五十肩は病院へ行くべき?

年齢を重ねるにつれて、四十肩・五十肩をいう言葉を耳にすることは多いのではないでしょうか。今週はそんな肩の痛みについて、記事を書いてみたいと思います。今週のテーマは3つ。

1:五十肩は自然の治る?の疑問

2:何故起こるのか、五十肩!

3:五十肩は予防できる!

ますは一つ目のテーマ「五十肩は自然の治るのか」という疑問。結論から言えば、治る人もいるし、治らない人もいる。中途半端な答えになってしまいます。その原因は第二章「なぜ起こるのか、五十肩!」に書いていきます。

まず、多くの五十肩は「肩を回して動かしておけば自然に治る」と自己診断のもと放置されがちなものです。友達から「自然に治るよって言われたから放っておきました」って患者さんは結構たくさんいるものです。確かに、自然に治る人もいるので、完全に否定はできません。けれども、悪化させると厄介な怪我(病気というべきでしょうか?)になってしまうのです。

具体的に・・・ものすごく回復に時間がかかる、手間がかかります

どれくらいか、、、約6ヶ月(データは後日公開します:専門職対象記事)

五十肩を悪化させて”拘縮肩(肩が固まって動かなくなることです)”非常に苦しいリハビリの時間の始まりです。炎症でないのに痛いという、よくわからないけど痛いという訴えが肩の外側に起こります。この痛みが炎症でないからこそ動かしてもいいってことを理解することがまず第一の関門でしょうか。

さて、話を戻しますが、「肩を回して動かしておけば自然に治る」と自己診断、実はここに悪化させてしまう落とし穴があります。まずは少し肩の解剖のお話をしましょう。肩の構造は大きく2つの関節から構成されています。

一つは肩甲上腕関節:皆さんが想像する肩であり、丸いボールのような形状をしている部位です。

もう一つは肩甲胸郭関節:肩甲骨が胸郭(肋骨)上を滑るように運動する、いわゆる肩甲骨の動きです。

これらを総称して”かた”と呼ぶことが多いです。そのため、”かた”の運動は丸い肩甲上腕関節と肩甲骨の運動で成立しているのです。しかも、この肩甲上腕関節と肩甲骨は約2:1の割合で運動します。我々の肩は、下ろしている状態から最大限挙げている状態の角度は180度が平均的な参考角度です。単純計算してみると・・・

肩甲上腕関節:120度 + 肩甲骨:60度 = 合計180度

それでは、私たちはどうやって肩を動かしているのでしょう。

私たちが肩を動かすときは自然と可動性の大きい肩甲上腕関節が主体となって動きます。しかし、五十肩のほとんどケースは肩甲上腕関節に関する組織で痛みが生じています。そのため、「肩を動かせ」「肩を回せ」という自己診断による運動が肩甲上腕関節を過剰に動かしてしまうことで、肩の炎症を継続させてしまいます。

このことに気づかなければ、自然に治ることはないのです。痛みが継続的続くことで、徐々に動かなくなるといった状況の悪化を招きます。実は「肩を回せ」という言葉の影には、「肩甲骨を動かせ」という意味が隠れています。二足で生活する人間にとって“肩“は重要な手段となります。少しくらいだから大丈夫、動かしておけば治るよ、という対処法の誤解によって生活を不自由にしてしまう可能性もあります。理学療法が可能な適切な医療機関で処置をすればすぐに改善できることも少なくありません。肩を動かす本当の意味を理解し、五十肩を予防しましょう。

次回は、2:何故起こるのか、五十肩! がテーマとなります

M.Lab.


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