんなゲームを作るか決められないのですが、例えば「ファンタジーっぽいのにしようかな」とか「SFな世界観で!」とかを事前に思い描いておくのは自由なので、その時点でワールドの風景に使いそうなアセットはダウンロードしておけば時間の節約になります。
ちなみに私は前日までにUnityのセットアップは済ませていましたが、Cluster Creator Kitのセットアップとアセットダウンロードは当日実施しました。前日までばたばたしてたので時間が取れずで…!

ゲームワールドの参加登録はお早めに

次にポイントその2です。計画表の「★2」でマークしているところ、これはゲームワールドの参加登録のためのフォームへの記入と申請のための対策です。

前回GAMEJAM、私は最終のワールドアップロードを締め切りぎりぎりの19:30くらいに完了した後「終わったー!」とかのんきにツイートしていたのですが、実はなんと参加登録をまだしていなかったということがありました…!

ゲームワールドの参加登録、考えてみれば審査する方からすると「で、結局どのワールドが参加作品なのかな?」とワールド探すのに必要なわけですが、参加している側はとにかくワールド作ることに集中しすぎてて忘れがち&けっこう登録する必要があること自体知らない人が多かったりで…前回の私がそのクチで、参加登録は締め切り直前の19:53に駆け込みで済ませています。晩ご飯食べているときに他の参加者の方が参加登録のことをツイートしているのを見て気づいたんですよねこれ…!

ゲームワールドの参加登録に必要なのは、ワールドへのリンク情報といくつかの参加者特定のための情報(IDとかメールアドレスとか)なので、ワールドを公開状態にしてさえいればGAMEJAM初日でも登録可能です。しかも何回も登録フォームから送信可能なので、最初に公開したワールドを後から差し替えることも可能なんじゃないかと言われています(詳細不明)。GAMEJAMの最終日はけっこうテストプレイとか最終ビルドとかでばたばたするので、その時間帯に参加登録するのは避けた方が良いのと、深夜のビルドとかやってる時間帯はどうせ暇なのでその間に登録のためのアレコレは済ませちゃおうぜ、というのがちょっとしたノウハウだったりします。

ワールドの説明とかサムネイルは後回しでオッケー

最後にポイントその3です。計画表の「★3」でマークしているところ、ワールドを公開したときの公開ページに表記できるワールドの説明文とか、一覧に載るときのサムネイル画像といったものの作成は、3日目の最後にしています。

実はワールドをアップロードするときに、説明文とサムネイル画像は必須項目となっているのですが、前述したようにGAMEJAMだと初回のアップロードのときはまだぜんぜんワールドできてないので、サムネイルも説明も作りようがありません。なので、とりあえずは適当な内容と画像を放り込んでおいて、それをあとで編集することになります。ただ、ワールドの審査とかで説明文やサムネイルを審査ポイントとして考慮するとはどこにも書いていないので、別にこれらが雑なものでも構わないといえば構わないのだと思います。正直、48時間という限られた期間のことを考えると、ワールドの内容に力を入れる方がよいと思ったりもしますし。

そこで、3日目の最後に説明文とサムネイルを作るぞ!と決めておけばいいと思うわけです。3日目ならワールドの説明文も書けるでしょうし、サムネイルのための素材もテストプレイのときに撮影したものを編集すればいいので、素材に困ることはありません。

あと、実はこちらの理由が大きかったりするのですが、ゲームワールドの最終アップロードをぎりぎりにするのがちょっと怖いというのがあります。今回のGAMEJAMでも素晴らしいワールドを時間内に完成させたんだけど、アップロードに時間がかかって締め切りの1分後にようやく完了した、という参加者がおられました。そもそもワールドのアップロードは力作であればあるほど時間がかかるものなんですが、締め切り直前の時間帯はGAMEJAM参加者のアップロードが殺到しやすいので余計に時間がかかってしまっているという気がするのです(関係ないかもですが)。

なので、最終アップロードは3日目の18:00くらいまでに済ませておいて、そのあとは説明文やサムネイルの充実に時間を使う、というのがいいんじゃないかと思ったりするわけです。

なお、あくまでもこれは一人で参加する場合のノウハウで、これがチーム参加だと話がかなり違ってくると思います。チーム参加の場合、このサムネイルや説明文、宣伝用の動画作成といったアレコレを専任で実施しているメンバーを設置しているチームをちらほら見かけました。準大賞受賞チームも確かそうですね。ゲームワールドを作るのはハードル高いけど、それ以外の周辺作業なら手伝えるぞ、参加したいぞ、という方はそれなりにたくさんおられるっぽいので、今後はそういった分業でのチーム構成が一般的になるのかもしれません。その場合、説明文とかサムネイルを後回しにする必要はあまりなくて、他の作業と同時並行に進めればいいということになるかと思います。

で、実際当日の進行はどうだったか

さて緻密な計画(笑)を手に挑んだ今回のGAMEJAM、実際計画通りに進んだのかどうかを振り返ってみましょう。今回、何か事あるごとに進行状況をツイートするようにしていたので、その内容をここにぺたぺた貼っておくだけでも振り返りになりますね!

■1日目

■2日目

■3日目

……ま、まあ計画通りだったんじゃないかな?
ツイート内容から推計した、私のGAMEJAMでの時間の使い方はだいたいこんな感じになっていたようです。

■ゲームワールド作成にかけた時間
 ゲームコンセプト関連:1時間
 開発環境関連    :2時間
 3D舞台関連       :10時間
 BGM、効果音関連    :2時間
 ゲームロジック関連 :8時間
 テストプレイ    :4時間
 ビルド&アップロード:6時間
 その他参加登録など :2時間
⇒ 計:35時間
(テストプレイは実際にアップロードして各機器で確認した分)

■その他の時間
 生活時間  :5時間
 睡眠時間  :9時間
 アニメ見てた:5時間
⇒ 計:19時間
(うち、6時間くらいはビルド&アップロードと並行)

…あれ?結構アニメ見てる時間の割合結構多くない?うーむ…。

作ったゲームワールドについて

ということで、緻密な計画のおかげでスムーズに進行したGAMEJAM、結果として出来上がったゲームワールドが『"映え"のためなら下界にDIVE!』です!ワールドの説明文はこんな感じ!

"映え"な写真スポットを求めて下界にDIVEしよう!
操作は簡単「落ちる」だけ!落下する途中にある"映え"なスポットを巡ってみんなでワイワイ落ちまくろう!
落ちれば落ちるほど"ダテン"エナジーアップで加速する!

ちなみにUnityのシーンビューの表示をキャプチャしてみたのがこちらです!

スクリーンショット 2020-12-26 190739

ものすごく縦に長いワールドですね!一番下に見えるのがスタート地点で「ここから下界にDIVEしよう!」とかメッセージボードに書いてあるんですが、実は下にはなにもないという…一番下のステージの床下にはびっちりとワープポータルが敷き詰めてあって、それに触れたプレイヤーは一番上のステージの床下に強制的にワープします。一番上のステージとスタート地点の間に各種「下界」ステージが配置されていて、それぞれ春夏秋冬な風景を配置しておきました。他にも屋内っぽい風景なミニステージもあったりして、落下中にうまいこと操作するといろいろな風景を巡っていけるという、そういういわゆる観光系なワールドになっています。

ちなみに各ステージが緑の立方体で囲まれているものがありますが、そこにはpost-processが設定してあります。今回はワールド全体にpost-processかけるのではなく、それぞれの場所ごとに異なるpost-processを設定することで、朝っぽかったり昼っぽかったり、夕方や夜っぽい感じの雰囲気を出し分けしてみています。実のところ、その調整に一番時間がかかりました。post-processのbloom、きつくかけすぎるとVR機器でUIがぼやけて見えづらくなるので、そのバランス調整するのにワールドアップロードしてからcluster起動してVR機器でログイン、ひとつひとつのステージを回って見栄えをチェックする、ということを3回ほどやっていたりします。最初はステージを巡るときの難易度高めにしていたので春のステージに行くのに一苦労していたりとかで…post-process調整用の別ワールド作っておいて、それで最初に設定値決めてからあとで本ワールドに適用するといった工夫はあってもいいのかもしれません。

あとゲーム性ということでいうと、今回は各ステージを巡って「イイね!」を集めて回るというシンプルなものにしました。そもそもステージを巡ること自体がアスレチック的な体験になっていたので、あとはそれを巡る動機を作っておくだけにしたというか。今回からPlayerLocalUI機能がサポートされたので、画面上に常に「イイね」の取得数を表示できるようになって、ぐっとゲームっぽくなった気がします。
ワールドに配置した「イイね!」要素は全部で25、各ステージに着地したり、アイテム使ったりある場所に立ったりすると割り当てられた「イイね!」がゲットできるという感じで。一度ゲットした「イイね!」は重複カウントされないようにPlayerのステータスでフラグ管理しているのですが、この25イイねのフラグの管理ロジックをベタで書いてしまったので長大なことになってしまってあとでデバッグに苦労しました。これは今後、Playerロジックの書き方の工夫につなげたいと思ってます。

そういえば今回のGAMEJAMのテーマの『溢れるエナジー』ですが、いちおうこじつけで「落ちれば落ちるほど貯まる堕天エナジーであなたも加速!」という感じで盛り込んでおきました。プレイヤーワープでワープするたびに「DATEN ENERGY」のカウントが上がり、それに比例して移動速度とジャンプの高さがアップするという感じで。これもPlayerLoalUIで常にどこまで堕天エナジーが貯まったかが分かるようにできたので、ゲームっぽさ増した気がします。
なお、堕天エナジーで10段階まで加速するように作っておいたのですが、速くなりすぎるとせっかく降り立ったステージで、のんびり楽しむのが難しくなるという欠点があったりで…!あと、10段階目になると30mの大ジャンプが可能になるのですが、それでステージを登っていけるようにもなったり!(コンセプトが迷子)

今回、ワールドを作るベースにしたのは公式からリリースされているテンプレートワールドの『プログレッション』です。PlayerLocalUIはそのまま流用しました(イイねアイコンはお金アイコン、堕天エナジーは経験値バーを改変しました)。他にも効果音を流用したり、ワープポータルの考え方(DespawnHeightの上にワープポータルを敷き詰める)を使わせてもらったりと、色々と時間短縮に活用させていただいています。
こういったサンプルがあるのはワールド制作のハードルを下げる意味ですごくいいと思います!

今回の想定外

前回GAMEJAMと違って今回はあまり想定外なバタバタはしなかったのですが、1つだけちょっとした手直しをしたので記録に残しておきます。

最初、ゲームデザインしたときは上空1,000mからのDIVEという感じでワールド作っていたのですが、それだとiPadとかの操作でアバターのモーションが動かなくなる時間帯が多い、ということにテストプレイで気づきました。ツイートではアバターが操作不能になる、と書いていますが、実際は走っているモーションが棒立ちモーションになっているというだけで、移動自体はできていました。だいたい100mくらい落下すると、前後左右に移動しても移動モーションにならずに棒立ちのままになるようですね。
結果的に、スタート地点とDIVE地点の高低差は260mに再調整しました。春夏秋冬のステージが50m間隔に並ぶ感じです。1,000mからのDIVEの方が好きだったんですけどね…アバターのモーションがないとちょっと操作感かなり悪い印象になるので諦めました。260mだと、落下している時間が短くなるので、ステージ巡りのための操作が忙しくなってゲーム難易度が上がってしまったりで。その分、ステージとステージの間の距離を狭くしたり堕天エナジーでの加速を大きめにしたりとバランス調整に時間を使いました。
Unityのプレビューだとうまく行っているように見えても、実際にアップロードしてテストプレイしてみると想定通りになっていないことがあるのと、iPadやVR機器だとパソコンとはまた違った操作感になるのでこのあたりのチェックには時間を使いたいところです。一人で参加する場合の一番の悩みはテストプレイ時間の確保でしょうかね…。

まだまだあるよ参加のノウハウ

ということで当日の計画についてのノウハウっぽいものを書き殴ってきましたが、ほかにも当日以前にやっておくと良いこと、みたいな話をclusterの公式discordサーバに投稿したりもしていました。こっちにも転載しておきますね。

gamejam参加すると決めたら、始まる前にやっておくとよいことリスト

gamejamはゲームのテーマは初日の開会式で発表されるのでそれまではゲーム内容には手が付けられないけども、それでも事前にいろいろと準備はしておいた方が後悔しなくていいので以下のようなことはやっておくとイイ感じ。

・Unityのインストールとテンプレートワールドでの試行、非公開でのワールドアップロード
→最新版の開発環境を1度は一回り動かしておくことが重要。あと、ローカルキャッシュを最低1度は稼働させておくとjam期間中に焦らずに済む。前回は締め切り当日に初めてアップロードしてみた方々がいろいろ初回時のあたふたで間に合わなかった例がけっこうあった。テンプレートワールドは一通りのアセットがそろっているので、ベースプロジェクトにするのにかなりの安全牌。

・素材集め(画像、テクスチャ、3Dモデル、BGM、効果音)
→世界観(SFかファンタジーかとか)くらいは決めておいてそれに沿って集めておく。アセットストアももちろん活用する。アセットストアで購入したアセットのダウンロードは大きなものだと一晩かかったりするので先に済ませておく。あと、これを機にパソコン新調したりすると、アセットダウンロードし直しになることもあるので先にやっておかないと詰む。

・使おうと思っている主要なギミックの動作確認
→jam期間中にギミックの動作を試行錯誤しているとかなり時間をロスするので、やりたいことがあるなら事前に試作品で試行錯誤を済ませておくとイイ。テーマがどういうものでも、ギミックにはあまり影響が出ないことは結構多い。

(前日とかにやっておくとよいこと)

・十分な休養
→公式のアナウンスとかでしつこく「寝ましょう!」とか言って頂いているけど、ゲームを作り始めるとあれこれ気になって眠れなくなる(お祭り的な高揚感とかもある)ので、せめて前日までは身体を大事にしましょう。

・食料の買い込み
→ゲーム作るのにノリノリになるタイミングがあったりするので、外に出かけるのが時間的に惜しくなることもあります。あと、頭使うと糖分ほしくなるので菓子類はストックしておくといいですね(私は角砂糖かじってましたが…)。

・お部屋の整理整頓
→別に片づけなくてもいいけど2日間はほぼほったらかしになるのできれいにしておく方がすがすがしいです。というか、jam終わった後は気力がなくて1週間ほど片づけとかおろそかになるので始まる前に整理しておくのがお勧めです。

あと、これはGAMEJAMあるあるで、今回もたびたびdiscordサーバの質疑応答に登場したのですが、「アイテムの子ども階層に別のアイテムを入れるとワールドアップロードできない」「Unityのバージョンが違ってるとワールドアップロードに失敗する」「Main Cameraという名前でカメラを配置するとエラーになる」といったこともノウハウかな、と思います。
特にアイテムの子アイテムというやつは厄介で、Unityのプレビュー機能だと問題なく動くのですが、いざワールドをアップロードしようとするとエラーになるという。前回、私はこれで3時間ほどロスしましたね…。
なので、GAMEJAMに参加するときは公式の用意してくれているdiscordサーバをちょくちょくのぞくとか、困ったときに質問するとかすると良いと思います。頼れるツワモノたち(たいていは社員さんじゃなくて一般の参加者)がきっと助けてくれます。

ClusterGAMEJAMはおススメですぞ!

ということで、これが私の『ClusterGAMEJAM 2020 in Winter』についての振り返りでした!好き勝手書いていたらなんと10,000字を超える長文に…読んで頂きありがとうございます!

夏と冬の2回参加してみての感想ですが、GAMEJAMというのはなかなか面白いお祭りだと思ってます。あと、Cluster Creator Kitがけっこう良くできているので、何かゲームっぽいものを作るということに興味があるなら、clusterのワールド作成から始めてみるというのはかなり筋のいいエントリーポイントだと思います。何しろアップロードしてマルチプレイでデバッグしたり感想もらえたりするのがデフォルトでできてしまうので…しかもVR機器なくてもスマホで遊べてしまうし…いいですか、これは実はかなり凄いことです。なので、このGAMEJAMというのをきっかけにそういうのを趣味として始めてみるのは個人的にかなりおススメです!

ちょっと業界的な話を絡めておくと、実はいま、少なくとも日本ではUnityを使って何かを作れる人が相当人手不足になっています。clusterの方でもかなり求人しているようですが…相場も高騰しているのでいろいろ苦労しているんじゃないかと思ったり。もともとゲームエンジンとして発展してきたUnityですが、仮想空間でのシミュレーション用途に用いられたり、ちょっとしたビジュアルムービーのエフェクトツールとして用いられたり、適用用途が広がってきているというのが今の状況です。あと、WebGLといってウェブブラウザで3D空間を表示するための規格がそろそろまともに普及しはじめているので、WebコンテンツクリエイターのツールのひとつとしてもUnityの比重が上がり始めているのかな、とも思ったり。大昔だとCOBOLやC++、それからPHPやJava、次にPythonといったプログラム言語の流行り廃りみたいなものがあるわけですが、Unityというコンテンツ開発の枠組みみたいなものが、このあとの少なくとも5年間はトレンドの一つになるのは確実だと思います。
なので今後のお仕事人生の選択肢の一つにUnityというバリエーションを入れておくのは個人的にはおススメです。
ちなみにUnityは開発言語としてC#が標準みたいになっているので、プログラム言語覚えるならC#はいい選択肢だと思います。最近のWindowsのアプリケーション開発ほとんどC#だし(一昔前はVisualBasicだったけど廃れた)。
そういえばUnityに似たツールにUnreal Engineもあるんですけど、あっちはどうなんだろう。私の周辺ではあまり聞かないのですが、そっちももしかすると人手不足になっているかも知れません。

それにしてもGAMEJAM、次回あるのかな。夏の時は社長さんが「絶対に冬も開催します!」とか宣言してたけど、今回はそういう話聞かなかったような。こういうイベント、社員さんたちにけっこう負担になるだろうし…もしかすると最初は「ゲーム機能リリースしたからにはじゃんじゃんゲーム対応ワールド増やしてかなあかんよね!うっとこの強みにしていきたいし!せや!GAMEJAMとかいうイベント開いてclusterユーザのみんなたちにどどーんとゲームワールド作ってもろて、一気に数増やしたらええんちゃう!?」とかそういうノリで始めたんじゃないかなとか邪推してますが、ゲームワールドの数自体はけっこうもうたくさんあるわけだし、次回を開催するモチベーションはcluster側にはあまりないのかもしれなかったり。
ま、まあそうなったらきっとユーザ企画としてcluster公認のGAMEJAM開いてくれる猛者がいるに違いない…と思いたい!

それではこの話題はこの辺りでおしまいにしたいと思います。

ではでは! ENJOY!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?